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知っておきたい「働き方改革」

2020年06月16日

第16回時差出勤に生産性向上なと゛の効果はある?混雑を避けるために出勤は何時にするべき?

時差出勤

 この数年、働き方改革の取り組みの一環として、出勤時間や退勤時間の取り決めを独自に工夫する企業が多くなりました。そうした取り組みの一つに、時差出勤というものがあります。しかし、この時差出勤は、フレックスタイムなどとの区別が曖昧になりやすいため、労使間双方で仕組みをしっかり理解したうえで導入することが大切です。

 時差出勤とはなにか、そしてそれを取り入れる際のメリットや注意点について、見ていくことにしましょう。

時差出勤とは?期待できる効果を解説

 時差出勤とは、就業規則などであらかじめ企業が定めた1日の労働時間のなかで、スタッフが各自で出勤・退勤の時間を自由に決められる仕組みをいいます。

 例えば、1日の労働時間が8時間で、お昼に1時間の休憩が認められている職場の場合、午前9時に出社するなら退勤は午後6時、午前10時に出社するなら退勤は午後7時といったかたちになります。

・時差出勤とフレックスタイムはどう違う?

 時差出勤は一見フレックスタイムとよく似ていますが、両者は似て非なる仕組みです。

 フレックスタイムは、1日の出勤時間や退勤時間が選択可能であるだけでなく、その日の合計労働時間そのものを柔軟に調整することを可能にする仕組みです。

 例えば、1週間につき40時間が所定労働時間、あるいは、1ヵ月につき160時間が所定労働時間、というように労働時間の枠を定め、その範囲内で労働時間を調整できるようにします。これによって、ある日は6時間勤務で退社、別の日は9時間勤務で退社するといったように、日々の労働時間を調整することができます。

 ただ、フレックスタイムでも必ず就業していなければならない時間帯(コアタイム)が定められているケースは多くあります。そのため、時差出勤とフレックスタイムは一見するとよく似た仕組みに見えてしまいがちです。

 しかし、あくまで基本的な考え方としては、出勤時間と退勤時間の調整だけが可能なのが時差出勤で、その日に何時間働くかの調整を可能とするのがフレックスタイムなのだと理解しましょう。

・時差出勤を導入する目的・メリットとは

 時差出勤は、電車などの公共の交通機関における通勤時や退勤時のラッシュへの対策として、積極的に導入されてきた経緯があります。

時差出勤メリットと

 労働者が電車等の通勤ラッシュを回避しやすくなることにより、労働者側には

  • ・通勤にかかるストレスの軽減
  • ・通勤ラッシュ回避に伴う、働きやすさの向上
といったメリットがあります。また、経営者側においては、
  • ・通通勤の負荷が軽減されることによる生産性の向上
  • ・働きやすさが高まることによる、エンゲージメントの向上や離職率の減少

といったメリットが期待できるでしょう。

具体的な時差出勤の時間とは

 では具体的に、時差出勤の時間はどのようにして決定していくのが良いのでしょうか。時差出勤を導入する前には、まず以下の点を検討しておきましょう。

・会社の最寄り駅・路線などの事情を踏まえて決める

 時差出勤のメリットは、通勤の負荷を軽くすることが可能となる点です。そのため、実際に導入する際には、職場の最寄り駅と、その路線の混雑状況などを踏まえて決めていくことで、施策の効果を高めることができます。

 一般的に朝の通勤ラッシュは、午前7時30分から午前9時前後の時間帯と考えられますが、会社の所在地や路線によっても事情は若干異なるため、こうした地域ごとの特性も考慮することが大切です。

時差出勤の時間

・時間幅を大きくとればとるほど、時差出勤のメリットは大きくなる

 朝の通勤ラッシュを避け、働きやすさを向上させられるという時差出勤のメリットを大きくするには、出勤・退勤時間の選択の幅をできるだけ大きくとることが有効です。

 特に大都市圏では、出勤・退勤時間の前後1時間程度の幅をもたせるだけでは、満員電車は避けられないでしょう。この場合、数時間程度の思い切って幅をもたせることで、はじめて施策の効果が発揮されることが考えられます。

 とはいえ、時差出勤の導入にも一定のデメリットがあるため、最終的には各職場の状況を踏まえて決めていく必要があるといえるでしょう。

時差出勤を取り入れる際のポイントと注意点

 時差出勤を導入する際は、あらかじめ以下のような点に注意しておきましょう。

・勤怠管理の負担が増す

 働く時間に融通がきかせやすくなることは、労働者側にとっては働きやすさを向上させる要因となります。しかし反対に労働者を管理するマネージャー・経営者などの立場の人にとっては、かえって仕事を増やし、負担を増大させてしまう場合があります。

 例えば、定時が午前9時から午後6時までなどのように一律で決まっていれば、遅刻時間や早退時間の把握はそう難しくはありません。しかし、時差出勤などによりルールが複雑になっていくと、勤怠の管理も大変になっていく傾向があります。

 こうしたことへの対策としては、まずルールを明確にし、労使間で認識をすり合わせ、そのうえで、ITツールなどを用いて管理業務を簡素化しておくことが有効です。

・給与計算を確実にやり切れる体制の整備も大切

 勤怠管理は給与計算の実務とも密接なかかわりがあります。したがって、時差出勤を取り入れる場合には、時間外労働の割増賃金の計算などを含め、給与計算の実務が確実に回る体制を整備しておくことも大切です。こうすることにより、労使間でトラブルや紛争が起きるリスクを小さくすることができます。

おわりに

 時差出勤の導入には、労働者の自由を尊重できるというメリットがあります。しかし、企業側においては、時差出勤に関するルールの策定や、勤怠などの管理業務の見直しや改善の必要も出てきます。時差出勤を導入する際には、ITツール等も適宜活用し、業務の効率化・システム化をあわせて進めていくことが重要といえるでしょう

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