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HDDの寿命は何年?症状や調べ方、延命方法を徹底解説!
HDDはパソコンの記憶領域であると同時に、読み書きを行う大事な心臓部分です。HDDの寿命は3~4年、稼働時間で約26,000~35,000時間とされています。HDDが寿命を迎えるとパソコンの動作は遅くなり、データ処理にも時間がかかります。今回は、HDDの寿命の見極め方と対策について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

HDDの寿命は何年?
パソコンの記憶容量にあたるHDDは、精密機器であると同時に消耗品です。他の家電と同じように長年使用すると故障しやすく、繊細な機器である分ちょっとした故障が命取りになります。
HDDが寿命を迎えているのにそのまま使用を続けると、OSが起動しなくなったり、起動に時間がかかったり、エラーが増えたりします。そんなHDDの寿命について、内蔵型と外付け型での寿命の違いをみていきましょう。
内蔵型HDDの寿命
HDDの寿命の目安は平均で3~4年、時間にすると約26,000~35,000時間と言われています。HDDはディスクを物理的に回転させてデータの読み取り、書き込みを行うため、使うほどに劣化し、最後には動作が止まってしまいます。
これがHDDの寿命で、パソコン内蔵型HDDの平均寿命は4年ほどです。内蔵型HDDは外部環境の影響を受けにくいことから、外付けHDDに比べると若干寿命は長持ちします。 しかし、内蔵型HDDは起動時やパソコン操作時によく使用することから、劣化が早いというデメリットがあります。
また、内蔵型HDDでは、データの読み込み・書き込みの途中で強制終了したり、インストールを中断するケースも多く、こうした行動もHDDの寿命を短くする要因です。
強制的に動作を中断されると、ヘッドがディスク表面に叩きつけられる形になり、ディスクに傷がついてしまうことがあります。内蔵型HDDの寿命を長持ちさせたいなら、強制終了や中断はできる限り避けましょう。
外付けHDDの寿命
いざという時にあると便利な外付けHDDですが、内蔵型HDDよりも外気の要因を受けやすく、平均寿命は3年ほど、駆動時間は10,000時間程度です。なぜ内蔵型HDDに比べ、外付けHDDの寿命が短いかと言えば、熱や湿度の影響を受けやすく劣化が早いからです。
加えて、日本の場合、夏場は高温多湿、冬でも湿度が高い地域があることから、HDDが物理的に酷使されやすい環境にあります。HDDの寿命が近づいている時には、早めに気づいて対処することが求められます。
HDDの寿命が決まっている理由は?
なぜHDDには寿命があるのか、その理由についてもう少し詳しく解説します。
HDDの寿命を理解するには、HDDがどういう構造になっているかを知るのがわかりやすいでしょう。
HDDの内部はモータで高速回転するディスクだけでなく、フィルタ・ボイスコイルモータ・スピンドルモータ・スイングアーム・磁気ヘッド・アクチュエータなど、細かな部品の組み合わせで構成されています。
複雑な機構であることに加えて、内部でモータが稼働し、ディスクが高速回転することで振動を生じます。複雑な機構になるほど故障も多くなり、劣化しやすくなるというのが寿命の理由です。
一方で、最近多くのパソコンで搭載されているSSDは、基盤のみとなっていることから、HDDのように摩耗による劣化はありません。そのため、SSDの寿命は一般的には5年程度としているメーカが多いようです。
ただし、データを物理的に長期間保存するなら、HDDの方が向いているとも言われており、寿命だけでは良し悪しを判断するのは難しいでしょう。
HDDが寿命を迎える予兆・症状
実際にHDDが寿命を迎えると、どのような予兆・症状が現れるのでしょうか。寿命が近いことが分かった場合、どのような対処を行えばよいのか、それぞれのポイントについて解説します。
1.SMARTエラーの発生
SMARTとは、Self-Monitoring Analysis and Reporting Technologyの略で、HDDやSSDに内蔵された自己診断機能のことです。SMARTエラーはパソコン起動時に発生し、内部の監視システムの結果、HDDやSSDが近い将来破損する可能性が高い時に警告が発せられます。
症状としては、BIOS画面でSMARTエラーのメッセージが現れるものです。警告が出た場合には速やかにデータのバックアップを行い、新しいHDDまたはSSDへの交換を行ってください。
使用する環境によってSMARTの監視機能が誤作動する場合もあります。素人には判断できないケースがほとんどですから、不安を感じたら無理をせずに新しいHDDやSSDに交換しましょう。
2.動作の際に異音が発生する
HDDの寿命が近づいてくると、パソコンが動作する度に「ピコン」「カラカラ」など空回りするような音が鳴ったり、パソコンから焦げ臭いにおい、異常な放熱が発生することがあります。
この症状が現れてもすぐに寿命とはなりませんが、確実に寿命を迎えつつあることがわかる兆候です。最悪の場合は放熱でHDDごと変形し、データの復元ができなくなる可能性もあります。
一度HDDが破損してしまえば、二度とデータの復旧は不可能です。寿命が近いことを察知したら、早めにバックアップを取ってHDDを交換してください。
3.文字化けが発生する
HDDの寿命が近くなってくると、ドライブは正常に認識できても、内部のフォルダやファイルに文字化けが生じてデータが読み取れなくなります。
フォルダやファイルそのものは正常に存在していますが、その一部が破損しているとアクセスできないというのが文字化けの理由です。パソコンの障害の中では「論理障害」に類するもので、データ復旧するならプロに依頼することをおすすめします。
市販のデータ復旧ソフトでは上手くいかないこともあるため、データを万全な状態で復旧するなら、専門業者に依頼するのが安心です。
4.エラーが表示され、ファイルが開けなくなる
HDDの寿命が近くなると、エラー表示でファイルが開けなかったり、パソコンのフリーズ回数が増えたりします。パソコンが正常にコマンドを認識できていないということですから、HDDの損傷が進んでいると考えられます。
もちろん、フリーズやエラーがあることが必ずしもHDDの寿命となるわけではありませんが、一つの兆候として覚えておくと対処しやすくなるでしょう。HDDの寿命が近づいている一つの症状と考え、定期的にデータのバックアップを取得してください。
HDDの寿命や状態を確認する方法
HDDの寿命や劣化は、目視で確認することは非常に困難です。音やにおいなどで寿命が近いことは察知できますが、それ以外にも確認方法はあります。
あくまで目安としてですが、4つの方法を紹介します。
方法1.フリーソフトを使用する
HDDの検査ツールとして、HDDの使用時間が分かるフリーソフトをインストールし、HDDの使用時間を確認する方法があります。
ソフトによりますが、起動すればPCの状態が項目と一緒に表示され、「使用時間」や「電源投入回数」なども細かく把握できるものがあります。使用時間が10,000時間を超えていれば、HDDの交換時期が近いという目安にできます。
HDDの点検に有効な対策ですから、導入を考えてみても良いでしょう。ただし、フリーソフトをダウンロードして問題ないかなど、会社のルールの確認も忘れずに行いましょう。
方法2.年式・メーカ・発売時期をチェック
HDDの年式やメーカの製造番号、パソコンの発売時期で確認する方法もあります。HDDの製品ラベルには製造日の記載があるため、5年以上経過しているものは劣化が進んでいます。
パソコンも同じく、5年以上前に発売されたものは劣化が進んでいるため、HDDの寿命も近いと考えて警戒すべきです。また、HDDはメーカの型番によって、品質に大きな違いがあります。
特定の型番は故障しやすい傾向もあるため、使用中のHDDについてメーカと型番も確認しましょう。
方法3.動作速度が遅くなった
寿命を確認する分かりやすい方法は、購入直後と比べて動作が遅くなったかどうかです。
「以前はもっと早くデータ転送できたのに」「ファイルのコピーに時間がかかる」など、以前より動作の遅さを感じるようなら、HDDの寿命が近づいている証拠です。
また、勝手に再起動が始まったり、起動に時間がかかるなどの症状もHDDの劣化が進んでいると考えられます。一度余計なデータやソフトを削除して、それでも改善が見られなければ、HDDの寿命と考えてください。
方法4.動作中に異音がする
パソコンが健康な状態なら、HDDも静かに高速回転しています。しかし、HDDの劣化が進んでいると、HDDの回転に異音が生じ、「カラカラ」と空回りするような音が生じます。
起動するとカラカラまたはカリカリと音がするようなら、HDDの寿命が近い証拠です。
HDDの寿命が決まる要因

HDDの寿命は使い方や環境によっても大きく変わります。HDDの寿命を決める4つの要因について解説します。
要因1.周辺部品の発熱
HDDはモータでハードディスクを高速回転させる機構上、どうしても高熱を生じてしまいます。周辺部品に発熱があったとしても、適切に排熱されていれば、HDDのオーバーヒートを防止できます。
また、CPUも熱や湿気には弱いため、夏場はクーラーで室温を一定に保ち、冬場は結露しないように配慮するのが理想です。
HDDを長く大事に使うなら、室温や通気性、排熱性に注意して使用してください。
要因2.急な切断
HDDが最もダメージを受けるのは、停電や落雷、強制終了などで急に電源を切断する行為です。急に電源を落とすと、ヘッドがディスクに叩きつけられることもあり、HDDの劣化が一気に進んでしまいます。
急な電源切断に備えて、予備のバッテリの準備、落雷に備えて電源を切るなどの対策を施してください。
要因3.外部からの衝撃
パソコンは精密機器ですから、外部からの衝撃に弱いことは想像しやすいはずです。特にHDDは複数のパーツが組み合わされた構造をしており、衝撃が加わると簡単に傷ついてしまいます。
HDDが衝撃によって傷つけば、データは物理的に復旧できなくなります。パソコンは衝撃に弱いということを理解したうえで、丁寧に扱うことを心がけてください。
要因4.頻繁に電源をオンにする
パソコンに詳しくない方は、普通の家電と同じように「使わない時はこまめに電源を切る」と考えてしまいます。しかし、ことHDDに関しては起動時に最も負担がかかることから、電源を繰り返しオン・オフする方が寿命を縮めます。
そのため、一度電源を入れたらなるべく電源を切ることなく、1日の最後に電源を切るのが理想的です。HDDの寿命を無闇に縮めないためにも、不用意に電源を切らないよう注意してください。
寿命を迎えたHDDを使用し続けるリスク・デメリット
寿命を迎えたHDDをそのまま使用し続けると、どのようなリスク・デメリットが考えられるのか解説します。
動作が遅くなる
HDDが寿命を迎えると、HDDの仕事の速度がどんどん遅くなっていきます。HDDはパソコンの起動やデータの読み込み、書き込みなど動作に関するほとんどをおこなっています。 寿命を迎えると動作が遅くなり、起動するだけで10分以上かかったり、軽いファイルの読み込みにも数分かかってしまい、まともに使用できません。
そのままの状態で無理をさせればHDD自体がダメになり、データが破損するおそれもあります。そのため、動作が遅いと感じたら、修理に出すか、HDDの交換をおすすめします。
データが消失する可能性がある
HDDは中に多くのデータを記録し、必要に応じてデータを引き出して画面上に表示しています。しかし、HDDが寿命を迎えていると、大事なデータを保存しているHDDが劣化し、データが消失することもあります。
実際にはHDDの使用年数、稼働時間、起動回数によっても寿命は変動しますが、寿命を迎えたHDDはいつデータが紛失するかわかりません。
ビジネスで使用するパソコンのHDDが寿命を迎えた時は、会社のデータもろとも消失するリスクがありますから、早めにバックアップや交換対応を行いましょう。
HDDの寿命を延ばすためにできる方法
HDDの寿命を延ばすためにできる5つの方法を紹介します。
方法1.長持ちしやすいHDDを選ぶ
HDDの寿命を延ばすことを考えるなら、まずは頑丈で長持ちしやすいHDDを選ぶのが正しい選択です。メーカや型番によって故障しやすいHDDは決まっているため、故障の少ない長持ちなHDDを選びましょう。
分からない時はインターネットの評判や店舗の店員に確認し、ある程度信頼性のあるHDDを購入する方法もあります。HDDはどんなに長持ちでもいずれは寿命を迎えますから、あくまで安心するための選択です。
方法2.発熱を避ける
HDDもCPUも熱に弱いという性質を持っているため、内部に熱がこもらないように配慮し、発熱を避けることで寿命が長くなります。付属品で冷却ファンを使用したり、エアコンで室温を一定に保つ対策も有効です。
また、パソコンは風通しがよく、直射日光の当たらない場所に置くことも基本で大事なことです。発熱を避けるだけでも、HDDの寿命は延ばせるはずです。
方法3.正しい手順で電源を落とす
パソコン操作の基本ですが、電源を切るときは「シャットダウン」を選択して落とすことです。HDDへのダメージを与えないためにも、強制終了をやってはいけません。
強制終了によってHDDが傷つき、大事なデータが読み込めなくなるおそれがあります。HDDを長持ちさせるため、電源は正しい手順で切断しましょう。
方法4.定期的に掃除を行う
HDDを長持ちさせるなら、パソコン内部に埃を溜めないことも対策になります。HDDに埃が溜まることは考えにくいですが、埃によってパソコン内部に熱がこもりやすくなります。
CPUもHDDも熱に弱い性質を持つため、わずかな熱でも命取りです。エアダスターなどを使用し、内部に埃が溜まらないように注意してください。
方法5.異常があれば相談する
HDDにおかしな点があっても、初心者ではどこがおかしいのかわからないはずです。パソコンを使用していて不調があり、HDDに不安要素があるなら、早めに相談することをおすすめします。
保障期間内であればメーカ、または家電量販店に相談するのが最もスムーズです。各メーカでも故障内容に応じて丁寧に対応していますから、まずは電話で相談してみましょう。
また、修理が必要なら、データのバックアップを取っておくことも忘れないでください。
SSDの寿命は何年?
近年使用されているSSDについても触れましょう。SSDはHDDとは違い、ディスクや複雑な機構がなく、寿命も長いことで知られている大容量の保存領域です。
物理的な衝撃にも強く、HDDのデメリットのほとんどをカバーしていると言われています。SSDは寿命が5~10年とも言われており、長期間の使用でも劣化しにくい点も強みです。
読み書きの速度もHDDより速いことから、データの処理速度を求める方に人気があります。ただし、高速大容量のデータを処理できる反面、HDDよりも金額がかなり高くなります。
まとめ
HDDの寿命は3~4年とされていますが、中には10年以上使い続けた人も少なからずいるため、寿命はあくまでも目安と考えましょう。実際に使っているうちに、動作の遅さや異音などを感じるようなら、HDDの寿命が近いと判断してください。
HDDには必ず寿命がありますから、大事なデータを失わないためにも、定期的にバックアップを取ることが大切です。パソコンやHDDのことを詳しくわからない方は、メーカや家電量販店、またはプロの修理業者に相談することをおすすめします。
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