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クラウドコンピューティングとは?メリットやセキュリティのリスクなどを徹底解説!

クラウドコンピューティングサービスとは、インターネットに接続して、データの保存や共有、アプリの開発などさまざまなアプリケーションを利用できるサービスです。提供されるサービス内容によって、IaaS・PaaS・SaaSに分けられ、自社に最適なサービスを選べる自由度の高さが魅力です。今回はクラウドコンピューティングサービスとはどのようなサービスか、メリット・デメリット、選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
クラウドセキュリティとは?
クラウドセキュリティとは、クラウド環境での各種リスクに対してセキュリティを施すことを指します。より具体的に説明するなら、クラウド上のデータの窃盗、漏えいなどのリスクから保護することです。
クラウド環境では、4つのセキュリティがあるとされています。
● 情報漏えい
● データ消失
● サイバー攻撃
● 不正アクセス
いずれもクラウドのセキュリティリスクで大きいものであり、対策を行うことが重要とされています。
まず情報漏えいに関しては、不正アクセスやマルウェアなどの悪意ある攻撃によって、第三者に機密情報や個人情報が流出するリスクです。 クラウドサービスを提供する事業者と契約する際は、情報漏えいに対するセキュリティ対策、漏えいへの保証の範囲、対策のレベルなどを利用規約に明記されているか確認することが大切です。
データ消失とはクラウド上に保存されているデータの消失リスクのことで、災害やサーバ障害、不正アクセスなどによって脅かされるものです。誤操作によるデータ消失も含めて、データが消失後に復元できるようなバックアップ機能を持つことが大切になります。
サイバー攻撃とは、DDosや不正アクセスなど、悪意ある第三者からの攻撃に対し、セキュリティ対策が十分施されていることがポイントです。技術の進歩と共にサイバー攻撃も進化しているため、常に最新のセキュリティ対策が行われていることが重要です。
不正アクセスもサイバー攻撃と同様、マルウェア感染や情報流出を防ぐ観点では重要です。定期的なパスワード変更や推測されにくいパスワードの設定、多重認証など外部からのアクセスを制限するセキュリティ対策が必要になります。
紹介した4つのセキュリティリスクに対し、経済産業省は「クラウドセキュリティガイドライン」として、次の8項目の対策を具体的に設定しています。
1. インフラ
2. 仮想化基盤
3. サービス基盤
4. 総合管理環境
5. データ管理
6. データ分類
7. ID管理
8. 人員
これらの8項目に沿って、クラウドサービス提供事業者のセキュリティ対策を判断すべきです。
クラウドコンピューティングとは?
クラウドコンピューティングとは、インターネットを経由して、クラウドサービス提供事業者の提供しているコンピュータを利用する仕組みのことで、単純に「クラウド」と呼ばれています。
クラウドコンピューティングでは、企業が自らソフトウェアやアプリを購入し、設定する必要がなく、オンプレミスのように自社でシステム構築する手間とコストも不要です。
オンプレミスでは、ネットワークの構築からシステムのメンテナンス、アップデートまですべて自社で行わなければなりません。一方クラウドコンピューティングを利用すれば、企業はネットワークに接続する環境を用意するだけで、すぐにシステムを利用できます。
企業の規模に応じてサーバや通信量を変更できる従量課金制となっており、低コストで高品質なシステムを利用できるサービスです。
クラウドコンピューティングでできること
クラウドコンピューティングでは、企業が業務を遂行するうえで必要な機能が一通り揃えられています。具体例を挙げると、次のことが実施できます。
実施できること | 具体的な内容 |
メールの送受信 | クラウド上でメールの送受信を行うため、ネットワークに接続できればどこでもメールの対応ができる |
データ作成・保存 | クラウド上でWordやExcelと同じように資料を作成し、保存できる |
ファイル及びフォルダの保存・共有 | クラウド上でファイルやフォルダを保存し、アクセスできるアカウントなら誰もが自由に共有できる |
データのバックアップ | データをクラウド上に保存しておくことで、災害時や設備の故障時にもデータ消失のリスクを避けることができる |
アプリ開発 | モバイルアプリやゲームなどをクラウド上のプラットフォームで開発することで、ユーザの増減にも即座に対応できる |
データ分析 | クラウド上でビッグデータを分析し、経営戦略の最適化にも繋げられる |
クラウドコンピューティングの種類は?
クラウドコンピューティングには、主に3つあります。
● IaaS
● Paas
● SaaS
それぞれの違いは次の通りです。
種類 | サービス内容 |
IaaS (Infrastructure as a Service) |
・インフラ部分を利用できるサービス ・主にサーバやストレージ、ネットワークの部分を利用し、自由にシステムやネットワークを設計できる |
PaaS (Platform as a Service) |
・インフラだけでなく、プラットフォームも利用できるサービス ・システム開発に使用するOSやミドルウェア、データベース管理システム、プログラミング言語などのソフトウェアをクラウド上で提供している |
SaaS (Software as a Service) |
・予めパッケージとして用意されたアプリケーションを利用するサービス ・一般的に利用されているクラウドサービスであり、アカウントを持っていればクラウド上で自由にアプリケーションを利用できる |
クラウドコンピューティングサービスの具体例を紹介
クラウドコンピューティングのサービスにはIaaS・PaaS・SaaSの3種類があることを説明しました。それぞれのサービス形態の中でも、有名なクラウドコンピューティングサービスを紹介します。
IaaSの代表例
IaaSは、クラウド上でインフラを提供するサービスです。代表するサービスには次のものがあります。
● Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)
● Microsoft Azure
● Google Compute Engine(GCP)
いずれのサービスも使用できるCPUやメモリ、ストレージなどを自由に選択でき、ストレージも自由に変更できます。使いこなすには専門知識も必要ですが、非常に自由度の高いクラウドサービス形態です。
PaaSの代表例
PaaSはプラットフォームを用意し、システム開発に必要なOSやミドルウェアなどを提供するサービスです。PaaSの代表例には次のものがあります。
● Google App Engine
● Heroku
PaaSでは、レンタルサーバでも耳にするPHPやMySQLなどのプログラミング言語やデータベース管理システム、OSなどの開発ツールをまとめて提供してくれるサービスです。
そのため自社でアプリケーションの開発環境を準備する手間がなく、クラウド上でシステム開発が行えます。提供されるサービス範囲内でしか開発できないという課題はありますが、コストが非常に低い点が特徴です。
SaaSの代表例
SaaSはパッケージ化されたアプリケーションを利用できるクラウドサービスです。代表例は次のものです。
● Microsoft Office 365
● GmailやGoogleドキュメント など
● Dropbox
● サイボウズ
SaaSの特徴は、ネットワークを経由し、アカウントを持っていれば複数の端末から同時に接続できる点です。1つのデータを複数人で同時に閲覧できるほか、修正・変更、編集権限の付与などさまざまな利用方法があります。
インターネットに接続できなければ利用できないリスクはありますが、セキュリティ対策が常に最新状態で、バックアップも保存されることから、自社でデータを保管するよりも安全性の高いサービスです。
一方でカスタマイズ性は低いことから、自由度の高いソフトウェアを求める場合にはやや不向きといえます。
クラウドコンピューティングのメリット

クラウドコンピューティングのメリットについて、具体的に解説します。
メリット1.利用開始までが早い
クラウドコンピューティングは、自社でソフトウェアやハードウェアを購入しなくても、申し込んだらすぐに利用できる点がメリットです。データの保存容量や機能性については、プランの内容によって増減できるため、常に最適な利用方法を選べます。
スピードが重視される企業においては、クラウドコンピューティングを利用するメリットは大きいといえます。
メリット2.導入費用が不要
クラウドコンピューティングは申し込みをすれば、利用料を支払ってすぐに利用を開始できます。特別なソフトウェアは不要で、サーバ管理室のような大型の設備を導入することもありません。
インターネットに接続できる環境と、パソコンまたはタブレット・スマートフォンがあれば利用できるため、大型投資が難しい中小企業にとって利用しやすいサービスです。
メリット3.自社での運用・保守が不要
クラウドコンピューティングの大きなメリットの1つが、自社で専門の担当者を雇用し、保守・運用する必要がない点です。オンプレミス型のシステムを構築した場合、自社でサーバやシステム構築をすべて行うため、維持するために多大な人件費と手間が掛かります。
一方クラウドコンピューティングならクラウドサービス提供事業者が行っているため、利用者側には手間が掛かりません。人件費分のコストを事業に充てるとともに、余計な業務負担もないため、業務に集中しやすい点もメリットです。
メリット4.拡張性が高い
拡張性とは、サーバやストレージ、CPUなどを必要に応じて自由に選べることです。ネットワーク上でデータのやりとりを行うクラウドコンピューティングでは、物理的な設備を置く必要がないことに加え、プランを変更すれば好みのデータ容量に変更できます。
事業規模の拡大に合わせてプランを変更できるため、拡張性の面でも非常に優れたサービスといえます。
メリット5.どこでも利用できる
クラウドコンピューティングは、インターネットに接続できる環境と端末さえあれば、いつでもどこでも利用できます。自宅でファイルを共有しても、クラウド上で誰でも閲覧できるため、情報共有の速度が大幅に上がります。
加えてリモートワークやフリーアドレスなど、働く場所を選ばず利用できるため、オフィスの省スペース化に貢献できる点もメリットです。企業の生産性を向上させるなら、クラウドコンピューティングは欠かせない存在です。
クラウドコンピューティングのデメリット・リスク
クラウドコンピューティングのデメリットについても、具体的に解説します。
デメリット・リスク1.不正アクセス・不正ログインのリスク
クラウドコンピューティングは常に最新のセキュリティ対策を施していますが、悪意を持った第三者が不正アクセスや不正ログインを行う可能性はゼロにできません。
特定の権限を持つ人しかアクセスできない対策もありますが、完全に防ぐことは困難です。定期的にパスワードを変更し、使いまわしはしないなど、不正アクセスや不正ログインの対策を行いましょう。
デメリット・リスク2.社内システムと連携できない
クラウドコンピューティングでは、提供しているサービスによって社内システムと互換性がない場合があります。そのため社内のデータを保全しつつ、データを移行できるサービスを選ぶ必要があります。
システム連携の可否は大きな問題ですから、クラウドコンピューティングを選ぶ際は、連携できるかどうかを大事にしてください。
デメリット・リスク3.サービス終了のリスク
クラウドコンピューティングは、あくまでクラウドサービス提供事業者からサーバやソフトウェアなどをレンタルしている状態です。
そのためクラウドサービス提供事業者がサービスを終了したり倒産したりすると、クラウドコンピューティング自体が終了するリスクがあります。
終了リスクを回避するには、大手企業の運営するサービスを選択するか、これまでの提供実績で判断するのがよいでしょう。
クラウドコンピューティングサービスを選ぶときのポイント
クラウドコンピューティングサービスを選ぶときには、これから紹介する5つのポイントを参考に選んでください。
ポイント1.機能性
クラウドコンピューティングサービスを選ぶうえで、大事なことは機能性です。例えばブラウザだけでなく、スマートフォンやタブレットのアプリで利用できるか、スマートフォンやタブレットでも機能制限なしに使えるかなどです。
リモートワークやフリーアドレスでは、パソコンやタブレットを持ち運んで業務を遂行します。クラウドコンピューティングサービスも働き方に合わせて選択し、従業員の業務遂行が円滑に行えるものを選んでください。
ポイント2.データ容量
クラウドコンピューティングサービスは、プランによってデータ容量が大きく変わります。テキストファイルしか扱わないのであればデータ容量も数GBあれば足りますが、動画編集や音楽なども扱うなら数TBなければ業務に支障が出ます。
クラウドサービス提供事業者によって、用意しているプランとデータ容量が大きく違うため、事業内容に応じてサービスも選ぶべきです。特にデータを多く使う企業であれば、データ容量と拡張性に注目した方がいいでしょう。
ポイント3.サポート体制
クラウドコンピューティングサービスを選ぶなら、クラウドサービス提供事業者のサポート体制が整い、システム構築からトラブルシューティングまでサポートがあるサービスを選びましょう。
クラウドコンピューティングサービスは保守・管理を一任する形になります。利用用途にもよりますが、サポート体制が不十分なサービスでは大事な企業情報を預けても万が一の時にうまく運用が回らない可能性も出てきます。コストが安い代わりにサポートがないサービスもあるため、必要とするサポート範囲を考えたうえで、クラウドコンピューティングサービス側のサポート体制も確認して選ぶべきです。
ポイント4.使いやすさ
クラウドコンピューティングサービスを利用する際は、自社のシステムと大きな仕様変更がなく、使いやすいサービスであることも重要です。注意すべきサービスは、会社独自のUIを使用しており、慣れるまでに時間がかかるタイプです。
慣れるまでに時間がかかるということは、その間の業務が非効率になるだけでなく、次に新しいサービスを利用する際にも、慣れるまで時間がかかる可能性があります。
クラウドコンピューティングサービスを選ぶなら、従業員に実際に使用してもらったうえで、使いやすいサービスを選びましょう。
ポイント5.セキュリティ対策
クラウドコンピューティングサービスは、企業情報・個人情報をクラウド上に保管することから、セキュリティ対策が強固なサービスを選ぶべきです。近年は情報漏えいに厳しい目が向けられており、企業の信頼にも関わる重要なポイントです。
暗号化通信やIPアドレスの制限をはじめ、国際的な基準に基づいたセキュリティ対策を行っているサービスを選びましょう。
クラウドコンピューティングのことは”NECフィールディング”にご相談ください
安心・安全、万全なサポート体制を備えたクラウドコンピューティングサービスをお求めなら、NECフィールディングの「Fielding Cloud IaaS」をご利用ください。
セキュリティセンターによる24時間365日の監視体制に加え、システム構築のサポートも備えており、自社独自のシステム構築のご相談にも対応しています。
オンプレミスからのシステム移行にも対応しており、自社システムをクラウドに移行したい企業さまのご要望にもお応えできます。
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まとめ
クラウドコンピューティングサービスには、クラウドサービス提供事業者によってさまざまなサービス内容があります。IaaS・PaaS・SaaSによっても大きくサービスは異なり、自社が最も利用しやすいサービスを選ぶべきです。
自社のシステムを移行したい場合は、互換性のあるクラウドコンピューティングサービスを選ぶこともポイントです。互換性の高さとサポート体制の充実、強固なセキュリティ対策をお求めなら、NECフィールディングにお問い合わせください。
発行元:NECフィールディング
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