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子どもたちにとっての「2030年」はどんな年になる?

「学校ICT」をテーマに、今、小学校教育の現場にいる人たちが知っておくべき情報を紹介・解説していく本連載。
第1回目では教育現場でICT化が推進されている理由について、第2回目・第3回目では2020年度から必修化されるプログラミング教育についてそれぞれ取り上げ、ご紹介してきました。

本連載の最終回となる今回は、これまでと少し向きを変えて、子どもたちの将来に関する情報をご紹介していきたいと思います。
未来に関する予測や既に変わりつつある職業のあり方をご覧いただくことで、子どもたちの将来について改めて考えるきっかけ・助けになれば幸いです。

2030年までに「消える職業」「なくなる仕事」が存在する?

将来、AIの台頭により消える職業、なくなる仕事があると言われています。
英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授らが執筆した論文『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』によると、なくなる職業として主に挙げられているのは事務職など。
しかし中には弁護士や医師といった専門的な職業も含まれています。

このニュースは世界中で話題になり、さまざまな議論がなされました。
中には反論する意見もあり、すぐに取って代わるものではない、機能面やコスト面の問題から実際に浸透する可能性は低いという意見も出ています。
しかし、既に一部ではAIにより仕事が効率化され、結果として従事者が減っている事例もあります。
以下にいくつかその例をご紹介したいと思います。

AIにより仕事が代替されている事例

パン屋さんのレジで活躍するAIシステム「BakeryScan」

トレイの上に乗ったパンの種類や値段を画像認識技術により一瞬で識別し、精算を効率化させる「BakeryScan」は、パン屋さんのレジ業務を効率化させるために作られたAIシステム。
「パン屋のレジがハイテクだ」とSNSで一時期大きな話題になりました。

特徴量をスコア化しAIに学習させることで、外見が似ているパンでも識別することができる仕組みになっており、その精度の高さと速さから、レジの人員削減や待ち時間の短縮に繋がっています。

「BakeryScan」公式ページ:https://corp.bb-brain.co.jp/packages/bakeryscan/

脳腫瘍の画像認識でAIは人間より高い精度を誇っている

AIを使った画像認識技術は医療分野にも役立っています。

2018年、中国・北京で人間の医師とAIが「脳腫瘍の画像診断」の正確さを競うイベントが開かれました。
ベテランの医師15人と中国のAI画像診断システム「BioMind」が、それぞれ225の診断画像から脳腫瘍などを正しく見分け診断するというこの対決で、勝利したのはBioMind。
精度は医師たち66%に対してBioMindは87%、かかった時間も医師たちは30分、BioMindは15分と、半分の時間でより正確な結果をAIが出しました。

こちらはまだ実際の現場には使用されていませんが、このような結果が出ていることからも、今後は医療行為を「AIドクター」が任される可能性もあります。

AI弁護士「ROSS」

さらに、消えると言われている職業の一つ「弁護士」では、既に「AI弁護士」が登場しています。
2016年に英国の法律事務所に就職が決まったのは、米国のAI弁護士「ROSS」。離婚裁判の判例データの検索を人間よりも速く効率的にこなします。
ROSSの就職、および働きぶりはすぐに広まり、その後数十社の法律事務所で導入されました。

「ROSS」公式ページ:https://blog.rossintelligence.com/

AIによって医師や弁護士という職業が消えるという断言はできません。
しかしこういった例もあり、消える可能性も0ではありません。

今後どのように推移するかは予想がつきませんが、子どもたちの将来を考えるにあたり、教育者がこれらの動向を追っていく重要性は今後ますます高まるでしょう。

おわりに

今の子どもたちは、はじめて「未来が予想できない」世代とも言われており、10年後どの職業が残っているかは予想がつきません。
だからこそ、どのような状況になったとしても生きていける論理的思考力を育む必要があり、プログラミング教育はその能力を養うために義務化されます。

これからの難しい時代を歩んでいく子どもたちだからこそ、教育者はプログラミング教育に積極的に取り組んでいく必要があります。
そのためにできる確実な投資の一つが、教育現場のICT化。
まだ設備が追いついていない、でもICT化を推進したいという学校関係者の方は、ぜひNECフィールディングにご相談ください。
貴校に合う最適なICT環境をご提案させていただきます。

発行元:NECフィールディング

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