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HDDの寿命は?見極める方法を解説

HDDの寿命は?見極める方法を解説

HDD(ハードディスク)には寿命があることをご存知でしょうか。HDDの平均寿命はどのくらいなのか、なぜHDDに寿命があるのか考えてみましょう。またHDDの寿命を見極めるポイントと、寿命が近い時の症状について紹介します。さらに、できるだけ長く使うために、HDDの寿命を短くする原因と、寿命をのばすポイントについて解説します。

HDDの平均寿命

HDD(ハードディスク)は、パソコンに記憶させておきたいデータを保存するための機器です。倉庫のような役割を担っていて、パソコンで使うソフトウェアをインストールするとHDDに保存されます。
そんなHDDの平均寿命は、使用状況により異なりますが、平均で3~4年程度といわれます。当然、毎日10時間パソコンを使う場合と、1日1時間しか使わない場合ではHDDの劣化度合いは異なります。HDDは消耗品で、使う年月とともに劣化してきます。

内蔵型HDDの寿命

内蔵型HDDの寿命は、4年程度です。内蔵型HDDが劣化するのは、主にパソコンの起動時です。起動時にはHDDが高速で回転するため、劣化しやすいのです。

外付けHDDの寿命

外付けHDDの寿命は、内蔵型HDDより短めでおよそ3年といわれます。これは、HDDは熱や湿度に弱く、外付けHDDは外の気温や熱の影響を受けやすいからです。

なぜHDDに寿命があるのか

HDDは、データを読み書きする磁気ヘッドと、データを記憶するプラッターでできており、レコードの針と円盤のような見た目で、磁気を利用してデータを記録・再生します。
HDDが稼働するときの部品は、長年使っていると常に振動を受けることになり、少しずつ部品にダメージが蓄積されていきます。そのためHDDは長く使うほど劣化していき、最終的には稼働する部品が劣化して動かなくなるのです。これがHDDに寿命がある理由です。

HDDの寿命を見極める方法

HDDが故障しないか、寿命で動作しなくならないか見極める方法として、次のような状況をチェックして確認できます。

方法1.音とニオイ

パソコン初心者であってもHDDの故障や寿命を見極めるときにわかりやすいのが、音とニオイの変化です。HDDが劣化した状態で長く使われていると、熱が発生して熱くなります。さらにディスクが焼けこげるようになり、おかしなニオイを感じることもあります。さらに、HDDが回転するときに大きな負荷がかかって、起動時などは特に音が大きくなることもあります。ぜひパソコンを買ったときに、起動時の音やニオイについてチェックし、違和感を感じたら注意しましょう。

方法2.パソコンの動作のスピード

HDDが正常に動いているか判断するわかりやすい方法に、パソコンの動作のスピードをチェックするものがあります。HDDが寿命に近づいてくると、パソコン自体の動作が遅くなってくる傾向にあります。例えば、「インターネットの表示が遅い」「ひとつのアプリやソフトウェアを立ち上げるのに時間がかかる」「保存したファイルを開くのに時間がかかる」といった具合。これらの症状が見られる場合は、HDDの劣化が進んでいるサインとも言えます。

方法3.パソコンのフリーズ

パソコンを使っているときに、フリーズする頻度が増えることも、HDDが劣化してきて寿命が近いか、故障しているサインのひとつです。頻繁にフリーズが起こるわけではないなら、そのフリーズは別の意味があるかもしれません。しかしパソコンの動作が遅くなったり、よくフリーズするようになってきたら、HDDが正常に作動していないことが考えられるでしょう。

方法4.フリーソフト・アプリ

HDDの健康状態について診断できる無料のソフトやアプリがあります。エラーの発生率、動作時間、温度、記録できない箇所の数などをもとに、HDDが正常に起動しているか、それとも異常がみられる場合があるか判断してくれます。もし注意や異常が発見されたら、HDDの寿命が近いことをいち早く知ることができるので、すぐにデータのバックアップを取るなどして対応できます。
これらのソフトやアプリは無料で利用できるものも多いので、気になる方はチェックするといいでしょう。

方法5.S.M.A.R.T.(スマート情報)・ベンチマーク

「S.M.A.R.T.(スマート情報)」とは、HDDの各種の情報でありHDDの健康状態をチェックできるものです。HDDやSSDなどの記録装置の健康状態や故障について診断するときに有効な機能です。S.M.A.R.T.情報を調べるためには、S.M.A.R.T.情報を取得するためのソフトが必要です。また、HDDやSSD、USBなどの機能を測定する「ベンチマークテスト」を行うソフトを利用してもいいでしょう。

HDDの寿命が近い時の症状

HDDが故障や寿命が近づいているとき、次のような症状が見られるようになります。

症状1.異音がする

HDDが駆動するときにおかしな音が聞こえるようになったら、寿命が近いサインです。空回りしているような音、がりがり、カチカチとぶつかるような音、何かがこすれるような音が聞こえてきたら、寿命が近いでしょう。

症状2.パソコンの動作が不安定

パソコン自体の動作が、重くなったりフリーズしやすくなったりしてきたら、HDDの故障や寿命が近づいている兆候です。

症状3.データが破損しやすい

「ファイルを保存しようとしたら、エラーが出てしまった」「保存したファイルを開こうとしたのに、開けなかった」など、データの破損が増えてきた場合も、HDDの寿命が近いサインのひとつです。

HDDの寿命を短くする原因

HDDは普段の扱い方次第でも、少しずつダメージを受けていきます。HDDの寿命を短くする原因として、次のようなことが挙げられます。

原因1.熱

HDDの劣化を進める大きな原因となるのが、熱です。パソコンはさまざまなデータ処理を行う上で、熱が生じるもの。使っているうちに中に熱がこもって高温になります。このような状態にあると、HDDは大きなダメージを受けることになります。駆動中には適切に熱を排除してHDDをクールダウンさせ、さらに周辺の機器についても高温にならないように使用することが大切です。特に夏場は高い室温のなかでパソコンを使うのではなく、冷房をつけて室温を一定に保ちながら、時には冷却ファンを使うなどしておくことが大切です。

原因2.衝撃

パソコンやHDDは衝撃にも弱いことで知られています。HDDのヘッドとディスクはパソコンに電源が入っていない場合は、離れた状態にあります。しかし、パソコンを落下させたり、モノにぶつけたりして衝撃が加わると、HDDのヘッドとディスクがぶつかるようになり、どちらも傷つくことになります。たった一度の衝撃でも故障して元に戻らなくなることもあり得るのは、そのような理由です。
パソコンやHDDを守るためには、小さな衝撃もできるだけ少なくして、普段から丁寧に優しく扱うことが必要です。

原因3.起動

「パソコンは電源を入れたままの状態にしておくのは良くない」と思われるかもしれません。しかし、何度も電源を入れたり消したりするのは、実はパソコンには大きな負荷がかかる行為なのです。そしてHDDの寿命には、パソコンの起動回数が関連すると言われており、こまめに電源を入れて・消してを繰り返す方が寿命を縮めることにつながってしまうのです。もし消費電力が気になるなら、電源を落とすのではなくスリープモードにして、すべての作業が終わったときに電源を落とすという習慣をつけるのがおすすめです。

原因4.停電

停電によって急に電源が落ちることは、HDDに大きな負担をかけることになります。停電によって急に電源が落ちると、一気に動作が停止されることになり、HDDのヘッドがディスクにたたきつけられることとなり傷つきます。また落雷があったときも同様で、電源コードから強い電圧がパソコンに加わり、HDDが急停止してディスクが傷つく可能性があります。
もし停電や落雷がよく起こる地域にいるなら、バッテリーの電源を用意しておくなどの対策をしておくと、HDDの寿命を縮ませずに済むでしょう。

寿命がきたHDDを使い続けるとどうなる?

寿命が近いHDDをそのまま使い続けていると、どのようなことが起こるでしょうか?

デメリット1.作業効率が落ちる

HDDがダメージを受けて寿命が近づいてくると、パソコン自体の動作が遅くなると紹介しました。その状態のまま使い続けていると、パソコンの動作はますます遅くなる一方。パソコンを起動するだけで何分も時間がかかり、保存したファイルを開いたり、読み込んだりするのにも必要以上に時間がかかったりすることが考えられます。全体の作業効率が落ちて、イライラする原因にもなってしまうでしょう。

デメリット2.不具合が出る

劣化したHDDをそのまま使っていると、パソコンの動作が落ちるだけでなく、パソコンの動作が不安定になります。頻繁にフリーズしたり、勝手に電源が落ちたり、さまざまな不具合が出てくることになります。そのままの状態で使い続けると、そのような不具合が起こる頻度が上がり、作業効率がますます悪くなるかもしれません。

デメリット3.データが消える

HDDは各種のデータを記録・保存するために使われるものですが、HDDが劣化していくと、データがうまく保存できなくなったり、消えたりする可能性もあります。大切なデータを保存しようとHDDを使っていたのに、HDDの劣化を放置していたら、そのまま大切なデータを失うことにもつながりかねません。

デメリット4.データの取り出しが難しくなる

HDDの劣化は、データの取り出しを困難にさせる状況も引き起こす可能性があります。劣化したHDDではうまく保存されたデータを取り出すことが難しくなり、それに伴って大切なデータをうまく開けない状況になるかもしれません。

HDDを長く使い続けるポイント

HDDを長く使い続けるポイント

HDDは消耗品ですが、できるだけ長く使いたいものです。そこで普段の使い方について、HDDの寿命を延ばすためのポイントをおさえておきましょう。

ポイント1.高温・高湿度に気を付ける

HDDは熱と湿度に弱い性質があります。HDDの最適な温度は40度前後と言われており、60度近くになると寿命は一気に5分の1程度まで縮む可能性があります。そこで気を付けたいのが、パソコンを使うときの室温です。高温の室内や直射日光があたる環境では使わず、パソコンが熱くなったら冷却装置を使うなどしましょう。またパソコンの周辺を整理して、湿度の高い環境にならないように注意するといいでしょう。

ポイント2.繰り返し起動しない

パソコンを起動することはHDDに大きな負担をかけることになります。一日に何度も電源のON、OFFにするなら、スリープの状態で維持しておくのがおすすめです。

ポイント3.丁寧に優しく扱う

先に紹介したとおり、パソコンやHDDは衝撃に弱いものです。たたく、ぶつける、落とすといった衝撃を避けて、やさしく丁寧に扱うように心がけましょう。もしパソコンを持ち歩くなら、衝撃を吸収するクッションが入ったケースなどを利用して、移動中の振動ができるだけかからないように気を付けるといいでしょう。

ポイント4.強制終了・急に電源を抜かない

パソコンやHDDは急に電源を落とすと、大きなダメージが加わることになります。ですから極力、強制終了や電源コンセントを抜くような行為は行わないようにしましょう。

故障したHDDの復旧・復元はNECフィールディングへ

もしHDDが故障した場合は、データの復旧や復元をまず第一に考えましょう。NECフィールディングではHDDの復旧・復元を行っており、起動できずに読み込みが不可能になったHDDに記録されていたデータの復旧・復元についてサポートします。困ったときはまず相談してみてはいかがでしょうか?

▼HDDデータ復旧サービス
https://www.fielding.co.jp/service/maintenance/hdd_recovery/

まとめ

HDDは消耗品のため、長く使っていればやがて寿命がやってきます。HDDの寿命が近づいていることは、一般の方ではなかなか気づきにくいかもしれません。
この記事で紹介したように、HDDの寿命が近い症状を認識したり、異変を感じたりしたら、まずはHDDに保存しているデータのバックアップをとり、メーカーや業者に修理などの対応を相談してみるといいでしょう。

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発行元:NECフィールディング

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