サーバダウンの原因と対処方法は?未然に防ぐ方法も詳しく解説!

サーバダウンとは、サーバの機能が停止してしまうことです。当記事では、サーバダウンが起こる原因と損失について紹介していきます。また、サーバダウンを未然に防ぐ対策方法と、万が一、サーバダウンが発生したときの対処方法について詳しく解説します。
安全なサーバを構築するには?
安全なサーバを構築するためには、まずシステムの検討から始める必要があります。システム側の企画者やサーバを利用するクライアントが求めている要件を整理し、どのようなサーバが必要なのかを具体化していくのです。
システムに合わせてサーバを構築していくため、サーバ構築に必要な知識はもちろんですが、システム側の要件もある程度理解できるよう、システムの知識も持っておく必要があります。また、要件を満たすサーバを作るのではなく、安全に利用できるサーバを構築するためには、セキュリティの知識も有しておく必要があります。システム側が想定している動作をさせる場合どういったリスクがあるのかなど、要件を確認しながら合わせてリスクの把握もしていきましょう。
サーバとパソコン(PC)の違いとは
サーバとパソコンの違いをご存じでしょうか?実は、サーバとパソコンは構成するモノ自体は同じです。それぞれ利用の用途や目的によって使い分けることになります。
パソコンには個人利用に適した設定がされており、搭載されているOS(オペレーティングシステム)には「Windows 10 」「Windows 11 」「Mac OS X 」などがあります。パソコンは個人で手軽に利用できることが特長で、デスクトップやノートなどさまざまな形態があります。
サーバには高い処理能力・信頼性・安定性があり、サーバが持っているデータやサービスを他のコンピュータへ提供する役割があります。つまり、個人で使うのではなく共有して利用することになります。サーバに搭載されているOSには「Linux」「Windows Server 」などがあり、搭載OSもパソコンとは異なっています。
サーバスペックごとの役割と費用
サーバのスペックは、サーバに搭載する部品の性能によって決まります。データ処理で重要な役割を持つCPU・メモリ・HDDやSSDなどのストレージ、それぞれの部品の性能が高ければスペックは良くなりますが、その分費用も高額になります。
サーバにはタワー型・ラックマウント型・ブレード型などさまざまな形状がありますが、いずれの場合も、CPU・メモリ・ストレージがマザーボードに装着されており、稼働しているところに違いはありません。
サーバスペックに影響を与えるCPU・メモリ・ストレージは次のような役割があります。
●CPU(Central Processing Unit)
コンピュータ内で中心的な処理装置として働く電子回路のことを指し、中央処理装置と呼ばれます。データの流れや入出力の制御、データの演算を行います。
●メモリ
コンピュータ内でデータを記録する装置。CPUが直接読み書きをし、作業中のデータを一時的に保持します。
高速で読み書きできる一方、容量が小さく、サーバの電源がOFFされるとデータが消失してしまいます(揮発性がある)。
●ストレージ
データを長期間保存するための、大容量記憶装置です。CPUが直接読み書きできないため、作業するときにはストレージからメモリに読み出す必要があります。
メモリとは逆に、読み書きが遅い代わりにサーバの電源がOFFされてもデータを保持することができます(永続性がある)。
サーバは自前で構築できる?
必要な部品が準備できれば、サーバもパソコンと同じように自前で構築することが可能です。知識がある場合は、自宅でサーバを構築・設定し、運用することもできるでしょう。自宅など小規模で運用することを想定している小型サーバ用の部品も販売されています。
小型サーバであれば消費電力も抑えることができるため、プライベートの趣味や研究、勉強のため、自宅でサーバを構築している人も多くいます。
サーバを設定する方法
サーバを設定するには、サーバに搭載しているOSの観点から考える必要があります。サーバの利用用途・サーバに求める機能により、OSの役割が決定します。
サーバは、ユーザ・アプリケーション・OS・ハードウェアが相互にやり取りすることで機能します。サーバOSはその中で仲介・調整の役割を果たします。ユーザやアプリケーションからの指示・処理命令をハードウェアに順序良く伝えたり、UI・動作環境・リソースなどの提供をします。
サーバを設定する上で重要な役割を担うサーバOSの種類や、ネットワーク・ドメイン・サーバ証明書のインストール方法について説明していきます。
Windows サーバ
Windows サーバはMicrosoft社のOSで、パソコンのOSとして普及しているWindows と同様のインターフェイスで利用できます。有料のOSですが、Microsoft社から公式のサポートが受けられるメリットがあります。
Windowsサーバには大きく分けると2種類のライセンスがあり、システムの大きさに応じてそれぞれコアライセンスを購入する必要があります。
●Datacenter:仮想化されたデータセンターやクラウド環境で利用
●Standard:物理環境や小規模の仮想化環境で利用
※コアライセンス:サーバCPUのコア数に応じて発生
また、サーバに接続するユーザ数に応じて発生するクライアントライセンスがあります。
他のOSと比較し、大規模システムではコストが大きくなりがちです。
Linuxサーバ
Linuxはアメリカ合衆国のプログラマ、リーナス・トーバルズ氏が開発したLinuxカーネルをもとに作られたOSです。Linuxカーネルはオープンソースソフトウェア(OSS)として公開されており、誰でも無償で自由にソフトウェアを利用・改変・再配布できます。そのため世界中のさまざまな企業・団体が、Linuxカーネルにシェルやライブラリなどを加えたOSを開発しており、Linuxはそれらの総称です。
LinuxのCUI(キャラクタユーザーインターフェイス)は黒背景に英語の文字だけが書いてあるような画面で、特有のコマンドを書き込んで操作をします。GUI対応しているアプリケーションを利用することもできますが、一般的にはLinuxコマンドを用いてサーバの操作をするため、操作に慣れていない場合は利用がし辛いかもしれません。
Mac OSサーバ
Mac OSはApple社が開発するOSで、Macに搭載されています。MacOSはWindowsと同様に使いやすいGUIが搭載されてます。Unixの認証を受けており、システムのベースにUnixが用いられている点がWindowsと異なります。
MacOSはクライアント向けのOSに追加アプリケーションをインストールする形が取られており、アプリケーションの値段も安価で、Macを利用していれば気軽にサーバ利用を始められる点が、他のOSにはないメリットです。
ネットワーク設定
サーバのネットワーク設定は、データの共有(転送)やサービスの提供(利用)を目的に行います。複数のコンピュータから相互接続し、データをやり取りできる状態にするのです。
ネットワークの種類は大きく2種類あり、LAN(Local Area Network)とWAN(Wide Area Network)があります。
●LAN:社内ネットワークのようにローカルネットワーク下でコンピュータ機器同士が接続するための通信方法
●WAN:遠隔地同士を結んだネットワークで、主に外部とのインターネット接続などに用いる通信方法
LANもWANもサーバにIPアドレスを付与することで通信ができるようになるため、サーバのネットワーク設定は、最初にIPアドレス割り当てを行います。
ドメイン
サーバのドメインは「xxxx.co.jp」のような名前のことを指します。
Webサイトの場合は、公開するIPアドレスとドメインを紐付けることで、ユーザはURLのドメイン名を入力することで、IPアドレスを覚えること無くWebサイトにアクセスすることができるようになります。なおドメインはドメイン管理組織によって管理されているため、利用する場合は申請及び登録が必要になります。
ちなみに、ドメイン名とは「www.xxxx.co.jp」のようなURLのことを指し、「ドメイン」と「ドメイン名」では意味が異なってくるので、使い分けに注意しましょう。
サーバ証明書のインストール
Webサーバの場合、公開サーバに対してインターネットなど外部に接続する際にSSL/TLS通信をすることになります。SSL/TLS通信をするためには、SSLサーバー証明書をインストールする必要があります。
SSL/TLS通信は、情報を暗号化し、悪意のある第三者からの盗聴や改ざんを防止することを目的として実施する通信方法です。WebブラウザにかかれているURLが「https://~~」で始まるものがSSL/TLS通信です。SSLサーバー証明書をインストールすることで、暗号化通信が実現できます。
サーバダウンとは?
サーバとは、「Webサイトを表示させたい」「メールを受信したい」といったリクエストに対し、それに対応したデータを提供するコンピュータやプログラムのことです。「Webサーバ」「メールサーバ」「DNSサーバ」など、さまざまな種類のサーバがあります。
サーバダウンとは、なんらかの理由でサーバの機能が阻害され、予定外に停止してしまうことを言います。サーバはメンテナンス時やサービス提供時間外に停止させることがありますが、基本的には、いつリクエストがあっても対応できるよう稼働しているものです。しかしサーバダウンが発生すると、Webサイトが見られなくなったり、メールの送受信ができなくなってしまいます。
サーバダウンによる損失
サーバダウンによるサイト停止は、企業に大きな損失をもたらします。
経済的な損失
企業Webサイトのサーバがダウンすると、経済的な損失につながります。
例えば、ECサイトの場合、サーバダウンした時間は販売ができなくなるため、その分の売上をすべて失うことになります。特に、大規模のキャンペーンを実施するようなときは、アクセスが集中してサーバダウンが起きやすく、せっかくのプロモーション機会を失うことになりかねません。売上アップどころか、売上の大幅ダウンにつながる可能性すらあります。
しかも、その損失額は規模が大きくなるほど巨額に膨らみ、サーバダウンしている時間が長いほど、その影響も大きくなります。
信頼の喪失
目に見えるものではありませんが、サーバダウンは利用者からの信頼を失うことにもつながります。
私たちが普段利用しているWebサイトやECサイト、メールサービスなどは、普段から快適に利用でき、しかも安心して使いやすい環境が整っていてこそ、信頼されるものです。しかし「使いたいときにサーバダウンで使えなかった」という事態が起きれば、サービスそのものに不安を感じたり、他社への切り替えにつながる恐れもあります。
サイト閲覧者の離脱
サーバダウンは、Webサイトを閲覧するためにアクセスした人を離脱させることにもつながります。
なんらかの目的を持ってWebサイトにアクセスしようとした人に対し、サーバダウンで情報が表示できないと、利用者はサイトから離脱してしまいます。サーバダウンが繰り返し起きたり、アクセスが増える時間帯にサイトが重くなったりすると、利用者から「いつもこのサイトはつながらない」と、あまり良くない印象を持たれる可能性もあります。
サーバダウンが起こる原因

内的要因
サーバダウンの内的要因としては、次の4つが考えられます。
1.ソフトウェアの問題
サーバにインストールされているソフトウェアにバグやエラーが生じている可能性があります。2.ハードウェアの故障
サーバに使用されているハードウェアが壊れた場合、サーバがダウンする可能性があります。例えば、ハードディスクやCPUの故障などが挙げられます。
3.セキュリティの問題
サーバに侵入された場合、攻撃者がサーバを乗っ取ることがあります。その場合、攻撃者によってサーバが停止される可能性があります。
4.物理的な問題
サーバが設置された場所に問題が生じた場合にもサーバダウンが起こりえます。例えば冷却装置が故障した場合などでも、サーバがダウンする可能性があります。
外的要因
サーバダウンの主な外的要因としては次の3つが考えられます。
1.アクセスの集中
サーバダウンの原因としてもっとも多く挙げられるのは、アクセスの集中です。
Webサイトへのアクセスが増えすぎると、サーバがその処理に追い付けなくなり、それによって動作が遅くなりダウンしてしまいます。
サーバには、同時に対応できるアクセス数がある程度設定されています。しかし、その許容数を超えてしまうと、サーバには大きな負荷がかかってしまい、機能が一時停止してしまうのです。
よく起こる例として、大規模なキャンペーンや有名アーティストのチケット販売開始時などが挙げられます。通常よりも多くのアクセスがあると見込んで準備していても、それを超えるアクセスがあると、サーバダウンにつながる恐れがあります。
2.サイバー攻撃
サイバー攻撃と聞くと一般的なコンピューターをターゲットにしたものと思われるかもしれませんが、サーバを標的にしたものもあります。例えば「DDoS攻撃」と呼ばれるサイバー攻撃は、大量のパソコンから特定のWebサイトへ集中的にアクセスし、サーバダウンを狙います。
WebサイトやECサイトがサーバダウンすれば、その間の売上損失が発生するなど、相手にダメージを与えることができます。
また、外部からIDやパスワードを割り出し不正にサーバに侵入するのが「不正アクセス」。サーバに保管されている機密情報を盗み出したり、改ざんしたりします。その場合、サービス停止だけでなく、個人情報が流出し大きな被害をもたらすことも考えられます。
3.サーバの故障
サーバ自体がなんらかの原因で故障しダウンすることもあります。
24時間稼働しているサーバは、常に熱を持った状態にあるため、それぞれのパーツが劣化しやすくなります。また、地震、火災、落雷、水害などの自然災害で物理的にサーバがダメージを受けダウンすることもあります。
日本は地震が多く、近年は台風や大雨などの災害も頻繁に発生しており、サーバダウンを防ぐには、それらの対策が必要不可欠と言えます。
サーバダウンを未然に防ぐ対策
サーバは常に負荷がかかりやすく、ダウンするリスクが高いことをおわかりいただけたかと思います。
では、サーバダウンを未然に防ぐためには、どのような対策を講じるべきでしょうか。
サーバの冗長化
冗長化とは、システムの一部になんらかの障害が発生したときに備え、同じ機能や役割をもつ予備のシステムをあらかじめ用意しておき、万が一異常が発生しても、システム全体の機能を維持し続けられるようにすることを言います。
サーバの冗長化とは、サーバダウンに備え、あらかじめ予備のサーバを設置することを指します。仮に1台しかサーバがなかった場合、そのサーバがダウンしてしまうと、復旧するまですべての機能が停止してしまいます。しかし、予備のサーバがあれば、たとえ1台がサーバダウンしても、予備のサーバでサービスの提供が維持できるようになります。
ロードバランサーの導入
ロードバランサーとは、外部からのアクセスを複数のサーバに振り分ける「負荷分散装置」のことです。
サーバにかかる負荷が大きくなると動作が遅くなり、やがてサーバダウンが起きてしまいます。そして、1つのサーバにかかる負担を軽減できるのがロードバランサーです。
ロードバランサーを導入すると、アクセスが増えた際、自動的に負荷が分散されるため、動作が遅くなったりせず、利用者が快適にサービスを利用できるというメリットがあります。
サーバ監視システムの導入
サーバダウンのようなトラブルを未然に防ぐためには、サーバを定期的に管理する、「サーバ管理者」を配置するのが一般的です。しかし、人によるサーバ管理を24時間365日体制で行うと、経済的にも大きな負担がかかります。そこでよく利用されるのが「サーバ監視システム」です。
サーバ監視システムを導入すると、サーバの状態を常に確認しながら、異常が発生すればメールなどで通知されるので、さまざまなサーバトラブルやその予兆をすぐに把握、対応できるようになります。
サーバのスペック向上
サーバのスペックが不足しそうな状況になっている場合は、サーバのスペックを上げましょう。サーバのスペックを上げるには「メモリ容量を増やす」「処理能力の高いCPUへ変更する」などの方法があります。
サーバに必要なスペックは、環境により異なります。アクセスが集中した際のデータを確認し、どのくらいのスペックが必要か検証しましょう。
セキュリティ対策の導入
サイバー攻撃によりサーバダウンすることがあります。特にECサイトなど個人情報やカード情報を取り扱っている場合は、サイバー攻撃の対象とされやすいです。サイバー攻撃によるサーバダウンを防ぐためには、セキュリティ対策を導入しておくことが重要です。セキュリティ対策の導入は、サーバダウンを防ぐのはもちろん、情報漏えい対策にもつながります。
サーバのセキュリティ診断を定期的に実施するなど常に万全の対策を施しておき、サイバー攻撃に起因するサーバダウンのリスクを低減させましょう。
定期的にデータのバックアップを取る
対策を施していても、何らかの原因でサーバがダウンしてしまう可能性をゼロにはできません。そのため、定期的にサーバのシステムやデータのバックアップを取るようにしておきましょう。バックアップデータがあれば、万が一サーバがダウンしてしまった場合も、復旧にかかる時間を短縮できます。
バックアップデータを保持保持しておくことで、次のようなトラブルが発生した場合にトラブル前の状態に戻すことができます。
- ・サイバー攻撃を受け、データが改ざん・暗号化された
- ・ストレージの故障でデータが破損・消失した
サーバダウン発生時の対処方法
もしサーバダウンが発生してしまった時は、次のような手順で対処しましょう。
サーバダウンか確認する
たとえば、Webサイトが閲覧・利用できなくなったときには、本当にサーバダウンが起きているか確認する必要があります。
サーバになんらかのトラブルが起こったときの症状として、「Webサイトにアクセスできない」「頻繁にフリーズする」「エラーメッセージが表示される」「ファイルやフォルダが開けない」などがあります。また、サーバ自体の電源がなんらかの原因で落ちていることも考えられます。このような際にはサーバの電源を入れ、本当にサーバがダウンしているか確認しましょう。
自社サーバの場合
自社で保有するサーバがサーバダウンしていることがわかったら、サーバ担当者に連絡し、対応を仰ぎます。利用者への連絡も状況に応じて行う必要があるでしょう。サーバ復旧までの時間がわかれば、それに応じ対応していきましょう。
レンタルサーバの場合
自社保有サーバではなくレンタルサーバを使用している場合は、レンタルサーバを管理する会社に連絡します。
レンタルサーバ会社の技術者がサーバ復旧の対応にあたるため、復旧までの時間などを連絡してもらい、必要に応じて利用者への連絡を行うと良いでしょう。
アクセス集中の場合
アクセス集中がサーバダウンの原因の場合は、大量アクセスに対応する必要があります。スケーリング、キャッシュ、ハードウェア・ソフトウェアのチューニング、レプリケーションの4つを組み合わせることで、大量のアクセスに対応することができます。
外部攻撃の場合
外部攻撃が原因となっている場合は、ファイアウォールの設定強化、脆弱性対策、ログの監視、適切なアクセス制御が必要です。また、バックアップの取得や災害復旧計画の策定も重要です。早期発見・対応が可能な監視ツールの導入・設定も効果的でしょう。
ハードウェアが故障した場合
ハードウェア故障が原因でサーバダウンした場合には、修理対応が必要になります。修理を待たずにサーバ復旧できるよう、予備機を用意しておくのも効果的です。また、故障直前の状態に復旧できるようにするため、サーバはデータや設定のバックアップを定期的に行い、状態や構成も記録しておくことが大切です。
故障発生時には状況を把握し、必要なハードウェア部品を交換することで復旧することができます。
自然災害の場合
自然災害が原因でサーバダウンの可能性がある場合は、サーバを物理的に分散させることや、オンラインストレージの活用が有効でしょう。バックアップや災害復旧計画の策定、定期的な復旧演習も重要です。また、インターネットラインの冗長化や、独立した電源、温度・湿度管理も対策することで、被害を最小限に抑えることができるでしょう。
人為的ミスの場合
人為的ミスは避けられないため、ミスに備えた対策が必要です。具体的には、バックアップの定期的な取得、システム設定を利用し人の操作を減らす、プログラムの更新履歴の確認、適切なアクセス制御などがあります。また、定期的な教育やトレーニングを行い、ユーザの意識向上を図ることで、人為的ミスによるサーバの停止やデータの消失を未然に防ぐことができるでしょう。
原因不明の場合
原因不明のサーバダウンに備えるためには、システム状態の監視やログの収集が重要です。問題解決のためには、復旧手順を策定し、原因特定や対応に必要な情報を収集することが必要です。また、バックアップの実施や災害復旧計画の策定も効果的です。ITエキスパートによる診断や検証も有効であり、複数の手段を組み合わせたアプローチが求められます。
サーバダウンの復旧にかかる時間
自社サーバの場合
自社サーバの場合、サーバダウンの復旧にかかる時間は、障害の原因や影響範囲の状況によって異なります。
例えば、復旧に必要な作業内容や作業時間、物理的な修理が必要な場合の修理時間、 バックアップデータからの復旧に必要な時間です。これらの要因によって、サーバダウンの復旧時間は変動します。また、作業や修理には予期せぬトラブルが発生する可能性もあるため、復旧時間を予測することは困難です。復旧までの時間を短縮するためには、事前に適切な対策を講じることや、素早く正確な対応を行うことが大切です。
レンタルサーバの場合
レンタルサーバの場合、サーバダウンの復旧にかかる時間は、レンタルサーバ会社のサポート体制や故障内容によって異なります。
一般的には、自社サーバよりも迅速に復旧することが期待できます。サポートの充実度によって異なるため、利用するレンタルサーバ会社選びが重要になります。一般的には、自社サーバよりも短時間で復旧可能であることが多いですが、復旧時間の目安は会社によって異なるため、契約前に対応時間やサポート監視などの対応体制を確認しておくことが重要です。
アクセス集中の場合
アクセス集中の場合は、要因によって復旧時間が大きく増減します。
復旧時間に影響を与える要因として、サーバ負荷およびアクセス集中の状況、サーバスペックや回線帯域の状況、キャッシュサーバの有無や設定内容、コンテンツ配信を行うCDNの利用有無や設定内容などが挙げられます。
アクセス集中によりサーバダウンが発生した場合、負荷軽減のためにサーバの再起動、キャッシュやCDNの設定変更など必要な場合があります。再起動や簡単な設定変更のみで解決する場合は、復旧にかかる時間は短く済むでしょう。
一方で、サーバの物理的なメンテナンスや回線の調整が必要な場合、数時間~数日の復旧時間が必要になることもあります。アクセス集中によって情報システム自体が不安定になった場合、復旧までに長期間を要することも考えられます。
外部攻撃の場合
外部攻撃によるサーバダウンの影響範囲や脅威の度合いによって、復旧に掛かる時間は大幅に異なるため時間は予測できません。
復旧時間に影響を与える要因として、攻撃の種類や方法、サーバやシステムの脆弱性の有無やレベル、セキュリティ対策の体制や効果、サーバやシステムデータのバックアップ有無やバックアップ内容などがあげられます。
復旧に必要な作業や所要時間を見積もるためには、攻撃の手口や被害状況、復旧に必要な措置など、正確な情報を収集する必要があります。さらに、攻撃によってデータが破壊されたり、機密情報が盗まれた場合は、復旧だけでなく、その後の情報漏えい対策などの作業も必要になることがあります。復旧までの時間をできるだけ抑えるためにも、外部攻撃に備えて、十分なセキュリティ対策を講じることが重要です。
ハードウェアが故障した場合
ハードウェアの故障によるサーバダウンの場合、短時間での復旧が困難であり、数時間から数日程度を要する場合があります。
復旧時間に影響を与える要因として、故障の原因や影響範囲、ハードウェアの種類や構成、交換に必要なパーツの入手にかかる時間、コンポーネント変更や設定変更に必要な作業時間などが挙げられます。
サーバを構成する各種ハードウェアには、例えばCPUやメモリ、ストレージ、電源ユニット(PSU)、ネットワークインタフェース(NIC)やマザーボード自体など、さまざまな部品があります。そのうちの一つが故障するだけでサーバ自体が稼働しなくなり、サーバダウンにつながることがあります。
故障によるサーバダウンの場合、復旧には故障した部品の交換や修理、サーバの再起動、データの復旧などが必要であり、交換や修理に必要な時間によって復旧時間が変動します。また、故障したハードウェアが予備パーツである場合、交換がすぐに行えることもありますが、予備に含まれていない場合は、パーツの手配・入手が必要になるため、復旧時間が長引くでしょう。
自然災害の場合
自然災害が原因の場合は、復旧には相当な時間がかかることが予想されます。
復旧時間に影響を与える要因として、サーバやデータセンターの被害状況や地理的位置、自然災害の規模や内容、電力インフラや通信インフラの被害範囲、復旧に必要な作業内容や作業規模、大規模な自然災害発生などが挙げられ、簡単に復旧できるケースは少ないでしょう。。そのため、自然災害に備えてバックアップを定期的に行い、緊急時にはリモート操作やクラウド運用の利用などでサービスを維持できる体制を構築しておくことが重要です。
人為的ミスの場合
復旧にかかる時間は、ミスの種類や影響範囲、復旧に必要な作業規模によって変動します。再起動するだけで復旧する場合もありますが、設定を誤ってデータが消失するなどの場合は、長引くことがあります。
復旧時間に影響を与える要因として、サーバやシステムの構成や設定、ミスの種類や影響範囲、ミスに気づくまでの時間、復旧に必要な作業内容・規模などが挙げられます。また、復旧作業と同時に、同じようなミスが繰り返されることを防ぐ対策をとる必要もあるでしょう。
人為的ミスが極力発生しないよう、適切な教育や手順書の整備、ミスを発見し修正する見直し、仕組みの確立をしておきましょう。
原因不明の場合
原因不明のサーバダウン発生時はまず原因を特定することが最優先ですが、原因が不明なため診断やトラブルシューティングの作業が困難となり、復旧に時間がかかる場合があります。
復旧時間に影響を与える要因として、復旧作業に必要な知識やスキル・経験の有無、原因不明の不具合やエラーの深刻度、サーバ・システムの構成や保守管理の体制、復旧に必要なハードウェアやソフトウェアの交換、修理などがあげられます。
原因不明な場合、復旧に必要な作業や知識には、専門性のある専門家が関与する必要があるでしょう。したがって、原因不明のサーバダウンを防ぐためには、緊急時のプロトコルの整備、継続的な保守管理やメンテナンス、ウイルスやマルウェアの侵入を防ぐセキュリティ対策の強化が重要です。
NECフィールディングのサーバダウン対策
サーバダウンはいつ起きてもおかしくないもの。そしてサーバダウンが発生すると、企業にとって大きな損失を生み出します。そのような事態を防ぐためには、技術者を有するサービス会社にサーバ管理を依頼するのがおすすめです。
NECフィールディングは、ハードウェアを24時間365日体制で監視してサーバダウンを未然に防ぎ、トラブル発生時には迅速な保守サポートを行っています。
恒常的なサーバ管理が重要
私たちが普段Webサイトを閲覧、ECサイトを利用したりできるのは、サーバが正常に機能しているからこそです。そのため、サーバがダウンしてしまったら、これらの行為はできなくなってしまいます。
サーバ管理の専門技術者が社内にいれば良いのですが、そうでない場合は、サーバ会社や管理会社に管理を依頼する方が、いざという時も安心できるのではないでしょうか。
発行元:NECフィールディング
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