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生活科におけるGIGA端末の活用法 ~低学年における効果的なアプローチ~

今回は、都内小学校で教員歴25年のベテラン教員のO先生に、低学年でのGIGA端末の活用例を伺いました。
「低学年にGIGA端末を指導するのが難しい」といった現場の声を耳にすることがあります。
今回はO先生の指導のもとで、低学年の児童がGIGA端末をどのように活用しているのか、生活科の授業に焦点をあて、実践例をおうかがいしました。
2年生のICT機器の取り扱いの実態
O先生は、長らく高学年の担任をされていらっしゃったとのことですね。
はい、35年教師生活をしていますが2年生の担任は初めてです。
そのため、2年生がどの程度、GIGA端末を扱えるのか分かりませんでした。

2年生の児童に、GIGA端末はどのような役割になるのでしょうか?
1年生の時は使用頻度が少なかったようでした。3年生以降では、特に探究の学習の基盤として活用していって欲しいと願っています。
そのためにも、とにかくGIGA端末にたくさん触れさせることから始めよう!と思い、まずは生活科の授業でGIGA端末を用いた活動を取り入れることにしました。

五感をフル活用する生活科の授業

生活科でのGIGA端末の役割を教えてください。
生活科では、五感を使った学びが重要と考えています。
例えば、身近に見られる植物を扱う単元では、植物の肌触り、におい、どのような環境にあるかなど、自分で触れて感じてほしいと思います。
そしてその体験を友達に表現することで、気付きの質を高めることが大切です。

文部科学省の学習指導要領では、「年間や、単元など内容や時間のまとまりを見通して、その中で育む資質・能力の育成に向けて、児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図る ようにすること。その際、児童が具体的な活動や体験を通して、身近な生 活に関わる見方・考え方を生かし、自分と地域の人々、社会及び自然との 関わりが具体的に把握できるような学習活動の充実を図ることとし、校外 での活動を積極的に取り入れること。」が求められています。
※出典:「小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 - 生活編」(文部科学省)
その中でGIGA端末はどのように活用するのでしょうか?
2年生は、だんだんに表現のスキルを身に付けていきますが、まだ表現力が乏しく“相手に伝えたいことがうまく表現できない、聞いている側も一生懸命聞いているけど、想像しきれない”という場面もあります。
そこで、伝えたいものをGIGA端末で写真に撮って、発表の際にその写真を指差しながら説明する。そうすることで、発表者も『そういえば、ここがこうだったな』とか細かい説明がしやすいですし、聞いている側の想像の助けにもなります。

自分で撮影した写真を用いることで、発表者側も言葉で表現しやすいでしょうね。
はい。一方で、従来通りの絵で表現するなどの表現方法も大切と考えているので、児童の実態と目的に応じて活用しています。
そのうち、“GIGA端末で発表したい、紙に書いて表現したい(書写カメラ・プロジェクターで投影)”といったように、児童から表現方法が選択できるようになることを目指して、現在は使い方の基礎を指導している段階ですね。

Googleマップの活用
生活科の授業で地域の理解を深めるために、Googleマップが活用されているとのことです。
生活科では、地域のさまざまな施設や自然の観察を通じて、地域の特性や文化を理解することが求められています。
※出典:「小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 - 生活編」(文部科学省)
自分たちが住む地域理解のために『まちたんけん(町探検)』がありますが、実際に現地に行く前に探検する範囲を確認します。事前に確認することで、行ったことがない地域についても、『ここには保育園があるんだね、老人ホームがあるんだね。知らなかったから確認してみたいな。』というように、これまで知らなかった地域への興味関心が高まるのですよね。
また“初めて訪れる場所”を苦手とする児童にも安心を与えられると感じています。

見通しをもって、課外活動に取り組むことができますね。
天気予報の活用
ほかにもICT機器によって生活科の授業が豊かになったことはありますか?
はい、Webサイトの天気情報を活用することですね。
生活科の教科目標に、
『具体的な活動や体験を通して、自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわりに関心をもち、自分自身や自分の生活について考えさせるとともに、その過程において生活上必要な習慣や技能を身に付けさせ、自立への基礎を養う。』とあります。
※出典:「小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 - 生活編」(文部科学省)
これまで自然事象に関心をもってもらう導入として、『明日の天気はどうかな?調べてきてね。』と伝えていました。20年程前は新聞の切り抜きを持ってきている児童が多くいました。ところが、最近では、新聞をとっていなかったり自宅にテレビがなかったりするご家庭もありますね。

そうすると、児童がとれる情報に差が出てきてしまいますね。
そこで、GIGA端末で情報がとれるように指導したのです。
低学年の児童は、まだタイピングが得意ではありませんが、ブックマークに天気情報のサイトを登録させました。すると、“係活動の『みんなで遊ぼう係』は、休み時間に校庭で遊べる晴れの日はいつかな?“と、見通しをもって計画を立てたり、日直当番が帰りの会で『明日は午後雨だから傘を持ってきてください。』と連絡をしたり。
子ども達は自主的に、天気の情報を活用できるようになりました。

さいごに
GIGA端末を活用した指導により、子どもたちは、授業はもとより、日常生活の中で必要な情報をとって活動する事例を伺うことができました。
NECフィールディングでは、GIGA端末の活用をはじめとするICT利活用についてもサポートしています。ヘルプデスクを中心としたワンストップサポートの実現で先生方の負担軽減に貢献します。
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発行元:NECフィールディング
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