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株式会社スミロン様
病院や介護施設向けに約1700台販売の「エコムシュウ」の保守を受託
従業員数 | 140名 |
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業種 | 製造業 |
導入サービス | マルチメンテナンス |
この事例の製品・ソリューション
スミロン様は主力事業である保護フィルムやマスキングテープなどの技術をいかし、使用済みオムツ密封パックシステム「エコムシュウ」を開発し、全国約380カ所の病院や介護施設向けに販売しています。
そこで全国約400拠点の保守ネットワークを持つNECフィールディングに保守をアウトソーシング。病院・福祉施設にいち早く駆け付ける体制ができ、NECフィールディングへの高い評価をいただいています。
本業のノウハウをいかしてヘルスケア分野に参入
スミロン様は建材・金属用保護フィルム、FPD(フラットパネルディスプレイ)用保護フィルムなどを製造販売されています。ライフケア事業として「エコムシュウ」事業を立ち上げたのはどのような経緯からなのでしょうか。
[春山] 社長(春山喜一氏)が通っている大阪の病院の医師から、「オムツの臭気をなんとかできないか」という相談を受けたのが「エコムシュウ」開発のきっかけです。
当社では建材や金属、自動車塗膜、FPDなどに傷がつくのを防止する保護フィルムやマスキングテープを製造販売しており、そのフィルムや粘着テープのノウハウをいかして、使用済みオムツを簡単にラッピングして廃棄処理できる装置を開発しました。ちなみに第1号機のお客さまは、この大阪の病院です。
病院や介護施設の現場では仕事をしやすい環境維持が課題です。使用済みオムツの臭気も作業に影響してきます。相談を受けた我々は、特殊フィルムを使って臭気が透過するのを防ぎ、さらにパックテープ同士が密着するよう粘着剤でコーティングした専用フィルムを開発。このフィルムで使用済みオムツを密封パックできる装置も開発しました。
現在では北海道から沖縄の石垣島まで、全国約380カ所の病院・介護施設で、合計1700台あまりのエコムシュウを使っていただいています。
納入台数の増加とともに保守体制に課題
NECフィールディングに保守をアウトソーシングするようになったきっかけは。
[春山] エコムシュウの販売を始めた当初は、エコムシュウを扱うライフケア事業部は新規事業ということもありスタッフも少なく、はじめのうちは装置のトラブルがあると、我々の技術者や営業マンがお客さま先に出向いて修理にあたっていました。
しかし1000台が見える頃になってくると、自分たちで保守サポートをするのに限界を感じ始めました。営業マンが1週間かけて九州の病院や施設を巡回することもありましたから。故障したらすぐに駆け付けたいのですが、それがなかなかできない。お客さまの評価も下がるのではないかと危惧していたのです。
そこで全国規模で保守サービスができる企業に保守をアウトソーシングしました。そこは拠点数が少なく、お客さまから修理の依頼を受けてもすぐに駆け付けられないことがある。倉庫がないため保守部品の在庫管理は我々で行わなければならないなど、課題がいくつかありました。
そんな時にNECフィールディングの藤田さんからアプローチがあったのです。「何かお手伝いできませんか」と。新聞にエコムシュウの記事が出て、それを見て電話したそうです。
その時は「新聞を見て電話してくる人がいるんだな」とびっくりしました(笑)。「NECグループといえばITの会社。コンピューターの保守会社に何ができるのかな」というのが正直なところでした。ただ、話を聞いてみると、全国に拠点が400もあって、すぐに駆け付ける体制があるというところに魅力を感じました。
迅速な故障対応と保守部品の在庫管理が省力化
実際にNECフィールディングに保守を依頼し、その成果はありますか。
[春山] 大いに助かっています。当社は機能材料のメーカーで、お客さまに納品すれば現場で保守することはありません。だから装置を開発し製造・販売しても、そもそもメンテナンスという考えがあまりありませんでした。そのため、最初は自分たちで対応できると軽く考えていたのです。でもそれが無理と分かって、その段階でどんな保守体制が必要なのかを考え始めたんです。だから最初はうまくいきませんでした。
その後、NECフィールディングに依頼して、全国の拠点から保守に駆け付けてもらえるだけでなく、保守部品もNECフィールディングの川崎のセンターで一括管理してもらえることで、我々の作業負荷は格段に低くなりました。
また、エコムシュウが導入されている中部のサービス拠点のカスタマエンジニアを一カ所に集めて、当社の技術スタッフが講師になって研修会を行った際、皆さんが真剣に勉強しようとしていることで安心感が生まれました。
病院や介護施設がお客さまの場合、何か特別な配慮が必要になるのでしょうか。[春山] 命に関わる装置ではないので、故障したらすぐ修理を求められるというものではありませんが、それでも従来は修理に3~4日かかっていたものが翌日には修理が完了するなど、迅速に対応できるようになりました。また、エコムシュウを使用するのは病院なら看護師さん、福祉施設なら介護福祉士さんということになりますが、使用環境によって故障する頻度もまちまち。またオムツ交換の時間はだいたい決まっているので、修理を行うならばその時間の前に済ませる必要があります。そうした部分でも保守作業を配慮してもらっており、最近ではお客さまからもメンテナンスの質が高いとお褒めの言葉をいただくようになりました。保守体制がようやく整ってきたかなと感じています。
全国の病院・介護施設への販売での協力に期待
今後の展開について教えてください。
[春山] 現在はエコムシュウは1機種ですが、2017年夏にもう1機種追加し、その後もバリエーションを増やしていこうと考えています。今、お客さまとなっている病院・介護施設は約380カ所ですが、我々がターゲットにしているベッド数100床以上の病院・介護施設は全国で1万カ所あるといわれています。まだまだ市場の開拓余地があるということです。
ただ一つ悩みがあって、それはエコムシュウがオンリーワンな製品であることです。そのため製品の認知度自体が低く、機能も比較できないのです。筐体を見てもどんな装置なのかが分からない点が悩みなんです。
また、製品のバリエーションが増えて、さらにお客さまを開拓するといったときに、販売の営業体制が足りないという懸念はあります。これはすでに取り組んでもらっていることですが、販売についてもNECフィールディングの営業力の助けを借りるというトライアルを始めています。それが全国規模で可能になれば、我々は製品開発に集中できますし、事業をさらに発展させていく基盤も手に入れられると考えています。
担当者からひとこと
「IT機器以外のサービスを本格的に始めていくつか事例ができました。スミロン様からはエコムシュウの対応についていろいろご教示いただいています。この事例は我々にとって、IT以外の機器保守サービスを軌道に乗せるための試金石。今後、エコムシュウ事業が発展するために保守サービス以外でもお手伝いできればと考えています」
「新聞記事を見てスミロン様のライフケア事業を知り、お役に立てることがあるのではないかとアプローチさせていただきました。関西地区のサービスからスタートし、ご評価をいただき、今では全国対応させていただいています。これからもご期待に沿うサービス提供を続けることを、肝に銘じていきたいと思います」
部門紹介
マルチメンテナンス営業本部
IT機器以外のハードウェアの保守事業の拡大を目的に2016年4月発足。スタッフ数は40人で、東京の本部組織のほか東京支社に兼務者、東北・中部・関西の各支社にもスタッフを配置しています。2017年4月以降は中国、四国、九州にも本部からスタッフを送り込む予定です。IT機器のメンテナンスで得たノウハウをいかして、全国約400のサービス拠点からの技術者派遣が可能なほか、全国約200カ所の倉庫を活用した補修部品の在庫管理・物流、24時間365日対応するコールセンター機能を提供できるのが強み。医療・介護分野のほか、流通企業など多数の店舗を展開する業態、太陽光をはじめとしたスマートエネルギー分野、ロボット分野などでのビジネス展開を図っています。
株式会社スミロン
創業 | 昭和47年(1972年)9月 |
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資本金 | 9600万円 |
売上高 | 53億円(平成28年度) |
従業員数 | 140人 |
その他 | 本社は大阪市天王寺区。金属・建材用の保護フィルム、自動車塗膜用保護フィルムのほか、エレクトロニクス分野ではFPDなどの保護テープ、機能材粘着フィルムなど機能性材料の製造販売が主軸。建材・金属用保護フィルムは三重工場(三重県伊賀市)、自動車塗膜用保護フィルムは和歌山工場(和歌山県日高川町)が製造拠点。マスキングテープ製造技術を生かし、コーティングや粘着要素技術を駆使し製品加工にも対応している。 |
URL | https://www.sumiron.com/ |
この事例の製品・ソリューション
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※この記事は、当社発行の広報誌ふぃーるでぃんぐ 136号「ニッポンの元気な会社」で過去に掲載したものです。
※記載されているお役職等の情報につきましては、2017年4月時点のものです。