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2022年01月05日

SaaS

第22回
「SaaS」

SaaSとは?具体的なサービスやIaaS・Paasとの違いを解説

 SaaS(Software as a Service)とは、インターネットを通じてソフトウェアを利用する形態を言う。現在、グループウェアやWeb会議システム、プロジェクト管理ツールなど、さまざまなサービスがSaaSとして利用できる。

 特に、チャットサービスやオンラインストレージサービスなどは、SaaSという用語を知らなくても日常的に使っている人は多いだろう。ビジネスシーンだけでなく、日常生活で利用されている多くのサービスがインターネット経由で提供されており、SaaSはソフトウェアの利用形態として主流になりつつある。

SaaSの基礎知識

 SaaSの概念を理解するにあたっては、まず「クラウド(クラウドコンピューティング)」とは何かを理解しなければならない。SaaSはクラウドサービスの提供形態の一種で、他にもIaaSやPaasなどの形態がある。

  • そもそもクラウドとは何か?

     クラウドという言葉は、すでに一般的に使われるようになっているが、実際のクラウドサービスの利用を通じて、何となく意味を理解している人が多いだろう。クラウドの定義を聞かれて、明確に説明できる人はそれほど多くないのが実態だ。
     クラウドとは簡単に言えば、ユーザ自身がソフトウェアを所持していなくても、インターネット経由で、必要なタイミングで必要な分だけを利用する考え方である。
     語源は諸説あるが、ユーザにとって雲のように掴みどころがないインターネット上のサービスを利用する状態を指して、「クラウド(雲)」と呼ばれるようになったと言われている。
     従来、何らかのソフトウェアを利用する場合、自前のコンピューターにソフトウェアをインストールして利用しなければならなかった。しかし、クラウドの概念が登場してからは、わざわざソフトウェアのパッケージやライセンスを購入せずとも、インターネット経由ですぐに利用できるサービスが続々と登場している。

  • SaaS=Software as a Serviceの略語

     SaaSとは、もともと「Software as a Service」の略語だ。これまでパッケージのソフトウェアとして提供されていたものが、クラウドサービスとして利用できるようになったもので、「サース」あるいは「サーズ」と呼ばれている。
     そして、クラウド上でサービスを提供する事業者は「ASP(Application Service Provider)」と呼ばれ、ユーザはインターネットを通じてASPのサーバにアクセスし、さまざまなアプリケーションを利用している。ブラウザ上で利用できるサービスもあれば、アプリとして提供されているサービスも多い。

  • SaaSの具体例

     SaaSはインターネットを通じて、ASPが提供するサービスを利用する形態であるため、多種多様なサービスがSaaSに含まれることになる。例えば、多くの人が日常的に使用しているGmailやMicrosoft 365(旧称:Office 365)、オンラインストレージの代表格であるDropboxなどもSaaSだ。 他にも、さまざまな企業で導入されている会計ソフトやSFA、CRMなどもSaaSとして提供されており、インターネット環境さえあれば、場所を選ばずに利用できるものが増えている。

     なお、SaaSは「Horizontal SaaS」と「Vertical SaaS」の2つのカテゴリに分類でき、前者は企業の営業やマーケティングのためのサービスを提供するもので、後者は特定の分野に焦点を絞ったサービスを提供するものだ。
     例えば、勤怠管理システムやMAツールなど、業界・業種に関わらず広く利用できるサービスであり、Horizontal SaaSの代表例と言えるだろう。一方、 Vertical SaaSは小売業界や保育業界といった、特定の業界で業務効率化や労働生産性を上げるために導入されるサービスで、業界特化型SaaSとも呼ばれている。

IaaS、PaaSとの違い

 クラウドサービスはSaaSの他に、IaaSやPaaSといった形態もある。

  • IaaSとは?

     IaaS(Infrastructure as a Service)はCPUやメモリ、サーバなどのハードウェアや、ネットワークインフラなどをサービスとして提供する形態で、「イアース」や「アイアース」と呼ばれている。
      アプリやシステムの開発インフラをクラウドサービスとして利用できるもので、Googleの提供している「Google Compute Engine(GCE)」や、Amazon社の「(Amazon EC2)」などが有名だ。いずれも企業がシステム開発をするための基盤として利用できる。

    IaaSに関する詳しい解説はこちら

  • PaaSとは?

     PaaS(Platform as a Service)はシステムの開発領域(プラットフォーム)を提供する形態で、一般的に「パース」と呼ばれている。

     システムの開発に必要なミドルウェアやデータベース管理システムなどをクラウド環境で利用できるもので、「Google App Engine(GAE)」や「Microsoft Azure」などが有名だ。ユーザはシステム開発に必要な環境を自前で整える必要がなく、ソフトウェアの開発に集中できるメリットがある。

SaaSのメリット

SaaSのメリット

 SaaSの概要を説明したところで、メリットを確認しておこう。

 買い切り型のパッケージ型ソフトウェアと比べて、SaaSで提供されるサービスには次のようなメリットがある。

  • スピーディーに導入できる

     導入に手間が掛からず、スピーディーに利用できるのがSaaSの最大のメリットと言える。パッケージ型のようにソフトウェアをパソコンにインストールする必要はなく、ASPと利用契約を結ぶだけで、すぐに利用可能だ。

     面倒な環境設定をする必要もない。アカウントを登録するだけで利用できるものが多いため、ITリテラシーがそれほど高くない人でも使いやすい。

  • 低コストで利用できる

     ソフトウェアを利用するための環境を構築する必要がないため、低コストで利用できることもSaaSのメリットと言える。

     ブラウザ上で利用するかアプリとして利用するため、わざわざサーバを構築する必要はなく、保守・メンテナンスもサービスの提供事業者が担当してくれる。基本的に月額料金のみの負担となるため、費用対効果の算出もしやすいだろう。

  • 場所を選ばない

     パッケージ型のソフトウェアの場合、インストールした端末でしか利用できないが、SaaSの場合はインターネット回線さえあれば、場所を選ばずサービスを利用できる。データもクラウド上に保存されるため、外出先でも必要な情報を閲覧でき、他のユーザと簡単にデータの共有が可能だ。

     万が一、端末が故障してしまった場合でも、データはクラウド環境に保存されているため、端末にデータを保存しておいたり、USBメモリなどの外部記憶装置を利用したり場合に比べて、重要な情報が失われてしまうリスクは圧倒的に低い。

SaaSのデメリット

 一方、SaaSには次のようなデメリットもあるので、導入の際には注意したい。

  • 柔軟なカスタマイズが難しい

     SaaSはASPが提供するサービスを利用する形態のため、ユーザ側が自由にカスタマイズできる範囲は限られる。利用できる機能も契約で決まっているため、機能を拡張したりユーザ数を増やしたりしたい場合、別途契約を結び直さなければならない。

     したがって、導入したいサービスの機能やスペックなどが、自社の環境やニーズに合っているか、事前に必ず確認する必要がある。

※この記事は2022年01月05日時点のものです。

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