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ベテラン教員が語る!GIGA端末を活用した個に応じた学習支援

ベテラン教員が語る!GIGA端末を活用した個に応じた学習支援

今回はGIGAスクールのソリューションを導入した現場の実践例をお届けします。
取材したのは、小学校の教員歴15年のベテラン教師、E先生です。
E先生の実践を通じて、GIGA端末がどのように教育現場に革新をもたらしているのかを紹介します。

児童期にGIGA端末を使用する利点

E先生は、児童期にGIGA端末を使用する利点について次のように述べています。

視覚的に情報を提示できる点が非常に良いです。児童期の子どもの多くは、視覚的な情報、しかも手元にある情報がインプットしやすいようです。

E先生

具体的には、どのような場面ですか?

児童同士が他の児童の活動画面をリアルタイムで見られるのが良いと思っています。これまでもプリントやノートなどで見せ合い・学びあいの場を設けていましたが、一人一台のGIGA端末を使うことで圧倒的な違いを感じています。

E先生

その違いとは何ですか?

まず、量ですね。友達の画面を一覧で確認できるので、短時間で複数の活動を閲覧できます。それによって活動の途中経過で友達のよい内容や表現を見ることができ、それをもとに自身の活動をブラッシュアップしていく児童もいます。また、友達の活動に“いいね“の反応をしたり、コメントしたりと賞賛しあえる環境も生まれています。

E先生

GIGA端末やICT機器を活用することで、視覚的な情報提示やリアルタイムでの相互作用が生まれ、子ども達が学びやすい環境づくりの一助になるのですね。

子どもたちのアウトプット率の変化

子どもたちのアウトプット率の変化

GIGA端末の導入により、E先生は子供たちのアウトプット率についても、変化を感じたと言います。

多くの児童が、ノートなどの紙に書くよりもGIGA端末で表現する方が、積極的に表現している様子があります。ノートだと全く書こうとしない、鉛筆がとまってしまうことが多い児童も、GIGA端末だと表現できるのです。

E先生

大変興味深い効果ですね。

はい。とはいえ、ノートと鉛筆などで“書く”という技能も身に付けさせていきたいと思っています。

E先生

子どもたちのアウトプットの質の変化

E先生は、GIGA端末の導入によって児童の思考がより可視化されるようになったと感じていると言います。

『頭の中で思考しているのに、アウトプットされていなかった児童の考え』がGIGA端末を用いることで見えるようになったように思います。

E先生

どういったことですか?

“こんな感じかな?”という思考段階でも、GIGA端末を用いることで、表現するのですよね。ノートでも同様のことをして欲しいと思いますけど、ノートだとできない、GIGA端末だと表現できる。

E先生

それはなぜなのでしょう?

私も不思議に思いました。児童に聞いてみたところ、
“パソコンだと、すぐ消せるから。”という声がありました。
“ノートだと変なことを書けない気がする。“と。

E先生

GIGA端末だと表現のハードルが低くなるのでしょうか。

はい、そう感じています。
また、ICTを通じて、個が活きる場面もあります。
例えば、これまで、慎重派がゆえに発表を躊躇していた児童も積極的に発表するようになりました。ノートでは書かないことをスライド上ではアウトプットして、発表しているのですよね。

E先生

なぜスライドを用いることで発表ができるようになるのですか?

こんな場面がありました。調べ学習の発表の際、慎重派の児童が、複数枚あるスライドのうち、2枚程度残して、その発表をしなかったことがありました。理由を尋ねると『後半は自信がなくて。発表するか迷っていた。直前になって、やっぱり、根拠が薄いと感じたから、直前に出さないと決めた。』と話していました。

E先生

児童は、自分の考えを吟味し、発表内容を精査しているのですね。

学習支援が必要な場面

前段で、「友達の画面を一覧で確認できる」といった話がありましたが、自身で思考せず、友達の考えを丸々コピーしてしまう事例もありますか?

はい、以前は日常的にありました。友達のスライドもそうですし、またインターネットで調べた情報をコピペ(そのまま転用)してしまう子もいました。

E先生

そのような場合は、どのように指導しているのでしょうか。

発表前に小グループでフィードバックを行う時間を設けたり、個別に進捗状況を発表させたりする時間を担保するようにしています。

E先生

そうすることでどのような効果があるのですか?

コピペしてしまう子は、本人自身も“これでできた”と思い込んでいる場合があります。発表することで、読めない漢字があったり、友達から質問を受けて答えられなかったりすると、理解していないことに自分で気づけるのですよね。
また小グループでの発表を通して、友達の考えがヒントになって、自分で取り組める場面もよく見受けられます。

E先生

子どもたちは自分で情報を収集し、思考するプロセスを通じて、自主的な学びを深めているのですね。

さいごに

さいごに

今回は、小学校の教師歴15年のE先生に取材しました。
E先生の実践例から、ICT機器を活用することで児童の思考の可視化やアウトプットの促進・相互作用の強化など、多くのメリットが生まれていると感じました。
私たちは現場の課題などに寄り添い、教育現場のニーズに応じたICT機器やGIGA端末を有効に活用できるよう、パーツマネジメントサービス(予備機運用)・学校運用ヘルプデスクも提供しています。

次回の記事では、さらに具体的な活用方法や効果について紹介します。

発行元:NECフィールディング

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