フィールディングEyeNECフィールディングがお届けする百花繚乱のコラム集

知っておきたい「働き方改革」

2020年04月28日

第13回デジタルトランスフォーメーションとは?経済産業省はなぜDXを推進する?

DXとは

 近年AIなどのテクノロジーに象徴されるように、IT技術を有効に活用することが、企業の競争力向上にも必要となってきています。そうしたなか現在、経済産業省が主体となって、企業のIT技術の活用法を見直す動きが高まっています。こうした社会の変化に適応できるか否かは今後、企業の資産価値にも大きく影響してくる可能性があるでしょう。

 中央官庁である経済産業省がこうした取り組みに力を入れる背景には、なにがあるのでしょうか。本記事では、デジタルトランスフォーメーション(DX)という、IT技術をめぐる新たなトレンドを踏まえ、それを経済産業省が推進する理由などについて解説します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

 デジタルトランスフォーメーションとは、デジタルによって生活をより良いものへと変化させることで、既存の物事の枠組みをデジタル化させていくイノベーションだと定義することができます。

 こうした抽象的な定義のみでは若干わかりづらいかもしれません。しかし、ビジネスの世界でアナログな「モノ」がデジタルな「データ」へと置き換わっていく流れは多くの人が実感しているはずです。例えば、紙に手書きしていた書類がパソコン入力のみで完結するようになったり、いままで口頭でやりとりしていたものがチャットアプリに置き換わったりする変化です。

 このように、行っていることの意味や目的が同じでありながらも、その手段がアナログからデジタルに変化していく流れこそがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

 クラウドサービスの普及に伴い、近年ではデジタルデータによる情報管理が一層容易になってきました。これにより、リモートワークを行いやすくしたり、人間の手がかからない効率的なビジネスプロセスを設計したり、あるいは災害などに強い職場環境づくりを進めることも、一層容易になってきました。また同時に、こうしたトレンドに乗り遅れないことが、企業の競争力を向上させるためにも重要になってきているのです。

経済産業省はなぜデジタルトランスフォーメーション(DX)を推奨している?

デジタルトランスフォーメーション

 経済産業省は現在、デジタルトランスフォーメーション(DX)を、積極的に進めていこうとしています。その主な理由としては、現在多くの日本企業で、老朽化したITシステムが依然として使い続けられており、それによって発生するコストが経済界全体の問題となっているからです。

 古くなったITシステムは、「レガシーシステム」と呼ばれることもあります。レガシーシステムは、マシンの性能の進歩から取り残され、非効率にもかかわらず活用され続けることにより、長期間にわたって運用・保守にかかるコストを発生させます。

 特に、2025年には長年稼働しているレガシーシステムが、全体の6割を占める予想となっています。それによるシステムサポートの終了や、IT人材の引退などによるリスク増加すると、最大で1年に12兆円の経済損失が出ると経済産業省がDXレポートを発表しています(「2025年の壁」)。

 たしかに、大量のデータを管理する大規模システムについて、それを撤廃し、新たなシステムへと移行するのは、決して簡単なことではありません。しかしこうした経営判断が先延ばしになることにより、新たな技術を取り入れるための投資が遅れ、古い技術を使い続けるためのコストが増大することが、経済界全体でも無視できないほど大きな問題となってきたのです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の進め方

 デジタル技術により、リアルとデジタルチャネルの融合を段階的に進めていくことがデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現につながります。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)がどれほど進んでいるかを評価するための指標や項目は、すでに経済産業省によって詳細に示されています。そのため、今後は経済産業省が示す項目に基づき、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進み方が企業価値にも影響を及ぼすことが考えられます。IT技術の活用状況次第で企業の社会的な信用度も変化し、金融機関から融資を受けやすくなったり、投資家からの出資を集めやすくなったりすることも考えられます。

デジタルトランスフォーメーション

 経済産業省が示す指標・項目は多岐にわたります。しかし、これらの向上にむけて特に重要なのは、経営陣のIT技術に対するコミットが大切だということでしょう。

 IT技術を扱う部門では特に、マネージャー・経営者が業務の内容を把握することが困難になりがちです。そのため、業務のブラックボックス化も起こりやすい傾向があります。こうした状況では、現場レベルでの技術部門の動きと、会社全体の戦略やビジョンに齟齬が生じやすくなりがちです。

 経営陣のIT技術に対する知見を養うことや、自社の経営目標や戦略を深く理解する技術者を育成するなど、技術部門のあり方をより効率的なものに改善していくことが、指標の向上にもつながるといえるでしょう。

おわりに

 NECフィールディングもまた、デジタルトランスフォーメーション(DX) に積極的に取り組んでいます。効率的に情報共有が行えるITシステムを活用している点はもちろんのこと、GPSを用いた社員の位置情報の取得、保守作業の効率化のためのスマートグラスの活用など、デジタルデータを用いた業務改善の取り組みを進めています。

 これらは決してテクノロジーのために導入されたテクノロジーではなく、お客様により多くのメリットを還元していくために導入されたものです。立ち返るべき目的や目標を見失うことなく、首尾一貫して実務を改善していくことこそが、デジタルトランスフォーメーション(DX)にも求められるのではないでしょうか。

関連情報

働き方改革デジタルトランスフォーメーション(DX)

コラム「フィールディングEye」へ戻る