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田尻町教育委員会様

活用支援までをカバーした提案を採用し、教育ICTを整備 教育の質向上とセキュリティ強化を両立
職員数 | 126人(平成28年4月1日現在) |
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業種 | 自治体 |
導入サービス | 学校ICT推進ソリューション |
事例のポイント
課題背景
- 価値観の変動する時代をたくましく生きぬいていく教育を実現するために、教育の質をさらに向上していきたい
- 文部科学省が通達した「教育情報セキュリティのための緊急提言」に準拠しつつも、現場の教職員に負担をかけないセキュリティが必要だった
- 導入して終わりではなく、校内で継続的に活用できる環境を整えたかった
成果
子どもたちの集中力/学力向上に貢献
電子黒板やタブレットを活用した教材の充実や指導方法を工夫したことで、子どもたちはこれまで以上に授業に集中するようになった。採点も自動的に行われるため、教職員も子どもの指導に専念しやすくなった
極めて高いセキュリティを実現
ネットワークを学習系と校務系、校務外部接続系に完全分離し、校務系システムへの不正アクセスの不安を解消。さらに校務用PCにユーザーID/パスワードと顔認証の二要素認証を導入し不正利用を防止するとともに、認証の手間も軽減した
継続的な利用環境を確立
ハードウェアやソフトウェアの導入に加え、問い合わせや問題発生時の対応をワンストップで行う統合コールセンターや現地カスタマエンジニアまでカバー。ICT活用支援を行う支援員も学校に派遣することで継続的な利用環境を確立した
導入ソリューション
ネットワークを学習系と校務系、校務外部接続系に完全分離し、校務系システムへの不正アクセスを防止。仮想化されたサーバーや顔認証で保護された校務用PCをあわせて導入し、セキュリティ強化を図っています。学習系システムではPC教室の整備や、各教室への電子黒板/タブレット利用環境等の導入。さらに問い合わせや問題への対応は統合コールセンターでワンストップ対応しており、ICT活用支援を行う支援員も派遣されています。
この事例の製品・ソリューション
導入前の背景や課題

栗山 美政氏
校務負荷軽減とセキュリティ強化のため、教育ICTの再整備へ
大阪府南部の泉南郡に位置し、大阪湾に面した田尻町。同町では、個性を伸ばしながら、価値観の変動する時代をたくましく生きぬいていく力をつけてもらうという方針のもと、「保幼小中一貫教育」を推進。教育ICTの整備を急ピッチで進めています。
「田尻町には保育所、幼稚園、小中学校がそれぞれ1校で、『たじり8,000人の大家族』という考えのもと、町中で子どもたちを見守っています。子どもたちが将来社会に出て活躍するためにも、教育ICTの充実は欠かせません」と語るのは田尻町長の栗山美政氏です。
こうした学校教育を支える役割を担うのが田尻町教育委員会です。同委員会の教育長を務める和田弘之氏は、教職員の働き方改革を実現することも教育ICTの重要な役割と指摘します。
「ただし、教職員の方にとって働きやすい環境を整備するには、教職員の利便性を損なわないセキュリティを確保することが大きな前提となります」(和田氏)
当時、多くの企業・団体・学校等でサイバー攻撃や不正アクセス事案が発生していたことを受け、2016年7月に文部科学省が「教育情報セキュリティのための緊急提言」を通達。「認証の強化」や「ネットワーク分離」などが求められました。「サイバー攻撃や情報漏えい事案が複数の団体・学校で発生しており、他人事ではないという危機感を持っていました。もちろん、セキュリティには十分配慮するようにしていましたが、各教職員による運用に頼っていた部分も多く、全体像を把握したり、統制を効かせたりすることが難しい状況でした」と和田氏は振り返ります。
こうした考えのもと、田尻町は「田尻町立小・中学校ICT環境整備事業」を計画します。そして2017年1月、プロポーザル方式によってNECフィールディングを業者に選定。2017年2月から事業をスタートしました。
選択のポイント

教育長
和田 弘之氏
システム導入だけではなく、サポートや活用支援までカバーした提案を評価
今回の事業では、多岐にわたる取り組みが行われています。まず文部科学省の緊急提言に対応するため、ネットワークを学習系と校務系、校務外部接続系に完全分離。学習系システムではPC教室の整備や、教室への電子黒板やタブレット利用環境等の導入が行われています。また仮想化されたサーバーや約60台の校務用PCを導入。さらに導入したPCのセキュリティを強化するため、顔認証システムも採用されています。
ただし、教育ICTは単に機械を入れればいいというものではありません。そこで今回の事業では、導入したものを使いこなすことを強く意識したといいます。
「NECフィールディングは情報提供の段階から、教育ICTを成功させるために何が必要なのか、親身になってわかりやすく説明してくれました。提案内容も、ハードウェアやソフトウェアの導入だけではなく、問い合わせや問題発生時の対応をワンストップで行う統合コールセンターに加え、現地カスタマエンジニアの派遣までカバーしていました。さらに、実際に先生方が使いこなせるよう、ICT活用支援を行う支援員も学校に派遣してくれています。ICTの専門家を確保できない小規模な自治体にとって、とてもありがたい対応です」と和田氏は評価します。
2017年3月には環境整備を完了。2017年度の新学期から、本格的な活用が始まっています。「以前のシステムでは、使い方がわからずに活用が広がらないというケースもありましたが、今回はNECフィールディングのサポートもあり、短期間で活用が広がっていきました。疑問点も1つずつ解消してくれました。丁寧な対応に本当に感謝しています」(現場の教職員)。新規のICT導入は利用者に不安が広がりやすいものですが、今回は安心感があったと語ります。
導入後の成果
教職員に負担にかけることなくセキュリティを強化、子どもたちの学力向上にも貢献
導入してからそれほど期間がたっていないものの、すでに様々な効果が現れつつあります。電子黒板やタブレットで使える教材も用意されているため、先生方が教材をプリントアウトせずに授業を始めることも可能になりました。一人ひとりの子どものペースに合わせて教えることができ、採点も自動的に行われるため、壁にぶつかっている子どもの指導にも専念しやすくなっています。「タブレットでの授業は興味づけの効果が大きく、調べ学習にも役立っています。子どもたちも楽しんで学んでおり、集中力や学力も向上しています」(和田氏)
セキュリティが強化されたことも重要なポイントです。校務系ネットワークと学習系ネットワークを完全分離し、校務系システムに顔認証を導入したことで、セキュリティは飛躍的に堅牢になりました。学習系システムから校務系システムへの不正アクセスの心配もありません。もちろん、これはネットワーク分離と二要素認証を要件とする「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」にも準拠しています。
NECフィールディングのトータルなサポートによって、ICT環境の利用は着実に浸透しつつあります。
「導入してからが本当の始まりであり、そこから効果を広げていくことが重要だと考えています。これまでも管理者向け研修会や利用者向け研修会など、操作を学ぶための機会を設定してもらいましたが、使い方をさらに広げていくためにも、NECフィールディングには継続的なサポートをお願いしたいと思います」と最後に栗山氏は語りました。
お客様プロフィール
田尻町教育委員会
所在地 | 大阪府泉南郡田尻町大字嘉祥寺375-1 |
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職員数 | 126人(平成28年4月1日現在) |
概要 | 田尻町は大阪府南部の泉南郡に位置し、大阪湾に面した自治体です。沖合5kmには関西国際空港が立地し、その中央部が本町に属しています。2006年には日本一面積の小さい町となりましたが、その後の埋め立てによって面積が増加。人口は8,539人(2017年10月1日現在)であり、三世代で暮らすまちづくり「たじり8,000人の大家族プロジェクト」を推進しています。 |
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栗山町長様のコメント
田尻町で育ったことを誇りに思える教育を実現していきたい
田尻町は関西国際空港の対岸にある町で、以前は日本一小さい自治体でした。現在では埋め立てで面積が増加していますが、町民の生活エリアは小さく、人口も8,000人余りしかいません。町内はほぼ全員が顔見知りであり、お互いに下の名前で呼び合う仲です。教育への取り組みも「たじり8,000人の大家族」という考えで進めており、町中みんなで子どもを見守っています。
このような環境の中で特に重視しているのが、グローバルに活躍できる人材を育成することです。すでに小学校の段階から英語を併記して外国語に親しめるようにしており、授業の一環として関西国際空港の出国ロビーに生徒を連れていき、外国人に英語でインタビューを行う、といったことも行っています。またICTの活用も重視しています。これからの世界で飛躍するには、ICTを使いこなせることも欠かせないからです。子どもたちがこの小さな町の中で仕事を見つけるのは難しいと思いますが、町の外に出ても「自分の故郷は田尻」と、胸を張れる教育を行いたいと考えています。
今回はNECフィールディングをパートナーに、最新のICTを学校に導入することになりましたが、導入は最初の一歩に過ぎません。現時点ですでに、学習効果向上やセキュリティの強化といった成果が得られていますが、これからもどんどん使い方を広げ、さらに高い成果が得られると期待しています。NECフィールディングにもぜひ先進事例を教えていただきながら、活用推進のサポートをお願いしたいと思います。

電子黒板やタブレットを活用した授業風景





PC教室の様子


校務PCの顔認証はNECのNeoFace Monitorを活用

担当者からひとこと

NECフィールディング株式会社
西日本営業本部 関西営業部 営業第一課
マネージャー
土井 和弘

NECフィールディング株式会社
南大阪支店 りんくう営業所 主任
兼 い~るでぃんぐ事業部 販売部
赤土 卓郎
全国で400を数えるサービス拠点を軸にきめ細かなサポートを提供
今回のシステム構成は文部科学省の緊急提言が出る前から考えていたもので、ネットワーク分離と二要素認証が今後必須条件になるだろうと予測した上で、ベストな形で提案することを心がけました。セキュリティ強化で忘れてはならないことは、できる限りコストを抑制することと、利便性を阻害しないことです。そのため今回は追加の認証デバイスが必要なく、手軽に使える顔認証を採用しました。また、電子黒板やタブレットですぐに使える教材もご提供しています。
もちろんシステムを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。そのためワンストップでのサポートに加え、活用支援も提案内容に含ませていただきました。このようなことが可能なのも、NECフィールディングには全国に400拠点があり、すぐにお客様のところに駆けつけることができるからです。例えばりんくう営業所は、田尻町役場まで15分しかかからない場所にあります。そのため臨機応変な対応が可能です。
実際に教育ICTを導入しても、使いこなせていないケースは決して少なくありません。教科指導におけるICT活用を最大限に引き出していただくため、当社はこれからも現場に最適なシステムを提案するとともに、きめ細かいサポートを提供してきたいと考えています。
この事例の製品・ソリューション
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※記載されているお役職等の情報につきましては、2018年3月23日時点のものです。
※記載されている製品名は各社の商標または登録商標です。