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知っておきたい「働き方改革」

2019年12月11日

第6回働き方改革によってパートスタッフにもボーナス支給?同一労働同一賃金について

同一労働同一賃金

 働き方改革関連法案において「同一賃金同一労働」がすべての企業に求められることが決まりましたが、その概要についてしっかりと理解していますでしょうか?

 このページでは、パートタイム労働者にもボーナスを支払う必要があるのかといった働き方改革による同一労働同一賃金の概要について紹介します。

同一労働同一賃金とは

 まずは同一労働同一賃金がどのような制度なのかについて解説していきます。
 同一労働同一賃金は正社員と非正社員との金銭面による不合理な待遇格差を無くすために、雇用形態に関係なく同一の労働をしている労働者には同一の賃金を支払うべきという考え方によって生まれた制度のことです。
 日々の業務内容や責任、負担が異なる場合においては賃金に差がある場合は同一労働同一賃金においても社会通念においても問題ありませんが、それらに差がないにもかかわらず、正社員・非正社員との違いだけで賃金が異なるのは合理的ではありません。

 しかしこれまでは、雇用形態の違いのみで賃金の異なる企業が多くあったため、働き方改革関連法案の1つである「パートタイム労働法(パートタイム・有期雇用労働法)」によって同一労働同一賃金をすべての企業で求められることとなりました。
 同一労働同一賃金は大企業で2020年4月、中小企業では2021年の4月から施行されることになっています。
 ここでの中小企業の定義は、資本金もしくは出資総額が3億円以下である事業で、常時使用する従業員数が300人以下の企業とされています。

 同一労働同一賃金の制度に違反していたとしても罰則の規定はありませんが、今後減少していく労働力を確保し会社を存続していくためには、非正社員(パートタイム労働者)の待遇改善、もしくは正社員雇用を進めていくことが企業に求められています。

同一労働同一賃金はパートタイマーのボーナスも適応内?

 同一労働同一賃金では毎月の給与が多く語られますが、労働者としては大きな格差である「ボーナス(賞与)」についても同一労働同一賃金に含まれるのでしょうか。

同一労働同一賃金ガイドライン

 厚生労働省が公開している「同一労働同一賃金ガイドライン」では以下のようにボーナスについて記載されています。

賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。 また、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。

厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html

 このガイドラインをわかりやすくすると、給与と同じく労働内容が同一で責任や権限なども同一であれば、同一労働同一賃金においてはボーナスに関しても支払う必要がある。労働内容が異なる場合においてもその高見に応じてボーナスを支給するべきという内容になっています。

 ガイドラインによれば「非正社員(パートタイム労働者)にもボーナスは支給すべき」といえます。

 しかし、過去の裁判では正社員と非正社員によるボーナスの格差について違法ではないとの判例が多くあります。
 違法ではないと判断される理由としては長期間の労働を前提とした正社員と、短期間での契約で更新をしていく非正社員ではボーナスの支給に格差があることは合理的であるとの判断に基づきます。
 ただし、これらの判例はいずれも同一労働同一賃金制度の施行前の裁判になりますので、今後の司法判断がどのようになっていくのかはわかりません。

企業が同一労働同一賃金に向けて対応すべきポイント

 罰則が定められていないとはいえ、法律によって対応が求められている同一労働同一賃金ですので、企業は同一賃金に向けて動かなければいけません。その際に企業が同一賃金以外にも対応すべきポイントがあります。

中小企業働き方改革事例

 まずは労働者の賃金に関する明確な規定を設けましょう。規定を設けることで労働者の不合理な賃金格差が生まれるのを未然に防ぐことが可能になります
 また、その規定に基づき不合理な賃金格差が現在発生していないかを社内で精査し、規定によって賃金差が生まれているのであればその旨を非正社員であるパートタイム労働者に説明する、説明を求められた際に正しい説明ができるように準備しておきましょう。

 また、同一労働同一賃金制度が施行される2020年(2021年)4月までに対応することになりますが、同一賃金を叶えるにはそれだけの原資も費用ですので、同一労働同一賃金への対応はなるべく早くおこなうべきといえます。

おわりに

 働き方改革は、減少していく労働力を確保するために政府の主導で始まり、正社員の労働環境ばかりに注目されてしまいがちですが、非正社員にも目を向けることが労働力の確保に繋がります。
 大企業では2020年、中小企業では2021年4月から施行される同一労働同一賃金ですが、なるべく早く企業は対応し労働力を確保しましょう。

働き方改革

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