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病院のDX化・業務効率化を実現!DX化の事例や役立つツールを紹介

病院のDX化・業務効率化を実現!DX化の事例や役立つツールを紹介

人手不足の問題や急速に進むデジタル化など、病院などの医療機関にはさまざまな業務課題が存在します。今後は、さらなる業務効率化を図ることが必要だと考えている病院も多いのではないでしょうか。
医療機関のDX推進・業務効率化を実現するには、適したツール選びも重要です。そこでこの記事では、病院のDX化事例や、業務効率化に役立つツールを紹介します。

医療業界が抱えている課題とは

国内の病院などの医療機関は、現状さまざまな課題を抱えています。

人手不足の慢性化

医療業界にとどまらず、労働環境全体において慢性的な人手不足に陥っていることは多くの方がご存じでしょう。少子高齢化と、それにともなう労働人口の減少が医療業界の人手不足にも影響しています。厚生労働省による2023年11月の調査では、医療・福祉業界の労働者不足状況は62%と、他の産業に比べて非常に高い状況です。
特に看護師不足に悩んでいる病院は多く、なかなか人材を確保できていないという現状に立ち当たっている方もいるでしょう。

事務作業の負担

事務作業においてICT化が進んでいない病院では、書類作成やカルテ入力といった事務業務を手作業で行っているケースも多いと思います。特に患者数の多い大規模な病院ですと、書類作成・書類管理などの負担が大きいのではないでしょうか。
そのような場合にはICT化を進めるだけではなく、ペーパーレス化を実現することで、事務作業の負担を軽減することができます。

働き方改革へ向けた労働環境の改善

2019年4月に働き方改革関連法が施行され、2024年4月より医師の働き方改革の新制度が施行されました。医療業界においては過重労働が問題視されており、働き方の長期的な見直しが必要とされていることを背景としたものです。
この労働環境改善にともなって、医療のDX化・医療現場のICT化による課題解決が注目されています。

デジタル化・ICT化が進んでいない

昨今の医療業界では「医療DX」が注目を集めていますが、実際のところは未だデジタル化・ICT化が進んでいない病院が多いというのが現状でもあります。
今後も高まる医療ニーズを踏まえて医療DXを推進していくため、デジタル化・ICT化の導入は優先したい課題の1つといえるでしょう。

医療DXとは

医療DXとは

医療業界で非常によく耳にするようになった「医療DX」という言葉。概要は認識しているつもりでも、詳細についてはわからないという方も多いのではないでしょうか。

医療DXとは、医療業界・分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を指す言葉です。クラウドを活用した業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図ることで、デジタル変革を起こすことです。

DX化を進めているさまざまな業界同様、医療業界でもDX化を実現することで、サービスの効率化や医療サービスの質を向上させることが目的となっています。

厚生労働省では、医療DXにおいて次の5点の実現を目指すとしています。

  1. 国民の更なる健康増進
  2. 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供
  3. 医療機関等の業務効率化
  4. システム人材等の有効活用
  5. 医療情報の二次利用の環境整備

参考:new window医療DXについて(厚生労働省) ※外部サイトへ移動します

病院のDX化を図るメリット

病院がDX化を図ることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、病院などの医療機関がDXを実現することでもたらされるメリットについて紹介します。

業務の効率化

DX化の実現により、これまで手作業で行っていた各種業務を自動化することが可能です。業務効率化によって1人ひとりの作業負担を減らすことで、医療行為というコア業務に人的・コスト的リソースを集中させられるようになります。作業負担の減少によって、より質の高い医療サービスの提供につなげることができます。

人手不足による業務負担を軽減できる

先に述べたとおり、これからは慢性的な人手不足の状態が続くといわれています。こと医療業界では、看護の分野でそれが顕著になっている状況です。過度な労働負担によって、時間外労働も増えており、転職や退職を希望する看護師も少なくないでしょう。
そのような現場の負担も、業務効率化によって軽減できます。人手不足による問題の解決にもつながっていくでしょう。

人的ミスを予防できる

業務効率化を図ることは、業務にあたるスタッフ1人ひとりの負担を減らすことに直結します。作業負担の低減は人的ミスの予防にもつながり、より確実な業務の遂行を見込むことが可能となるでしょう。

残業時間を削減できる

医療機関の事務作業はもともと業務負担が大きい上に、人手不足が加わることで残業の増加も懸念されるところです。書類作成やカルテの入力など、時間や手間がかかる事務作業を効率化することで、残業時間の減少も期待できます。

患者さまの負担軽減

病院のDX化が進むことで、スタッフだけでなく患者さまにとっても良い影響となる可能性があります。効率化によって迅速に適切な医療サービスが提供されるようになれば、待ち時間緩和など患者さま側の負担も軽減されるためです。また、データ活用によって他の病院や薬局との連携がとれる点も、患者さまの医療体験向上につながります。

病院でできるDX化・業務効率化に向けた取り組み

ここでは、病院での業務効率化において具体的に取り組みたい点を紹介します。

病院の業務効率化とは?

病院・医療機関で実施できる業務効率化にはどういったものが求められているのかを確認してみましょう。

  • データ・書類作成の効率化
    病院・医療機関ではカルテや診療記録、診察の予約などさまざまなデータ入力や書類作成をしています。一つ一つの書類作成や更新自体は短時間で対応ができているかもしれませんが、全体を見てみるとデータ・書類の作成にかかる工数は見過ごせないものになっています。
  • 情報共有の効率化
    患者さまの情報はカルテなどで共有できるようになっています。カルテなどの情報共有に時間がかかると、診療・診察にかかる時間も増えてしまいます。
  • ICT端末の利用促進
    医療DXの推進により電子カルテの導入など、ICT技術の活用が進んでいますが、一方でICT端末の利用が苦手な方はICT機器を利用した業務対応に従来よりも時間がかかるようになってしまう場合もあります。
    医療DXの推進は必要な対応ですので、ICT端末利用のハードルを下げたり、ICT端末の利用に慣れてもらう必要があります。

診療・診察など本来やりたかった業務に充てる時間を増やしていくためにも、病院・医療機関でも業務効率化が求められているのです。

ペーパーレス化

膨大な量の紙のカルテを、今も運用している病院は少なくないでしょう。それらを電子化してクラウド上での管理とするなどで、ペーパーレス化を実現できます。
ペーパーレスにすることで、書類作成や管理などの事務作業の負担軽減につながりますし、書類保管にともなうコストの削減にもなるでしょう。

デジタル技術・ICT技術の導入

電子カルテの導入やオンライン診療の開始など、ICT技術の活用によってデジタル化・DX化の推進もおすすめです。
スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の活用で、外部機器との連携やスタッフ間の連絡を効率化できるため、積極的に取り入れていくと良いでしょう。

病院の業務効率化を実現させるDX化の事例

現在も、医療機関でのDX化は積極的に推進されています。ここでは、医療機関で一般的に活用されているデジタル・DXの事例や、国が推進している医療に関するDX事例を紹介します。

  • オンライン資格確認
    導入が進んでいるマイナ保険証(マイナンバーカードに保険証を一体化したもの)の利用促進に向け、医療機関におけるオンライン資格確認の導入が進められています。2024年(令和6年)12月からは新規の保険証は発行されず、医療機関や薬局においてはマイナ保険証によるオンライン資格確認が義務化されます。
  • 電子カルテ
    医療機関においては、すでに電子カルテの導入が済んでいる病院もありますが、導入率は一般病院で57.2%といまだ低くなっています。国の施策としては遅くとも2030年には、すべての医療機関において電子カルテの導入を進める方向とされています。
    電子カルテによってカルテ記入や都度入力の負担を削減し、同時に各専門機関でのスムーズな情報共有の実現も期待できるでしょう。
  • 電子処方箋
    マイナ保険証が導入されたことで、各医療機関・薬局で処方された情報の管理などが可能となり、電子データによる処方箋の運用やサポートが拡大されています。複数の病院や薬局で調剤情報や投薬が重複していないかなどのチェックも行えます。
  • オンラインによる診療予約・問診票
    診療予約をオンラインで行い、データで予約管理をすることで、電話予約に関する業務にまつわる手間や負担を削減します。また、従来は患者さまが来院後に記入いただいていた問診票を、オンライン上で診察前に入力いただけるようにもなります。医師や看護師の負担を軽減できる上に、患者さまの待ち時間も短縮でき、さらなる満足度向上につながるでしょう。
  • オンライン診療の普及
    オンラインによる診療予約・問診表記入だけでなく、診療のオンライン化も進んでいます。
    コロナ禍であった2020年に時限的・特例的な取り扱いとして認められたオンライン診療ですが、2021年の「規制改革実施計画」により初診からのオンライン診断が恒久化する方針になりました。また、2022年には診療報酬の見直しも行われ、オンライン診療普及の促進がされています。
    2024年(令和6年)にも診療報酬改定があり、オンライン診療にかかる評価の見直しや新設も行われています。今後もさらにオンライン診療の普及が進むと考えられるでしょう。
  • スマートフォンの導入
    院内業務にスマートフォンを導入することで、連絡手段を確保できるとともに外部機器との連携強化にも役立ちます。病院内での連絡手段はPHSが主流でしたが、PHSの場合は音声通話機能のみでした。スマートフォンの場合はデータの共有も可能となるため、業務スピードを向上させられるだけでなく、業務に携わる各スタッフの負担軽減にもなるでしょう。
    スマートフォンの導入は医療・事務双方の業務効率化を実現し、質の高い医療サービスの提供にもつながります。スマートフォンは比較的導入しやすいため、優先的に導入を図ることをおすすめします。
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アプリケーションの活用で病院内の業務を効率化

院内で利用していたPHSをスマートフォン化すれば、さまざまなアプリケーションの利用が可能になります。アプリケーションを活用することで「医療の質向上」「残業時間の削減」「職員の負担軽減」などの効果が期待できます。
スマートフォンで活用できるアプリケーションにはどういったものがあるのかを確認してみましょう。

グループウェア

チャット機能を活用することで、医師・看護師の連携強化ができます。対面以外でコミュニケーションをとれる手段は、広い病院内でのコミュニケーション手段として有用です。

音声入力アプリ

記録業務の一部をスマートフォンで実施することで記録に必要な作業時間短縮の効果が見込めます。また、リアルタイムで音声記録をする場合、後から記録をまとめるよりも、より正確な情報を残しておくことができます。
もちろん音声入力だけですべての記録を残していくのは難しいです。音声入力での記録と今まで通りの記録を併用することで業務効率化していきましょう。

MDM機能(モバイルデバイス管理機能)

MDM機能を活用することで安定したスマートフォンの運用が可能になります。
不要なアプリケーションの利用や許可されていないネットワーク接続に制限をかけるなど、PHS利用時にはなかったスマートフォン導入による懸念を軽減することができます。また、リモート操作もできるので、スマートフォンを紛失してしまった際のセキュリティリスクの低減にもつながります。

ICT活用による病院の業務効率化・医療DXの実現に向けて

IPA情報処理推進機構の「DX白書2023」(2023年3月発行)によると、医療・福祉関係分野におけるDXの進度は約9%と、依然低い状況です。
参考:new windowIPA(情報処理推進機構)の「DX白書2023」 ※外部サイトへ移動します

医療機関は、患者さまの個人情報を多く取り扱います。個人情報漏えいのリスクがあることから、ICT活用に対して慎重になっていると考えられるでしょう。
しかしICTの活用によって院内業務を効率化し、医療DXを実現することは、医師や看護師本人の負担減にとどまらず、患者さまや利用者さまへ提供できる医療の質をより高く確保できることにもつながります。

そこで、取り入れやすいDX化の手段を選定し、まずは限定的な範囲内からICTツールの導入を図ることがおすすめです。病院の業務効率化や医療DXを手軽に実現できる手段としては、先にも紹介したスマートフォンの導入を第一段階としてみてはいかがでしょうか。

NECフィールディングでは、PHSからスマートフォンへの安全な移行が可能な「医療機関向けプライベートLTE(sXGP)」を提供しています。

病院の業務効率化に向けたスマートフォン移行はNECフィールディングにお任せください

病院のDX化による、業務効率化の実現。早期に取り組みたいとは思っていても、まず何からスタートすべきかとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
業務効率化の実現に向け、まずは各スタッフ間の意思疎通をスムーズにするため、院内にスマートフォンを導入するところから始めてみてはいかがでしょうか。スマートフォン導入によって、音声通話だけでなくデータ共有も可能となるため、情報共有の幅が広がります。

スマートフォン利用用の無線規格として、NECフィールディングは「プライベートLTE(sXGP)」をおすすめしています。プライベートLTE(sXGP)は安定性・医療機器への安全性がPHSと同等のため、安心して利用できます。また、音声品質がよく、災害時にも安定した音声通信が可能です。

「医療機関向けプライベートLTE(sXGP)」は、300床以上の中~大規模病院に対してICTシステムの構築実績が多数あるNECフィールディングが提供するサービスです。医療機関に必要なセキュリティやガイドラインに準拠した構成を提案し、安心安全な音声ネットワークを提供しています。
スマートフォンで基本機能として使える通話や電卓機能、カメラ機能のほか、チャット機能も搭載。より即時性の高い院内コミュニケーションの実現に役立ちます。

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おわりに

病院業務のDXやICT化に関してお悩みをお持ちであれば、ぜひお気軽にNECフィールディングまでご相談ください。課題をしっかりヒアリングし、現在の状況に合った最適なソリューションを提案します。

発行元:NECフィールディング

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