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仮想基盤導入事例墨田区様


Nutanix※1で仮想基盤を構築
スケールアウトなど柔軟な対応が可能に
※1 ニュータニックス・ジャパン合同会社が提供する仮想基盤の一種であるハイパー・コンバージド・インフラストラクチャ(HCI)製品
業種:自治体・公共 製品:保守・運用導入 ソリューション:自治体向けソリューション
課題背景
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各主管課で毎年のように発生するサーバ更新プロジェクト業務が負担に
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一部3Tier※2型仮想基盤を導入したものの、柔軟なスケールアウトへの対応は困難
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行政DXや区民サービス向上のためのクラウド化など、ICTの基盤作りが必要
※2 3Tier:サーバと外部ストレージを組み合わせた構成
成果
HCI※3型の仮想基盤を導入し、サーバを集約することにより、更新プロジェクト業務を一元化
仮想化によってスケールアウトなどの柔軟な対応も可能
行政改革やサービス向上など主管課の要望をICTリソース面から実現可能に
※3 HCI:共有ストレージをサーバ本体内に実装し、外部ストレージなしのシンプルな構成
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事例の詳細
導入前の背景や課題

企画経営室 ICT推進担当
主査
髙城 麻衣氏
サーバ入れ替えが大きな負荷に。
仮想化で業務負荷軽減を狙う
DXによる職員の働き方改革、区民サービスの向上など、行政でもICTが積極的に活用されています。墨田区様では2018年に導入したサーバの更新にあたり、新たに仮想基盤をベースに拡張性を持ったシステムへの移行を検討。2023年に現行システムへの移行を完了しました。
今回の更新もリース期間の終了によるものでしたが、従来の物理サーバ利用の課題を解決することも目指した、と企画経営室ICT推進担当の髙城麻衣主査は話します。地方公共団体では、業務に応じてネットワークを分離する「三層分離」が敷かれています。「三層分離モデルでは、ネットワーク構成が複雑化し、各セグメントのセキュリティ対策強化や、構成を一部変更するたび必要となるシステムや機器が増えます。また、セキュリティ機能の強化とトレードオフで下がりがちな利便性をカバーするためにシステムの追加が必要になり、結果としてほぼ毎年サーバ更新が発生していました」(髙城主査)。そこで更新に伴う業務負荷や導入後の運用負荷を軽減するため、仮想基盤の構築が検討されました。
墨田区様では以前、一部の領域は物理サーバ、SAN(ストレージエリアネットワーク)、共有ストレージの3層で構成する3Tier型で部分的に仮想化していました。しかし「管理すべき物理サーバの減少による負担軽減はあるものの、新しい課題への対策として新たに必要なサーバ類が追加されていく状況下においては、3Tier型仮想基盤はスケールアウトが難しいという欠点も見えていました」(髙城主査)。将来的にサーバの拡張が必要だと分かっていても、次の更新までの間に処理能力やストレージがどのくらいの余力が必要になるかは予想がつきません。各リソースにあらかじめ余裕を確保しておく方法もありますが、初期投資は増大します。
そのため仮想基盤の優位性、利便性を生かしつつ、ストレージ容量や処理性能の拡張などにも柔軟かつ容易に対応できる可用性に富んだ基盤の構築を目指し、仮想化プロジェクトをスタートしました。
仮想基盤導入イメージ図

選択のポイント
高可用性や拡張性を重視し、HCI型の仮想基盤を構築
NECフィールディングは以前からネットワーク構築や情報システムの保守・運用などを担っており、今回の仮想基盤構築では移行作業から機器・システムの監視や保守を含めて任せていただけることになりました。髙城主査は「区役所特有の業務や情報システム、ネットワークの状況を詳しく知っており、国や総務省の最新の動向や方針にも敏感で、いち早くこれらを反映できる課題解決力がある」点も委託につながったと語ります。
毎年のように続くサーバ入れ替えに加えて「DX推進機運が高まり、各主管課からもRPAや生成AIなどを活用した、業務効率化や生産性向上に関する相談が増えてきました。この要望に現状のインフラ構成のまま柔軟に対応するのは困難」(髙城主査)との考えから仮想基盤の構築に至りました。
NECフィールディングは3Tier型での課題を踏まえ、高可用性と拡張性を持たせた「Nutanix」によるHCI型での仮想化を提案。まずは仮想基盤を構築し、物理サーバを順次仮想基盤に移行する計画を立て、2023年度から仮想基盤構築が始まりました。2023年度にLGWAN環境のプロキシサーバやメール制御などの運用管理系サーバを仮想化し、同時にファイルサーバもHCI型仮想基盤として再構築しました。さらに2024年度には、新たに生じた課題に対応するため「Nutanix」を1台増設する予定です。
髙城主査は、「デジタル化が進めばシステムに保存するデータも増えますが、ストレージ容量が5年後にどれぐらい必要なのかは未知数です。HCI型ならシステムを停止することなく、運用途中で必要なリソースの割当や拡張が可能となるため、当初からむやみにストレージ容量を増やしたり、膨大な空き容量を持て余したりする心配もありません」と、HCI型によるメリットを語ります。また、データ化した資料を「とりあえず保存する」ことによるファイル膨大化を防ぎ、保存から削除までのデータライフサイクルを適正に管理するためには、データの可視化が重要であるため、管理ツールの「NIAS」もNECフィールディングの提案により導入し、各主管課での適正な利用を確認しているそうです。

導入後の成果
業務負荷軽減とさらなる業務効率化に寄与
HCI型の仮想基盤を構築後、各主管課からの要望に応えやすくなった、と髙城主査は語ります。「要望に応じてリソースを割り当てられないという問題は解消しました。容量が足りなくなると判明した時点でスケールアウトを検討できるため、計画外のことでサーバ利用が必要になっても、柔軟に対応できます」と笑顔で話します。
また、別システムの内部情報システム再構築の際には、HCI型仮想基盤上に構築したファイルサーバにデータの預け先を作りました。今回の再構築ではグループウェアの機能や構成が変わったため、新システムには格納場所がないデータの移行場所が急遽必要となりましたが、システム環境を停止することなくリソースの追加や再配分が可能なHCI型基盤だからこそ、慌てることなく柔軟かつ安全に、最小限の業務量およびコストで、急な要望にも即時に対応することが出来ました。
墨田区様では2025年度に、物理サーバの更なるHCI基盤への移行や、ネットワーク更新を予定しています。髙城主査は「物理で構成すべきか仮想に移すべきかどうかは、そのサーバの役割や性質によってそれぞれ判断していく必要があると思っています。また、三層分離からゼロトラストネットワークアクセスに移行していく方針や、生成AIの活用などのDX推進が示される中、システムをクラウドやデータセンターへの移行することも視野に入れて、NECフィールディングさんの技術的知見を借りながら、手戻りの少ない過渡期の環境構築としてHCI型仮想基盤への移行を進めています」と語ります。
今後も社会のDX化は確実に進み、行政や公共分野も遅れないよう着実に対応していくことが求められます。その一方、墨田区様のような基礎自治体では、住民の生活に関わる非常にセンシティブな情報を多数保有しています。情報漏えいは絶対に許されないため、DX化には慎重にならざるを得ません。髙城主査は「今までの自治体はとにかく安全重視でしたが、多様化する区民の要望に限られた人員コストで対応し、業務負担が膨らむ傾向の職員のwell-beingに応えるためにも、利便性向上は必要な取り組みです。セキュリティと利便性はトレードオフの関係ではなく、共に向上することが今後の課題であり、そのために現実的な課題解決力のあるICT技術の活用が必要です」と強調します。
その取り組みを進める上で、自治体に関する知見やノウハウを豊富に有するNECフィールディングには大きな信頼と期待が寄せられています。
お客様プロフィール
墨田区様
所在地 | 東京都墨田区吾妻橋1丁目23番20号 |
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概要 | 東京都の東部に位置する人口27万人の特別区。総面積は13.7平方kmで、東京23区中17番目の広さ。隅田川を挟んで中央区や台東区、荒川区に接する。江戸時代から続く職人芸や木造住宅など、古きよき下町文化を色濃く残す一方、2012年に完成した「東京スカイツリー」などの新たな名所もある。墨田区役所庁舎は、一大観光地・浅草につながる吾妻橋近くに立地。人口増・世帯数増といった時代の変化に対応しつつ、各地で進む再開発、防災対策などの多様な課題と向き合いながら各政策を進めている。 |
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担当者からひとこと
東京都23区内の自治体への営業を担当しています。今後は今まで以上にDX化が活発になってくると考えています。今回導入していただきましたHCI型仮想基盤は、DX化を実現していくツールの一つとして使用できるものと考えており、今後も今まで以上に墨田区様のDX化に貢献できるように適切なサポートを継続していきます。

東京第一営業部
営業第一課
飯塚 知尚
全国の自治体への提案支援を担当しています。今後も国の動向や他自治体事例などの情報を提供していきたいと考えています。その中で、墨田区様の将来を見据えた課題に対して、最適な提案を実施することでDX化を推進してまいります。

公共ソリューショングループ
担当
村田 渉

この事例の製品・ソリューション
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※記載されているお役職等の情報につきましては、2025年3月3日時点のものです。
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