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Windows Autopilot(オートパイロット)とは?
できることと展開方法、注意点について

Windows Autopilot(オートパイロット)とは?できることと展開方法、注意点について

クラウドを用いたDX化の推進、テレワークの普及など働き方の変化に伴って、IT管理手法のトレンドも変化してきました。その中で、クラウド型のIT管理手法として「 Windows Autopilot 」が注目されています。この記事では Windows Autopilot について、簡単に紹介します。

Windows Autopilot(オートパイロット)とは

Windows Autopilot とは、業務に必要なPCなどのデバイスの各種設定をクラウド上で管理し、新しいデバイスを展開する際にセットアップを自動化するサービスです。
情報システム部門の担当者の負担を軽減しつつ、業務効率化やセキュリティ強化にも繋がります。

Windows Autopilot でできること

Windows Autopilot では次のようなことが自動でできます。

  • ・新しいデバイスのセットアップ
  • ・デバイスのリセット、復元
  • ・既存デバイスへの Windows 10 / 11 の展開

たとえば、自宅で勤務している社員にPCを送付、社員がPCを立ち上げ Microsoft アカウントでサインインし、業務をすぐに開始する……といった対応が可能になります。

Windows Autopilot を利用する方法

Windows Autopilotを利用する方法

Windows Autopilot の利用例を紹介します。

Windows Autopilot の適用要件

Windows Autopilot を適用するには、ライセンス要件とソフトウェア要件を満たさなければなりません。

  • ライセンス要件
    Windows Autopilot は、Windows クライアントで使用できる特定の機能と Microsoft Entra ID によって異なります。 また、Microsoft Intune などの MDM サービスも必要です。

    Microsoft 365 Business Premium サブスクリプション
    Microsoft 365 F1または F3 サブスクリプション
    Microsoft 365 Academic A1、A3、または A5 サブスクリプション
    Microsoft 365 Enterprise E3 または E5 サブスクリプション
    ※Microsoft 365 サブスクリプションを使用する場合は、Intuneも必要です。

    Enterprise Mobility + Security E3または E5 サブスクリプション
    Intune for Education サブスクリプション
    Microsoft Entra ID P1 または P2 と Microsoft Intune サブスクリプション (または別のMDM サービス)。
  • ソフトウェア要件
    対象となるOSは Windows 11 と Windows 10 の以下のバージョンです。
    < Windows 11 >
    Windows 11 Pro
    Windows 11 Pro Education
    Windows 11 Pro for Workstations
    Windows 11 Enterprise
    Windows 11 Education

    < Windows 10 >
    Windows 10 Pro
    Windows 10 Pro Education
    Windows 10 Pro for Workstations
    Windows 10 Enterprise
    Windows 10 Education

    ※ほかにMicrosoft HoloLensも対象となりますが、ここでは割愛します。

Windows Autopilot 設定手順

自己展開モードで設定を行う場合は、以下の手順で設定をすすめます。

  1. デバイス登録
    デバイスを Microsoft Entra ID (旧 Azure Active Directory )に参加し、Intune にも登録します。
  2. デバイス情報のインポート
    デバイスを Autopilot デバイスとしてインポートします。インポートには Configuration Manager や PowerShell スクリプトの利用など、いくつか方法があります。
  3. デバイス グループを作成
    Intune の管理画面で、デバイスに適用するポリシーやアプリケーションなどを元に、デバイスをグループ化します。
  4. 登録ステータス ページを作成
    Intune の管理画面で、登録ステータスページ(ESP)を作成します。
  5. プロファイルを作成
    Windows のセットアップ時の構成を示すプロファイル( Windows Autopilot Deployment Profile )をデバイスに割り当てます。
  6. 配信設定、デバイスの起動
    デバイスが起動すると、ネットワークの状況に応じて Autopilot プロセスが開始し、セットアップが始まります。

Windows Autopilot のメリット

Windows Autopilotのメリット

Windows Autopilot の活用においては、さまざまなメリットがあります。

自動化による作業負荷軽減

Autopilot はデバイスの登録やプロファイルの割当などの事前作業が必要であるものの、デバイスに Microsoft アカウントでサインインすると登録情報が読み込まれ、設定が完了します。ユーザにとっては簡単な操作を行うのみとなり、従来のキッティングにかかっていた工数が削減できます。

リモート操作が可能

昨今は在宅勤務が普及し、社外からネットワークに接続して業務を行うことも珍しくありません。しかし従来の手作業やクローニングといったキッティングの方法は、出社および社内ネットワークへの接続が必須です。情報システム部門としては、出社しない状況でのデバイス管理やデバイス配布が難しいことが課題となっていました。
Autopilot はクラウドを経由した設定となるため、テレワークの環境下でも導入できるようになります。

セットアップの効率化

Autopilot は初期設定の多くを自動化でき、なおかつ大量のPCに適用が可能です。手作業に比べ、適用台数が多いほど効率的にセットアップができるようになります。

Windows Autopilot の注意点

Windows Autopilot はクラウド経由で設定を行うことになるため、少なくとも情報システム担当者に Microsoft Intune や Microsoft Entra ID 、クラウドに関する知識が必要となります。また大量のPCへのセットアップが可能である一方で、ネットワーク負荷が大きくなる可能性や、デバイスの設定完了までに時間がかかる可能性もあります。

PC廃棄時や転用時には、デバイスIDを削除しておかないと悪用される可能性があるため注意が必要です。Windows Autopilot にデバイスIDが登録されている中古PCは、そのPCで Windows Autopilot の管理画面が表示されてしまいます。その中古PCが組織外で再利用されることとなれば、情報漏えいや不正アクセスを引き起こしかねません。
セットアップが容易である分、利用が終わった際には情報削除を怠らないようにしましょう。

NECフィールディングでは Windows Autopilot を活用した展開・設定代行サービスを提供しています

NECフィールディングでは、システムの導入から運用・保守までワンストップでサービスを提供しています。Windows Autopilot にも対応し、導入時の工数を削減すると共に運用の煩雑さも解消し、情報システム部門のご担当者の負担軽減をサポート。
Windows 11 への移行についてもトータル的な支援が可能です。Windows のアップデートやPC管理についてはぜひNECフィールディングにご相談ください。

NECフィールディングが Windows 11 への移行をサポート

おわりに

Windows Autopilot について簡単に紹介しました。Windows Autopilot はユーザ側にとっては簡単で、テレワークにも対応できますが、その分専門知識を必要とする方法です。Windows Autopilot を利用したくても専門家が足りず対応できない場合には、代行サービスの活用がおすすめです。

発行元:NECフィールディング

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