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Windows 10 から Windows 11 へ移行するときに必要な互換性チェックの方法

Windows 10 は2025年10月14日にサポート終了を迎えます。
Statcounterの統計データでは、2024年1月の国内における Windows 11 の利用率は 35.42%、Windows 10 の利用率60.97%となっており Windows 11 はいまだ浸透していない状況といえるでしょう。
サポート終了までに Windows 11 へ移行しなければなりませんが、そこで課題となるのが、ソフトウェアや周辺機器の互換性です。この記事では、Windows 11 へ移行する際に必要な互換性チェックの方法について紹介します。
Windows 11 を導入する際に必要なポイント
Windows 11 は、2021年10月に正式リリースされています。アップグレードは無料ですが、冒頭で紹介したように普及率は高くなく、Windows 11 に関する情報を集めている企業も多いのではないでしょうか。
Windows 11 を導入する際には、事前に確認すべきポイントがあります。
システム要件の確認
Windows 11 の最小システム要件は Windows 10 のシステム要件よりも厳しくなっています。
<最小システム要件>
プロセッサ:1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip(SoC)
メモリ:4GB
ストレージ:64 GB 以上の記憶装置
システムファームウェア:UEFI・セキュアブート対応
TPM:TPMバージョン2.0
グラフィックスカード:DirectX 12以上(WDDM2.0ドライバー)
ディスプレイ:対角サイズ9インチ以上で8ビットカラーの高解像度(720dpi)ディスプレイ
Windows 11 への移行の前に、該当のPCがシステム要件を満たしているか確認が必要です。
組織内の移行計画・スケジュールを策定
Windows 11 への移行の際はいきなり Windows Update を実行するのではなく、慎重に計画を策定する必要があります。移行対象のPC台数が多いほど移行に時間とリソースが必要となり、さらに移行の間は業務が停止する可能性もあります。速やかな移行のためにも、移行計画は必須です。
まずは移行元のシステムや台数、データなど移行する対象を特定。情報システム部門で移行方式(一括移行/段階的移行/並行運用)を決定し、移行計画を策定します。移行計画の策定の中で、スケジュールや組織内の体制も整えるという流れで調整を行います。
アプリケーションや周辺機器の互換性の確認
Windows 7 や Windows 8.1 から Windows 10 へのバージョンアップでは、OSの根幹である「カーネル」のプログラムが大幅に変更されました。そのため移行に際して、ドライバーやアプリケーションの互換性の確認や検証に時間を要しました。
Windows 10 から Windows 11 へのバージョンアップではカーネルの変更がなく、一定の動作互換性は維持されているため、Windows 7 / Windows 8.1 ほどの検証期間を取らずに済むものと見込まれます。しかし両者は互換性100%ではありません。Windows 11 へアップグレードする際もこれまでと同様に、アプリケーションや周辺機器の動作検証が必要です。
Windows 11 のシステム要件確認・互換性チェックの方法

個別にPCが要件を満たしているかどうかを確認するには、「PC正常性チェックアプリ」を利用できます。PC正常性チェックアプリは、バックアップと同期、Windows Update 、バッテリー容量やストレージ容量のチェックなどの機能を備えたツールです。Windows 10 を利用しているPCが Windows 11 の最小システム要件を満たしているかどうかの包括的なチェックも行えます。
Windows 11 で動作しないときの対処法
Windows 11 への移行を検証する際、あるいは実行中にトラブルが起こるかもしれません。その際には、トラブルシューティングツールの実行や互換性の設定を行うことで解決する場合があります。
トラブルシューティングツールの実行
Windows 更新プログラムのダウンロードやインストールでエラーが発生した場合に、トラブルシューティングツールが利用できます。
<前提>
・PCが電源に接続されていること
・インターネットに接続されていること
・ログインしているアカウントに管理者アクセス権があること
- <手順>
- 手順1:Windows ボタンを押し、「設定」から システム> トラブルシューティング> その他のトラブルシューティング ツール の順に選択します。
- 手順2:表示された画面にて Windows Update の欄にある「実行する」を押します。
- 手順3:画面に「問題を検出しています」が表示され、検証が開始されます。その後検証結果に基づき、問題解決を行います。
- 手順4:対処が終了したら、デバイスを再起動します。
※トラブルシューティングツールは2023年~2025年の間で段階的に廃止される予定です。
互換モードを設定する
互換性に問題があり、アプリケーションが作動しないケースもあります。アプリケーションによっては、「互換モード」で実行することが可能です。
- <手順>
- 手順1:該当のアプリケーションの「プロパティ」を開き、「互換性」タブを選択します。
- 手順2:「互換モード」の欄にある「互換モードでこのプログラムを実行する」のチェックボックスにチェックを入れ、リストから対象のOS名を選択します。
- 手順3:プロパティ画面下の「適用」を押し、画面を閉じます。
- 手順4:アプリケーションが起動するか確認します。
Windows 11 の正常な動作が難しい場合には

ここまで互換性チェックについて紹介しました。検証を踏まえて Windows 11 の移行が難しいと判断したときは、PCを新たに用意するか、システム会社に相談するのがおすすめです。
Windows 11 の最小システム要件を満たすPCを用意する
最小システム要件を満たしていないPC、あるいは互換性の問題が解決しなかった場合には、PCの買い替えが必要です。Windows 11 搭載のPCの購入を検討していくことになります。
システム会社に相談する
PCの買い替えや移行作業などの作業やコストを洗い出し、情報システム部門のリソースが大きく割かれることが懸念される場合には、システム会社に依頼するのもひとつの方法です。アウトソーシングをすれば移行の負荷が省かれ、移行に必要な人員も確保でき、情報システム部門の担当者が本来の業務に集中できます。
またサービスによってはキッティング作業も任せられ、業務停止のリスクも軽減できます。アフターサポートのあるシステム会社であれば、移行後のトラブル対応や不明点の解消にも対応してもらえるでしょう。
Windows 11 への移行に伴う対応はNECフィールディングにご相談ください
NECフィールディングは、Windows 11 へのスムーズな移行をトータル的に支援しています。
社内システムとの互換性確認や動作確認に追われ移行作業が進まないという場合には、キッティング作業を代行し一括導入を支援。また、移行後の運用もNECフィールディングがサポートします。
Windows 11 への移行に伴う対応については、NECフィールディングにお気軽にご相談ください。
おわりに
主に Windows 11 と以前のバージョンとの互換性について紹介しました。Windows 11 では互換性はある程度カバーされているものの、移行後の手間をなくすため互換性のチェックと対処方法の確認を移行前に実施しておくのが肝要です。アウトソーシングなども活用して、Windows 10 サポート終了までに対処できるようにしましょう。
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