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5分で解説!気になるIT用語

2020年05月13日

スマートワーク

第18回 「スマートワーク」

 「スマートワーク」とは、ICT技術などの活用によって多様な働き方を採り入れて、業務効率化と生産性向上を実現する取り組みのことをいう。

 2019年4月から順次施行されている「働き方改革関連法」(正式名称は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」)は、労働者が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を選択できるようになることを目的としているが、スマートワークはまさにその基盤となるものだ。

 2020年4月からは中小企業(※)にも時間外労働の上限規制が適用される(違反すれば罰則を受ける)。単に労働(残業)時間を減らしてこれに対応するのではなく、業務効率化と生産性向上の結果で労働時間を短縮できるようにするためにも、スマートワークの導入が強く求められていくことになるだろう。

 ※働き方改革関連法における中小企業の定義は以下のとおり。①か②のどちらかに当てはまっていると中小企業となる。

①資本金の額または出資金の総額
・小売業/サービス業:5,000万円以下
・卸売業:1億円以下
・それ以外:3億円以下
②常時使用する労働者数
・小売業:50人以下
・サービス業/卸売業:100人以下
・それ以外:300人以下

スマートワーク導入のメリット

 スマートワークには次のようなメリットがある。

  • ①生産性の向上

     例えばテレワークを可能にした場合、自宅でこれを利用する社員は出勤時間を削減することができる。時間を有効活用することができ、通勤のラッシュで受けるストレスもなくなることから労働生産性の向上が大きく期待できる。
     営業で外回りをしている社員の場合でも、いちいち会社に戻って報告メールなどを出したりする必要がなくなり、同様に生産性の向上につながるだろう。

  • ②業務効率化

     例えば社内の会議を行う際、そのたびに外回りをしている社員を会社に集めたり、紙の資料を何百枚と用意したりするのは、労力や費用などさまざまな面で非効率的だ。スマートワークを推進してWeb会議システムやペーパーレスなどを導入することで、効率的な業務が行えるようになる。
     時間外労働の上限規制に触れないためにも、業務効率化による労働時間の短縮は今後の必須課題となるだろう。

  • ③人材確保につながる

     場所などにこだわらない、柔軟で多様な働き方を提示できるようになると、これまでは育児や介護などのために退職せざるを得なかった人材が引き続き働けるようになり、同様の理由で他社を退職していた優秀な人材の確保にもつながる。
     先のテレワークの例で言うと、出勤時間がなくなった分始業時間を早めれば終業時間も早まる。そのため、育児中の女性でも働きやすくなるわけだ。
     自分のライフスタイルに合わせた環境があることで社員のモチベーションは上がり、さらなる生産性の向上や業務効率化、労働時間の短縮、離職率の低下といった好循環が生まれることも十分に期待できる。

導入にあたっての問題

 反面、スマートワークの導入にあたって、企業は次のような問題をクリアする必要がある。

  • ①業務管理の見直し

     社外で働く社員が増えるため、各社員の労働時間の管理や、業務の進捗状況の管理が難しくなる。これをきちんとできないと、他人の目がないことを悪用した勤務時間のごまかしや、進捗の把握不足によるスケジュールの遅れなどが発生しかねない。
     ルールをしっかりと整備した上で、勤怠管理ツールやチャットツールなどを利用していく必要があるだろう。
     同様に、社員の評価制度も見直さなければならない場合がある。社外で働く社員の勤務態度などは見えにくくなってしまうため、社内で働く社員との不公平が起きないようにしなければならない。

  • ②セキュリティの管理

     社外での作業が可能になるということは、情報を外部に持ち出されやすくなったり、盗難・ウイルスなどの被害を受けたりする可能性が高まるということである。逆に、悪意を持った人物が会社の外から社員になりすましてアクセスしてくる可能性も考えられる。
     これまでは社内のシステム構築や、外部への持ち出しルールの策定といった、会社の「中」のセキュリティ環境を高めることが重要だったが、スマートワーク導入後は会社の「外」でのセキュリティ環境も重要になる。社外で使われるPCの管理(セキュリティソフト導入など)、社員への教育などを徹底したい。
     また、なりすましには生体認証などを使った二段階認証が有効だろう。

  • ③費用対効果の見極め

     例えばテレワークの導入にはノートPCやインターネット接続機器、各種業務ツール購入などの費用がかかり、同様にセキュリティの強化にはセキュリティソフト購入などの費用がかかる。単に何でもかんでも導入するのではなく、費用対効果を見極めながら必要なものを導入するようにしたい。

スマートワークの取り組み例

取り組み例

 それでは、スマートワークを実現するための取り組みの例を最後に紹介しよう。

  • ①テレワーク

     ここまで度々取り上げてきたように、代表的な取り組みとなるのが「テレワーク」だ。一般社団法人「日本テレワーク協会」は、テレワークを「情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」と定義している。
     「リモートワーク」という言葉もあるが、ほぼ同じ意味と考えていい。
     日本国内でのコロナウイルス感染の広がり(2020年3月時点)を受け、その対策として総務省、厚生労働省、経済産業省などが各企業にテレワークの導入・実施を呼びかけているが、本来は労働者に多様で柔軟な働き方を提供するものである。
     テレワークは、自宅で業務を行う「在宅勤務」、移動中や外出先で業務を行う「モバイルワーク」、会社の拠点(本社・支社など)から離れた場所にあるオフィスで業務を行う「サテライトオフィス勤務」と、働く場所によって3つに分けられる。
     前述のとおり、「育児や介護で出社できない」「定時まで働けない」という人材の確保や、移動時間の削減による生産性の向上・業務効率化という効果が期待できる。

  • ②Web会議

     離れた場所から会議に参加できるWeb会議システムも一般的になりつつある。例えば営業で外回りをしている社員や、支社にいる社員を本社に集めるとすると、その社員らには移動時間などの労力がかかり、会社としても交通費などのコストが生まれる。
     Web会議システムを導入すれば、そうした時間やコストを削減できるため、業務効率化・生産性向上が大きく期待できる。特にテレワークを導入するのならWeb会議の導入も必須となるだろう。
     また、会議に参加する人数が多いと紙の資料を用意する労力とコストは大変なものとなる上、遠隔地の社員もそれぞれ個別に資料を印刷して会議に臨まなければならないため、合わせてペーパーレスのシステムを組み込むことも非常に有効だ。

  • ③フレックスタイム制

     制度自体は1980年代から存在するが、これもスマートワークの取り組みのひとつとなる。育児や介護がある社員などに対して、効率的に働く環境を用意するためには必須のものと言えるだろう。
     また、近年政府が推奨しているのが、夏の朝早くに始業し、(まだ明るい)夕方に仕事を終わらせて、そのあとは家族や友人との時間を楽しむことで生活を豊かにしようという生活スタイル変革――通称「ゆう活」だ。
     現状では一般企業への浸透がほとんどなく失敗と批判されがちだが、多様な働き方のひとつとしては参考になるだろう。

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この記事は2020年05月13日時点のものです。

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