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SDGs解説

2021年12月21日

第5回SDGsの目標12,13,14とは|生産消費形態、気候変動、海洋・海洋資源の保全における国際目標

SDGsの目標12・13・14とは

 「SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goals)」は、日本語で「持続可能な開発目標」といい、持続可能なより良い社会の実現を目指す世界共通の目標である。

 SDGsは、2015年9月の国連サミットにおいて加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられた。

 SDGsには「誰ひとり取り残さない」世界を実現する理念のもと、地球規模で統合的に取り組む17の目標(ゴール)と、その下に169のターゲット、232の指標が2030年を達成年度として定められている。

 SDGsについて解説する記事の第5回となるこの記事では、目標12・13・14について解説する。

  • 目標12:
    持続可能な生産消費形態を確保する
  • 目標13:
    気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  • 目標14:
    持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

目標12:つくる責任、つかう責任

 SDGsの目標12は「つくる責任、つかう責任」というもの。総務省がまとめた訳文によると「持続可能な消費生産形態を確保する」目標である。

 世界は持続不可能な形で天然資源を利用し続けている。マテリアルフットプリント(資源の採掘量)は、2010年に732億トンだったものが、2017年には859億トンに増加した。

 現在開発途上国を中心に世界の人口の7割を占めるともいわれる低所得者層(Base of the Economic Pyramid:BOP)は、途上国の経済成長に伴って将来的には多くが中間所得層になり、2050年までには全世界人口の85%を占めるまでに増加すると予測されている。

 生活が豊かになる点は他の目標と合致するが、一方で資源の消費は増加する。このままの生活を続けるには、地球と同じ惑星3つ分になるほどの資源が必要だという。消費と生産の行動パターンを変えなければ、地球環境に取り返しのつかない損害を与えてしまうのである。

 持続可能な消費と生産のしくみを強化するため、企業は製品のライフサイクルと消費のライフスタイルが環境と経済に及ぼす影響を理解した上で商品やサービスを開発していく必要がある。加えて、一般消費者による、持続可能なオプションのついた商品・サービスの購入やゴミの削減、リサイクルへの協力が求められる。

 目標12のターゲットは次のとおりとなっている。

  • 12.1:
    開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、すべての国々が対策を講じる。
  • 12.2:
    2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
  • 12.3:
    2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。
  • 12.4:
    2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
  • 12.5:
    2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
  • 12.6:
    特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
  • 12.7:
    国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
  • 12.8:
    2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。
  • 12.a:
    開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
  • 12.b:
    雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
  • 12.c:
    開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。

目標13:気候変動に具体的な対策を

目標4:質の高い教育をみんなに

 SDGsの目標13は「気候変動に具体的な対策を」というもの。総務省がまとめた訳文によると「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」目標である。

 人間の活動に起因する地球温暖化現象は気候変動を起こし、我々の生活を脅かしている。このまま気候変動を放置すれば、食糧不足や水不足、海面上昇、高潮、暴風や豪雨による災害、熱中症、伝染病の蔓延、陸上・海洋の酸性化と温度上昇による生態系の損失など、社会のあらゆる基盤へ影響を及ぼす。

 気候変動を引き起こす大きな要因は、温室効果ガスの排出量の増加である。産業、輸送、農林業など経済のしくみを温室効果の削減につながるよう変革するとともに、今後の気候変動に対する影響を予測しつつ、的確な対応力とレジリエンス(しなやかに回復する強靭性)を高めていく必要がある。

 温暖化防止対策は世界共通の長期目標が定められている。2015年に開催された気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」で、2020年以降、産業革命前の1880年と比べて平均気温上昇を2℃より十分低く抑え、1.5℃以下を努力目標に追求するとし、「脱炭素化」を目指している。

 温室効果ガスの排出量を防ぐ対策は、目標7に掲げる再生可能エネルギーをはじめ、さまざまな目標との連携が必要である。

 目標13のターゲットは次のとおり。

  • 13.1:
    すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。
  • 13.2:
    気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
  • 13.3:
    気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
  • 13.a:
    重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。
  • 13.b:
    後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。

目標14:海の豊かさを守ろう

 SDGsの目標14は「海の豊かさを守ろう」というもの。総務省がまとめた訳文によると「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」目標である。

 海は、食糧となる海産物の他、医薬品やバイオ燃料など、生活基盤として重要な天然資源を数多く提供している。また、廃棄物や汚染物質の分解・排除、二酸化炭素の吸収による気候変動の緩和にも役立っている。

 世界の漁業資源は30%が乱獲され、持続可能な漁獲を維持できる水準を大きく下回る。世界自然保護基金(WWF)によると、1970年から2010年までの40年間でマグロやサバなどが74%減少、サンゴ礁や海草藻場に生息する魚類が34~70%減少と、半数以下になったという。

 海洋汚染も深刻である。近年問題視されているのがプラスチックの流出だ。2016年に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)では、今後対策を講じなかった場合、2050年までに海洋中に漂流するプラスチックの量は重量ベースで魚の量を上回ると試算された。

 生物多様性を確保し、水産業にとって持続可能な未来とするためには、海洋に由来する商品の消費を海洋環境に配慮したものにするとともに、プラスチックの利用を最低限に押さえ、適切な再利用・再生により漂流ゴミを削減するしくみの強化が重要となる。

 目標14のターゲットは次のとおりとなっている。

  • 14.1:
    2025年までに、海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
  • 14.2:
    2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
  • 14.3:
    あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。
  • 14.4:
    水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
  • 14.5:
    2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
  • 14.6:
    開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。
  • 14.7:
    2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
  • 14.a:
    海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
  • 14.b:
    小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
  • 14.c:
    「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。

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