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企業の防災訓練が必要な理由と流れを紹介

企業の防災訓練が必要な理由と流れを紹介

企業防災を取り組むにあたっては、いざという時でも初動対応を迅速にできるよう、日頃から防災訓練を行っておくことが有効です。そこで今回は、企業が防災訓練に取り組むべき理由と目的別に分かれている防災訓練の方法を紹介します。

防災訓練に取り組むべき理由とは?

2018年1月に内閣府が発表した「new window防災に関する世論調査」によると、防災訓練に「参加したことがある」と回答した人は、半数を下回る40.4%でした。

さらに、「訓練が行われていることは知っていたが、参加・見学したことはない」と答えた人は30.7%、訓練が行われていることを知らなかった」と答えた人は24.0%。トータルで54.7%もの人たちが防災訓練に参加だけでなく見学もしたことがないという回答でした。

ですが、2011年の東日本大震災を経て、防災の意識を高く持っている企業が増えています。防災訓練は自然災害への備えとなるだけでなく、地域防災力を高めるものです。さらに企業にとっては、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)にもなる、欠かせない取り組みだと言えるでしょう。

日本は災害大国

自然災害が数多く発生している日本列島では、防災訓練を行うことで日頃から備えておくことが有効です。
とくに近年では、2010年から2019年までの10年間での台風の発生数は平均25.2個、全国への接近数は12.3個、そのうち上陸していくものは1年あたりでなんと3.7個もありました。

※出典元:new window国土交通省 気象庁「台風の統計資料」より

さらに、日本と密接な関係がある地震に関しても、こんなデータがあります。2010年から2019年にかけての10年間に全世界で発生したマグニチュード6以上の地震1,496回のうち、日本周辺で発生しているものは262回。つまり、全体の17.5%にあたる地震が日本周辺で発生していることがわかっています。

※出典元:国土交通省「河川データブック 2020 2-2-4 世界のマグニチュード6以上の震源分布」より

このようなデータを見ると、日本は自然災害での被害を受けやすい国だといえます。いつ自然災害が来ても企業活動を滞らせないよう、災害に備えておく防災訓練の必要性が増しています。

防災訓練は企業にとって重要なBC対策になる

企業にとって防災訓練を実施しておくことは、自然災害が発生したときに、従業員など自社のビジネスに関係するすべての人命の安全確保につながってきます。さらに、BC対策を進めるためにも、普段の業務のなかに防災訓練を取り入れて、緊急時にどのような対応をすればいいのか社内全体で浸透させておくことが重要です。

もし自社内で防災訓練を行えない場合は、自治体などが行っている防災訓練に企業として参加することも良いでしょう。被災したことで事業が止まってしまうと、自社だけでなく取引先の企業にまで影響が及ぶ可能性があります。万が一の事態に備えておくと従業員の命と働く場所を守ることにつながりますので、しっかり対策しておきましょう。

取り組む目的別の防災訓練

防災訓練は、目的の違いにより大きく分けて4つのパターンがあります。

取り組む目的別の防災訓練

避難誘導訓練

災害時の避難や安全確保の流れを学んでいくのが避難誘導訓練です。台風や水害、地震など、災害の種類に合わせて周囲の安全確認や、建物内からの避難行動をシミュレーションし、避難ルートを選べるように訓練します。

初期消火訓練

火災発生時の初動対応を学ぶ防災訓練です。
火事が発生してから火が天井に燃え移ったときには消化器でも消火ができなくなりますので、初期消火が可能な時間はきわめて短くなります。そのため、迅速な初動対応は必須となります。

応急救護訓練

胸骨圧迫や人工呼吸など、心肺蘇生法の手順や、AED(自動体外式除細動器)の使い方を学んでいく防災訓練です。
心停止から5分以上が経つと、半数の傷病者が亡くなってしまいますが、この訓練を受けることで、いざという時に人命を助けることができる可能性が高くなります。

救助訓練

負傷者の救出や搬送の手順をシミュレーションし、災害時の自助・共助を学んでいく防災訓練です。災害時の被害を抑えるためには、近隣住民との自助・共助は欠かせません。
ブルーシートを担架のように使う方法や瓦礫の除去方法などを学ぶ救助訓練を行うことで、いざという時にはより多くの人命を救えるようになります。

企業の防災訓練シナリオ作成の流れ

防災訓練のシナリオとは

防災訓練は「シナリオあり」「シナリオなし」の2パターン考えられます。シナリオがある防災訓練は、被災時に指示通りに動けるか、シナリオのない防災訓練は現場でどのように対応をすれば良いか考えることが目標になります。

まずは被災時の基本的な動き方を覚えるため、シナリオありの防災訓練を行い、慣れてきたらシナリオなしの防災訓練を行いアドリブ対応もできるようにしていくと良いでしょう。

シナリオの作り方

防災訓練を行う際のシナリオはどのように作成すれば良いでしょうか?
シナリオを作る際は、まず次のポイントを決めましょう。

  • ・発生する災害を決める
    地震・津波・停電・台風…などさまざまな災害を想定できますが、まずは防災訓練を行う場所で発生頻度が高い/発生した際の被害が大きくなりそうな災害を想定したシナリオを作成すると良いでしょう。

  • ・災害により発生する被害を決める
    想定される災害を設定した次は、「どの程度の被害が発生するか」を決めます。
    被害を決める際には「最悪の場合、どのくらいの被害が出るか」「被害を抑ええるためにはどのような対策が必要か」なども考えておくと良いです。

  • ・訓練のゴールを設定する
    想定される災害と被害を決められたら、防災訓練のゴールを設定しましょう。
    防災訓練は実施することがゴールではありません。災害時に混乱を抑え動けるようになるために、訓練を通して何を学んでほしいかを軸にゴール設定していきます。例えば、簡単なゴールであれば「時間内に避難場所まで移動する」などが考えられます。
    設定するゴールは複数あっても問題ありません。ただし、ゴールを増やしすぎて複雑な訓練になってしまわないよう注意しましょう。

企業防災のまとめ

具体的な災害シナリオに基づいて防災訓練を行うことで、災害発生直後の的確な初動対応を学ぶことができます。企業でも防災やBCPの観点から、日頃から防災訓練を行っておくことは重要です。NECフィールディングでは、防災やBCPに関連する各種サービス・製品を用意していますので、ぜひチェックしてみてください。

発行元:NECフィールディング

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