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「保守部品の管理、社内教育を通じて顧客満足度向上に寄与」

フィールディング全力支援(社員紹介)

システム、ICT機器の安定稼働には、定期的な保守や不具合発生時の迅速な復旧が欠かせない。それらの作業は全国の拠点に所属するカスタマーエンジニアが担っている。彼らの業務を支えているのが、保守部品を管理するテクニカルセンターの従業員や、CEの研修・教育を担当するインストラクターたちである。

保守パーツ配送の改革、CEの効率化支援に取り組む

配備戦略部 大庭景之マネージャー

NECフィールディングでは、保守に必要なさまざまな部品を全国120カ所の倉庫で合計100万アイテム以上管理している。これら保守部品の調達や在庫管理、全国への配送手配などを担っているのが、川崎テック戦略本部・配備戦略部である。必要な保守部品を過不足なくそろえ、できるだけ最短で全国のCEたちに届けるために、受注データや出庫実績などを基に需要を予測して配備計画を立てている。

配備戦略部の大庭景之マネージャーは「コロナ禍以降、市場環境の急激な変化で需給予測が困難になった」と語る。物流網の乱れや半導体不足の影響で、海外からの部品供給がストップしたり、納期に遅延が生じるなどのトラブルが頻発した。「どのパーツが一番クリティカルな影響があるのかを特定し、緊急かつ重要と見られるパーツから順に手配を進めた。部品のやりくりにはとても苦労した」と当時を振り返る。さらに各企業でデータセンターの増設が続き大型サーバのニーズが高まったこともあり、保守部品の管理や配送業務の改革は急務となった。

そこで立ち上がったのが、自社で購入した保守部品の最適化による棚卸改善や、部品運搬コストの削減を主眼に置いた「配備業務改革プロジェクト」である。大庭マネージャーは、このプロジェクトのサブリーダーに就任。市場環境や社会情勢の変化に対応できる体制の確立が必要との考えから、部品調達および管理の標準化に乗り出した。部品の配備、発注の基準を見直し、効率的に運用する仕組みの構築を進めている。昨今は原油高、ドライバー不足の影響で物流費の高騰が問題視されており「顧客の拠点に近い倉庫にあらかじめ予備の部品を置いたり、CEが効率的に動けるような体制の検討も必要」と考えている。

2023年9月には、BCP対策の一環として新たに「相模原テクニカルセンター」を開設。川崎、相模原と2つの大規模配送拠点を備えることで、保守を効率化できる体制を着々と築いている。「ゆくゆくはAIを活用した将来予測もできたら、と思う。『2024年問題』は物流に大きな影響を与えそうだが、課題解決に向けて粘り強く取り組む」と意気込む。

保守部品を適切に管理すべく、自社購入品と支給品のバランスを取り倉庫のキャパシティーに余裕を持たせるようにしている
保守部品を適切に管理すべく、自社購入品と支給品のバランスを取り倉庫のキャパシティーに余裕を持たせるようにしている
それぞれの行動変容につなげられるよう、講習では参加者一人ひとりと対話を重ねることを意識している
それぞれの行動変容につなげられるよう、講習では参加者一人ひとりと対話を重ねることを意識している

「満足」の先にある「感動」を目指す

CSマインド推進部主任 本郷裕士さん

CS品質統括本部の傘下にあるCSマインド推進部は、全社のCSマインドを向上させることを目的としてさまざまな社内研修や、各種アンケート分析からの企画・立案を行っている。メンバーは8人で、お客さま対応の経験が豊富な30代から50代の中堅、ベテラン従業員を中心に構成されている。CS講習のインストラクターを務めるCSマインド推進部主任の本郷裕士さんは、「ITサービス業は『人』で選ぶ時代。その土台になるCSマインド醸成が求められている」と話す。以前はCEとしてお客さま対応をしていた経験から「今はお客さまもITに関する情報を持ち合わせている。だからこそ知識や技術に加え、コミュニケーション力や応対品質の向上が重要であり、意欲を持ってもらうことが重要」とCS向上の重要性を強く認識している。

NECフィールディングのCSマインド醸成に関する取り組みは、2018年から本格化。CS講習はお客さまと直接関わる部署だけではなく、バックオフィスと呼ばれる部署も含め全社が受講する。「立場や背景、考え方の違いがあるのでCSの重要性が理解されにくいこともある」としつつも「どんな仕事でもお客さまとつながっている」からこそ、部署に関わらず全従業員がCSへの意識を高めてほしいと感じている。

コロナ禍を経て、CS講習はリモートで行われることが増えた。参加者を集めやすいというメリットがある一方で「参加者の反応が読み取りにくいので、きちんと伝わっているか不安に感じるときがある。また、参加者同士が対面で会話することで交流が深まり、新たな課題発見にもつながる」ことから、機会があればリアル開催にした方がよいとも考えている。

インストラクターとしてのレベルアップを図るため、コミュニケーションやホスピタリティなどに関する情報の収集や、インストラクター能力を証明する国際認定資格「CompTIA」(コンプティア)の取得などにも取り組む。「CSという概念が一般化した今、お客さまにただ満足してもらうことを目指すのではなく、その先にある『感動』を目指していきたい」という思いを胸に、研修内容のさらなるアップデートと従業員のお客さま対応支援を続けていく。

プロフィール

大庭 景之

川崎テック戦略本部 配備戦略部マネージャー

2005年の入社以来、一貫して川崎テクニカルセンターで勤務。在庫管理システムの構築、DXプロジェクトの推進などを経験し、2022年にマネージャーへ昇格。部下の育成や管理も担うようになったが「年次が上の人たちばかり」と恐縮する。「現場に行けば保守部品の手配、輸送などの課題が見えてくるはず」との考えから、機会があればCEの業務も経験してみたいと話す。冬にかけての楽しみは、温泉とスキー。他にも読書が趣味で、歴史小説やミステリー小説を愛読する。


本郷 裕士

CS品質統括本部 CSマインド推進部主任

2004年入社。西関東支社管内の各拠点で15年間CE職を経験した後、2019年6月より現職。インストラクターになってからは「昔いた拠点の先輩に『CEのときと雰囲気がずいぶん変わった』と言われる」と苦笑い。ここ数年はフルマラソン大会に出場しており、休日はトレーニングに励む。「足切りラインをクリアして完走」が目標。学生時代は野球部で、自宅から横浜スタジアムが近いため「熱心なファンではない」ものの横浜DeNAベイスターズの試合観戦に足を運ぶことも。