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SDGs解説

2021年12月2日

第3回SDGsの目標6,7,8とは|安全な水、クリーンエネルギー、働きがいと経済成長における国際目標

目標6・7・8について

 「SDGs(エスディージーズ)」とは、Sustainable Development Goalsの略で、2015年9月に国連で開かれた「国連持続可能な開発サミット」にて採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載される国際目標のことである。

 日本語では「持続可能な開発目標」という。

 SDGsは2030年までに達成する17の目標と、その具体目標となる169のターゲットから構成され、「誰一人取り残さない世界」の実現を目指している。

 SDGsについての第3回となるこの記事では、目標6・7・8について解説する。

  • 目標6:
    すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
  • 目標7:
    すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
  • 目標8:
    包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

目標6:安全な水とトイレを世界中に

 SDGsの目標6つ目は「安全な水とトイレを世界中に」というもの。

 農林水産省はこれを「飲料水、衛生施設、衛生状態を確保するだけではなく、水源の質と持続可能性をめざすもの」としている。

 水は人間が生きていくうえで絶対に必要なものであり、またそれが細菌や有害物質に汚染されていないことは極めて重要となる。

 ユニセフによると2017年時点で22億人が安全に管理された飲み水を使用できず、42億人が安全に管理された衛生施設(トイレ)を使用できないという。これは免疫力が低い子供にとって特に深刻な問題で、汚染水を使うことによる下痢などで年間30万人の乳幼児が命を落としている。

 加えて、人口増や気象の変化で今後水不足の問題もますます大きくなっていくと見られており、これら水に関する問題は人類全体で取り組んでいかなければならない。

 日本は水道水をそのまま飲めるほどの環境が整っており、トイレも清潔に利用することができる。また水の供給も基本的に安定しているが、そうした国は世界で数えるほどしかなく、その技術などを生かした他国への協力・支援が求められる。

 目標6のターゲットは次のとおりとなっている。

  • 6.1:
    2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。
  • 6.2:
    2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
  • 6.3:
    2030年までに、汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物や物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加により、水質を改善する。
  • 6.4:
    2030年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
  • 6.5:
    2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。
  • 6.6:
    2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。
  • 6.a:
    2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術など、開発途上国における水と衛生分野での活動や計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。
  • 6.b:
    水と衛生に関わる分野の管理向上への地域コミュニティの参加を支援・強化する。

目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

 SDGsの目標7つ目は「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」というもの。

 農林水産省はこれを「国際協力の強化や、クリーンエネルギーに関するインフラと技術の拡大などを通じ、エネルギーへのアクセス拡大と、再生可能エネルギーの使用増大を推進しようとするもの」としている。

 現代的な生活を送る上で電気やガスといったエネルギーは欠かせないものだが、国連広報センターによると、世界では電気を利用できない人が8億4000万人いるという。

 また、一言でエネルギーと言っても、現在主に使われているのは石油、石炭、天然ガスといった化石燃料である。これらはいずれなくなってしまう有限の資源であるうえ、燃やす際に二酸化炭素が発生するため地球温暖化の問題も引き起こしてしまっている。

 そこで注目されているのが、二酸化炭素を排出せず、資源としてもほぼ無限に近い太陽光や風力といったクリーンエネルギー(再生可能エネルギー)だ。

 エネルギー消費量におけるクリーンエネルギーの割合を上げ、かつそれを安価で安定的に供給できるようにすることが、人類の持続的な発展のために必要となる。

 特に日本は化石燃料のほぼ全量を輸入に頼っているため、将来に備えた対策が急務と言えるだろう。

目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

 目標7のターゲットは次のとおりとなっている。

  • 7.1:
    2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
  • 7.2:
    2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
  • 7.3:
    2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
  • 7.a:
    2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
  • 7.b:
    2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

目標8:働きがいも 経済成長も

 SDGsの目標8つ目は「働きがいも 経済成長も」というもの。

 農林水産省はこれを、「すべての人々に生産的な完全雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を提供しつつ、強制労働や人身取引、児童労働を根絶すること」としている。

 労働というのは人間が豊かで充実した生活を送るために必要なものであり、それが社会全体の発展につながっていくのだが、現実には(質の違いはあるけれど)途上国・先進国問わず様々な問題が存在する。

 例えば「不当に安い賃金で働かされる」「児童が労働を強制される」「過度の長時間労働を強いられる」「男女の収入格差が非常に大きい」といったもので、そもそも失業率が高く若者が職に就くことができないというケースもある。こうした違法、不平等な状況が続くと人々の労働意欲と生産性は下がり、経済成長が阻害される。

 日本の場合であれば、いわゆる「ブラック企業」に代表される長時間労働やサービス残業の強制、正規雇用と非正規雇用の収入格差といった問題が挙げられるだろう。現在政府が推進している「働き方改革」はそれらへの対策として効果が期待されている。

 目標8のターゲットは次のとおり。

  • 8.1:
    各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。
  • 8.2:
    高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
  • 8.3:
    生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。
  • 8.4:
    2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
  • 8.5:
    2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
  • 8.6:
    2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
  • 8.7:
    強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。
  • 8.8:
    移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
  • 8.9:
    2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
  • 8.10:
    国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。
  • 8.a:
    後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。
  • 8.b:
    2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。

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