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医療機関における働き方改革と次世代ICTインフラの事例、導入効果について

医療機関における働き方改革と次世代ICTインフラの事例、導入効果について

2024年4月から、「医師の働き方改革」制度が始まりました。医師に業務が集中しすぎる、ICTインフラが整っていないなど、医療業界ならではの働き方改革は課題が山積みです。
この記事では、病院や医療機関の働き方改革に絡む課題とICTシステムで解決できることについて紹介します。

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2023年5月に厚生労働省が発行している「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が第6.0版に改定されました。ガイドラインを遵守しないとさまざまなリスクがあります。
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令和6年開始!医師の働き方改革の新制度

2024年4月に新しい医師の働き方のルールが始まったのはご存じですか?
開始されたルールは主に以下の2点です。

  • 地域医療を守るための医師の労働時間の特別ルール
  • 長時間勤務の中でも勤務医の健康を守るためのルール

どういったルールなのか、詳しく確認してみましょう。

地域医療を守るための医師の労働時間の特別ルール

診療に従事する医師は、時間外・休日労働時間の上限時間に以下のいずれかの水準が適用されます。
※複数の医療機関で勤務する場合は、労働時間を通算して計算する必要があります。

水準 長時間労働が必要な理由 年の上限時間
A水準 臨時的に長時間労働が必要な場合の原則的な水準 960時間
連携B水準 地域医療の確保のため、派遣先の労働時間を通算すると長時間労働となるため 1,860時間
(各院では960時間)
B水準 地域医療の確保のため 1,860時間
C-1水準 臨床研修・専攻医の研修のため 1,860時間
C-2水準 高度な技術の修得のため 1,860時間
※月100時間未満の上限もあります(面接指導の実施による例外あり)

各水準の適用範囲

  • A水準 :すべての勤務医に対して原則的に適用
  • B水準 :地域医療の確保のため、本務以外の副業・兼業として派遣される際に適用
  • C-1水準:臨床研修医・専攻医の研修のために長時間労働が必要な場合に適用
  • C-2水準:専攻医を卒業した医師の技能研修のために長時間労働が必要な場合に適用

長時間勤務の中でも勤務医の健康を守るためのルール

勤務医の健康を守るため「医師への面接指導」と「適切な休息を確保するためのルール」が設けられました。

  • 医師への面接指導
    時間外・休日労働が月100時間以上となることが見込まれる医師には、面接指導が実施されます。
  • 適切な休息を確保するためのルール
    十分な休息時間(睡眠時間)を確保するため、医師の勤務間のインターバルのルールが設定されます。
    連続した休息時間を確保し、仕事から離れることが、心と体の健康のためには重要なため、休息時間を細切れにとることは認められない点の注意が必要です。

ただし、休息中であっても緊急で業務が発生した場合は対応することが可能です。緊急治療に当たった場合は、代償休息が与えられるので、緊急対応が終わった後にしっかりと休息をとってください。
※シフト作成時点で適切な休息が確保されていないものは認められません

医療業界の課題

医師や看護師など医療従事者の負担を軽減し労働時間を削減するためには、業務効率化が必須です。一方で医療機関には、長年の課題が4つあります。

コストの削減・拡張性向上

財政難となっている国内の病院・医療機関は少なくありません。 経営を継続するためには、経費・時間のコスト削減も考える必要があります。病院で発生するコストのうち大きな負担となっているのが人件費です。新たなICTシステムやツールの導入によってスタッフの負担を減らせれば、人件費削減につなげることができます。しかし、拡張性を向上させ効率的な運用ができなければ、新たなコストが発生してしまいます。

業務効率化

多くの病院や医療機関において、人手不足は慢性的な課題となっています。労働人口減少とともに、長時間労働を背景として離職率も高くなっている状況です。人手不足を解消するためには業務効率化が不可欠ですが、複雑且つ煩雑な業務も多いことから、目下の業務が優先になり効率化までできていないという医療機関も多いでしょう。
医師への業務集中を回避するため、看護師などに可能な業務を移管するタスク・シフト/シェア(タスク・シフティング)も推進されています。ICTに関わることも同様で、ICTシステムに関連する業務は切り分けて、医師や看護師以外の人に移管することも必要です。

強固なサイバーセキュリティ対策

サイバー攻撃は年々巧妙化しており、病院などの医療機関が被害を受けるケースも発生しています。サイバー攻撃の影響で、「電子カルテが数カ月間使えない」「患者の個人情報が流出した」といった被害を受けた医療機関もあります。病院は多数の個人情報や医療情報を保有しており、セキュリティ体制が不十分な場合もあるため、サイバー攻撃の標的となりやすいと考えられます。今後サイバー攻撃を防げるよう、また、もし攻撃を受けたとしても早急に復旧できるよう、強固なセキュリティ対策が求められるのです。

医療関係のセキュリティ対策は、厚生労働省が公表している「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」にまとめられています。サーバをはじめ、ネットワーク、PCやスマートフォンなどに至るまで安全管理措置を講じることが必要です。

ICTインフラの運用効率化

働き方改革を成功させ、医療の質向上につなげるためには、ICT化の導入や整備が重要です。ICT導入により、デスクワークの負担削減や情報管理・共有の効率化などさまざまなメリットが得られます。
ICTシステムやインフラを導入する際は、その後の運用についても考えなければなりません。効率よく運用するためには人材面でも体制を整える必要があります。

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医療のICT化でなにができる?

日本の医療を取り巻く状況は変化してきています。

  • 高齢者の増加に伴う医療需要の高まり
  • 生活習慣病・悪性腫瘍治療を中心とする医療ニーズの変化
  • 患者の生活や健康状態に合わせた総合的な医療提供
  • 高度化する医療に対応するには修練に年月が必要

こういった医療を取り巻く状況の変化には、ICTを活用することで効率化が見込めます。
例えば、医療ICT化を進めていき遠隔診療をスムーズに実行できるようになれば、「医療の修練に充てる時間増加」や「高齢者が診療するさいの移動などの負担低減」などが考えられます。医療ICT化により医療の質を向上させ、また利用者の利便性向上も目指せます。

医療ICT化の課題

医療ICT化の課題は大きく2つあります。

  • 医療機関の規模により普及率が大きく異なる
  • ICTツール導入にかかるコストやセキュリティ確保

医療機関の規模により普及率が大きく異なる

一つ目は普及率の差です。
医療ICT化の第一歩として電子カルテを導入する医療機関が多いですが、電子カルテの普及率が一般病院で57.2%(令和2年時点)と低いです。病床規模別の電子カルテ普及率は以下です。

  • 400床以上 :91.2%(609/668)
  • 200~399床:74.8%(928/1,241)
  • 200床未満 :48.8%(2,572/5,270)

この普及率からわかるように、病床数が多い一般病院では広く普及されてきていますが、規模が小さくなるにつれICT化が遅れていることがわかります。
中小規模の病院でも活用できる医療ICT化をすすめ、普及率を上げていく必要があります。

※一般病院とは、病院のうち、精神科病床のみを有する病院及び結核病床のみを有する病院を除いたものをいう。

参考:new window「電子カルテシステム等の普及状況の推移(厚生労働省)」 ※外部サイトへ移動します

ICTツール導入にかかるコストやセキュリティの確保

二つ目はコストやセキュリティの確保です。
ICTは情報処理や通信技術の総称です。医療ICTを進めるには電子機器やシステムの導入が必要です。また、新たな電子システムを取り入れるということは、セキュリティ対策もする必要不可欠です。

医療機関向け次世代ICTインフラの解決策と概要について

医療機関向け次世代ICTインフラの解決策と概要について

病院内にICTインフラを構築することで、医療の質と生産性の向上が期待できます。医療機関向け次世代ICTインフラに関して、代表的な技術や手法を紹介します。

サーバ仮想化

サーバの仮想化とは、1台の物理サーバを複数に分割し、まるで複数のサーバが稼働しているかのように動かせる方法です。仮想化の代表的な方法は、仮想化ソフトウェア上で複数のOSを動かす方式です。サーバ仮想化をすることで、機器の台数削減ができ、物理サーバ維持に必要だったコストを低減できます。

ネットワーク仮想化

物理的なネットワークを仮想化ソフトウェアで抽象化し、ネットワーク機器が複数稼働しているように見せる技術です。ネットワークを仮想化するとルーターやロードバランサー、VPNなどをまとめて管理できるようになります。

スマートフォン化

紙媒体やPHSで連絡や情報共有を行っている現場も多いことでしょう。スマートフォンを活用できれば、チャットツールでコミュニケーションロスを防ぐなどと業務の効率化が期待できます。紙の削減やPHSで連絡が取れなかったときのタイムロスを防ぐなど、費用と時間の削減も可能です。

セキュリティ対策

ICT化を行う際に同時に考えたいのが、セキュリティ対策の強化です。近年医療機関のシステムがランサムウェア攻撃を受け、電子カルテが使えなくなるなどして数カ月間診察が制限される被害が出たことは、医療関係者の記憶に新しいところではないでしょうか。外部からの攻撃はもちろん、内部不正も含めて、適したセキュリティ対策を行うことは必須です。

保守窓口の統一

ソフトウェアやインフラごとに問い合わせ窓口が違う場合、利用者側は窓口を探す時間が発生し、また保守の観点でも各部門の連携を取るのに時間がかかってしまいます。ICTの保守・障害対応窓口を統一しておくことは、業務の問い合わせや障害時の迅速な復旧対応に役立ちます。

NECフィールディングが推奨する次世代ICTインフラの解決策と概要

次世代ICTインフラの導入によって得られる効果とメリットを詳しく解説します。

コスト削減・拡張性向上

サーバやネットワークの仮想化により、機器の台数削減や省スペース化、コストの削減が可能です。物理的なサーバやネットワーク機器を何台も用意すると導入や故障時にコストがかかります。仮想化されたサーバやネットワークの場合は、物理サーバや機器を複数用意せずに済み、運用や管理が容易になります。特に故障時の対応やICT資産管理の面でも利点を感じるでしょう。また仮想化は機能拡張も容易です。

業務効率の向上

スマートフォンほかデジタル機器の活用で、業務効率の向上が見込めます。また紙媒体で管理していた医療情報をデジタル化すること(電子カルテの導入など)によって、紙の費用が削減されるだけでなく、管理業務の負担軽減につながります。

セキュリティの強化

セキュリティ対策を施すことで外部からのサイバー攻撃や内部不正から重要な情報を守ることができます。また万が一のサイバー攻撃にも迅速に対応し、業務への影響を極力小さくできます。セキュリティ対策は、地域の医療を止めないことにもつながるのです。

ICTシステムやインフラ運用の効率化

ICT関連の運用窓口を一カ所に統一しておくことで、散乱した情報を探すような時間のロスを避けることができ、効率アップにつながります。

NECフィールディングでは、本記事で紹介した医療機関向けの次世代ICTインフラを提案します。
オンラインで受講できるセミナーも行っているので、医療機関の業務効率化やICTインフラに課題を感じている方はぜひご参加ください。

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医療機関に求められる次世代ICTインフラの整備はNECフィールディングにお任せください

医療業界の働き方改革において、次世代ICTインフラの整備は大きな一助となります。しかし、ICTインフラを構築する際には、セキュリティ対策の強化も同時に必要です。

医療機関は年1回、医療法に基づいた管理を実施しているか確認するための立ち入り検査を受けることが必要です。検査項目には「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」をクリアしているかどうかも含まれており、医療機関は対応が求められます。

厚生労働省が公表している「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」や「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」に基づき、セキュリティ対策をする必要があるのです。

NECフィールディングは、医療機関向けに発行されているガイドラインやチェックリストに基づいた、医療機関のセキュリティ対策を支援しています。医療機関の環境や業務影響を踏まえ、次世代ICTインフラの整備・セキュリティ対策を提案します。 ご検討の際には、お気軽にご相談ください。

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発行元:NECフィールディング

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