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校務DXを実現させるためのネットワーク環境について

文部科学省は「教育DXに係る当面のKPIの方向性(1)」を策定し、教育DXを通じて教育環境の改善にKPI(目標)を設定して取り組んでいます。

 アウトカム(目指す結果・期待する効果など)として「1.個別最適・協働的な学びの充実」「2.情報活用能力の向上」「3.学びの保障」「4.働き方改革への寄与」を挙げています。
アウトカムを実現させるためのインプット(環境整備など)として「1.1人1台端末」「2.ネットワークの改善」「3GIGA×校務DX」「4.端末の積極活用」を示しています。

 KPIインプット4項目の内、特に「3GIGA×校務DXGIGAスクール構想の下での校務DX)」について進め方を悩まれている方が多いのではないでしょうか。

 校務DXが達成されると、以下のような効果が期待できます。

校務DXで期待できる効果

1 校務DXで期待できる効果(※2

そこで、今回は校務DXを進めるために取り組む必要がある基盤となる、ネットワーク環境に関する今後の方向性について説明します。

現状の校務環境に対する問題点について

文部科学省は、現在の校務環境に対して、以下の図2に記載の10点の問題点を挙げており、その問題点を3つの観点に整理しています。

現状の校務環境に対する問題点
2 現状の校務環境に対する問題点(※2

校務DXの方向性と実現させるための方法

前述の問題の解決方法として、以下の図3のような方法と効果を期待しています。

校務DXの方向性と実現させるための方法と効果

3 校務DXの方向性と実現させるための方法と効果(※2

これらの項目を実現するためには、「校務系・学習系ネットワークの統合」「校務支援システムのクラウド化」「データ連携基盤ダッシュボードの創出」「安全安心な形で実装するためのセキュリティの確保」を具体的に検討する必要があります。
このうち、「ネットワークの統合」「校務支援システムのクラウド化」「セキュリティの確保」について、どのように考えて進めていけばいいか詳しく考えてみましょう。

校務支援システムのネットワーク環境の現状について

令和5年度調査時点で、統合型校務支援システムの整備率は91.2%※3)となっています。
この環境の多くは以下の図4のように学習系ネットワークとは分断された、特定の場所にある物理サーバ(オンプレミス環境)で動いている校務支援システムであるため、校務処理が可能な場所が職員室に限定されている状況です。

校務支援システムのネットワーク環境の現状

4 校務支援システムのネットワーク環境の現状(※2

校務系と学習系のネットワークが分断されているため、学習系データとの連携が困難であり、また、物理サーバ上でシステムが運用されている状況から大規模災害時に業務の継続性が損なわれる可能性が高いといった問題もあります。
このため、「校務系・学習系ネットワークの統合」と「校務支援システムのクラウド化」を考える必要があります。

校務系・学習系ネットワークの統合について

「校務系・学習系ネットワークの統合」では、以下の図5のようなイメージのネットワーク構築を目指します。

校務系・学習系ネットワークの統合イメージ

5 校務系・学習系ネットワークの統合イメージ(※2

校内ネットワークからインターネットを介して校務系システムと学習系システムの両方にアクセスでき、校務系と学習系のデータ連携を容易にすることができます。

校務支援システムのクラウド化について

現在、学習系システムについては、インターネットを介してクラウド環境のシステムを利用している状況かと思われます。
校務支援システムについてもクラウドシステムを主体として活用することで、必要なシステムやデータに対してインターネットを介してどんな場所でもアクセスすることができるようになります。災害などで職員室に立ち寄ることができなくなっても、業務継続性を保つことを期待できます。

セキュリティ対策について

クラウド環境上に校務系のデータを取り扱うことになると、心配なのはセキュリティ保護の必要なデータの取り扱いになってきます。保護対象のデータへのアクセスは一定の権限のある人とその人の扱う端末からのみアクセスできる状態である必要があります。

出来るところから始める校務DXについて

今回紹介した「校務系・学習系ネットワークの統合」環境を作るためには、現行のシステムから移行するための準備などがあり、環境によっては今すぐ達成できるといったものではないかもしれません。
しかし、文部科学省では「出来るところから校務DXに取り組んで欲しい」といった意図もあり「GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト(※4)」を公開しています。チェックリストには、校務DXの結果と成果についても掲載されています。
どこから校務DXの取り組みに手を付けていいか分からない場合は、「教職員の働き方の改善に対する効果実感が特に高かった項目(※5)」から、効果が期待できる取組を見つけると良いでしょう。

 

教職員の働き方の改善に対する効果実感が特に高かった項目

6 教職員の働き方の改善に対する効果実感が特に高かった項目(※5

さいごに

文部科学省の資料を読み解くと、校務DXを進めるにあたり、クラウド活用を推進していることが分かります。
「校務系・学習系ネットワークの統合」と「セキュリティ対策」を進めることで、校務DXを実現できる環境を用意することができます。

クラウド活用に向いた環境の構築について、NECフィールディングでは文部科学省の提示する「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(※6)」に記載の【強固なアクセス制御によるセキュリティ対策】に対応するソリューションをお客さまの環境やご要望に合わせて用意します。
あわせて校務DXをどのように進めたらいいのかわからない場合も、NECフィールディングはお客さまに寄り添いながら解決策を提案できますのでお気軽にご相談、お問い合わせください。

出典・参考

発行元:NECフィールディング

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