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知っておきたい「働き方改革」

2019年11月21日

第5回働き方改革における副業の役割とは?解禁のタイミングと副業禁止について

働き方改革副業の役割

 働き方改革副業の役割の施行により残業時間や有給休暇の取得義務などが注目されていますが、働き方改革で政府が副業を推奨している理由についてはご存知でしょうか?

 今回は働き方における副業の役割や解禁のタイミング、企業での副業禁止について紹介います。

 副業を解禁することにより労働者・企業にとってもメリットはありますが、同時に注意すべきポイントも発生しますので、しっかりと対策したうえで副業を解禁しましょう。

働き方改革による副業の解禁いつから始まる?副業の禁止についても解説

 働き方改革による副業が解禁されるタイミングについてですが、厚生労働省では2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表しており、すでに副業の解禁は始まっています。このことから2018年は副業解禁元年とも言われています。その流れを受け、中小企業だけではなく多くの大手企業においても副業を解禁しています。

 これまで、情報漏えいや労働者の長時間労働を防止するなどの理由で副業を禁止している企業は多くありましたが、本来は副業を企業が禁止することを憲法では禁止しています。終業後や休日の余暇は自由に利用できることが職業選択の自由ですので、会社の就業規則によって禁止されていたとしても、その禁止に法的拘束力は発生しません。

 ただし、外部への信用をなくした場合や同業他社で働くなど、副業によって本業に支障をきたした際には、就業規則による懲罰が裁判によって認められたケースもあります。
 また、公務員は国家公務員法によって副業が原則禁止されていますので、副業を希望する際は上司に許可を取るなどをしなければいけません。

企業が副業を解禁することによるメリット

働き方改革副業の役割施行

 では企業が副業を解禁することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。

 まず挙げられるのが副業を希望する労働者の労働満足度向上です。労働者が副業を希望する一般的な理由は「金銭的理由」と「スキルアップ・新しいスキルの取得」ですので、それらを満たすことができれば企業がこれまで充実させることのできなかった領域の満足度を向上させることができます。また、労働者のスキルアップによって本業の効率化、不満を持っていた労働者の流出防止、新たな事業の展開・拡大なども期待できます。

 そのほかには、「働き方改革をおこなっている」という自社のブランディング、および外部へのアピールになりますので、ワークライフバランスを重要視する労働希望者を集めることも可能です。また、副業が日本全体で一般的になると自社にはないスキルを持った人材を取り込むこともできますので、日本全体で見ても副業は大きなメリットといえます。

 労働者が副業によって20万円を超える所得を得た場合は確定申告をおこなう必要がありますので、会社として税務のサポートをすると、さらに労働者満足度が向上します。

働き方改革で副業を解禁する際の注意点

働き方改革で副業を解禁する際の注意点

 働き方改革で副業を解禁することによるいくつかのメリットを紹介しましたが、企業が意識すべき注意点やポイントもあります。
 厚生労働省が作成した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業を解禁するにあたり以下点に留意すべきとしています。

 必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義 務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要である。

厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdf

 具体的には、副業によって金銭的利益を得ようと考えるあまり、本業の顧客情報を利用して営業をおこなうケースや、顧客情報を売買するケースが考えられます。これは本業に大きく関わる領域のため厳格に処罰することになりますが、こういった事態を防ぐために副業を解禁する前に就労規則をしっかりと作り込む必要があります。

 また、怪我や事故に遭った際に労働災害の範囲なのか、副業中の範囲になるのか企業と労働者でトラブルが起きてしまうケースも考えられます。

 こうしたトラブルを防ぐためにも副業は事前申請による許可制にするなどの規則を作成し、申請内容を精査したうえで必要に応じて希望者にヒアリングをおこない、副業を認める範囲を書面にて残すなどの対応を取ることを推奨します。

おわりに

 働き方改革によって企業が副業を解禁することによって労働者の満足度を向上させ、外部へのアピールなど多くのメリットがあります。
 ただし、就業規則を作成せず副業を解禁してしまうと、思わぬトラブルによって企業に大きな影響を与えてしまうことあることについても理解しておきましょう。
 副業解禁を積極的に進めるのは、日本全体での問題を解決する一つのステップですが、これまで禁止していた企業が解禁する場合は就業規則や副業の内容をしっかりと精査することをおすすめします。  

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