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SDGs解説

2021年11月10日

第2回SDGsの目標3,4,5とは|健康と福祉、教育、ジェンダー平等の問題と解決への国際目標

DGsの目標3,4,5とは

 「SDGs(エスディージーズ)」とは、Sustainable Development Goalsの略で、2015年9月に国連で開かれた「国連持続可能な開発サミット」にて採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載される国際目標のことである。

 日本語では「持続可能な開発目標」という。

 SDGsは2030年までに達成する17の目標と、その具体目標となる169のターゲットから構成され、「誰一人取り残さない世界」の実現を目指している。

 SDGsについての第2回となるこの記事では、目標3・4・5について解説する。

  • 目標3:
    あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
  • 目標4:
    すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  • 目標5:
    ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

目標3:すべての人に健康と福祉を

 SDGsの目標3つ目は「すべての人に健康と福祉を」というもの。

 農林水産省はこれを「母子保健を増進し、主要な感染症の流行に終止符を打ち、非感染性疾患と環境要因による疾患を減らすことを含めて、あらゆる年齢のすべての人々の健康と福祉を確保すること」としている。

 ユニセフによると、5歳までに命を失う子供は年間560万人にも及ぶという。また、医療設備が十分でない途上国では、女性が妊娠や出産で命を失うケースも多い。

 こうした状況を改善するためには、子供への予防接種を十分に行うことや、感染症予防のための教育、福祉制度の整備などが必要になるだろう。

 日本は世界トップクラスの医療保険制度がある国のため、上記の点においては問題ないものの、逆に少子高齢化という大きな問題がある。働き手が減少し、病院にかかる高齢者が増え続ければこの医療保険制度が崩壊しかねない。

 そうならないために、誰もが肉体的・精神的に健康でい続けられる社会づくりが求められる。

 目標3のターゲットは次のとおりとなっている。

  • 3.1:
    2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
  • 3.2:
    すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
  • 3.3:
    2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
  • 3.4:
    2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
  • 3.5:
    薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
  • 3.6:
    2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
  • 3.7:
    2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
  • 3.8:
    すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
  • 3.9:
    2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
  • 3.a:
    すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
  • 3.b:
    主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
  • 3.c:
    開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
  • 3.d:
    すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。

目標4:質の高い教育をみんなに

目標4:質の高い教育をみんなに

 SDGsの目標4つ目は「質の高い教育をみんなに」というもの。農林水産省はこれを「すべての子供が平等に質の高い教育を受けられるようにすること、高等教育にアクセスできること」としている。

 教育というのはあらゆる物事のベースになるものと言える。例えば教育を受けておらず文字の読み書きができないとすると、就ける職業が極端に狭まり、貧困状態からの脱出も難しくなってしまう。

 目標3の例で言えば、感染症についての知識がないと罹患リスクは大きく高まる。ユニセフによると、2018年時点で小学校に通えない子供が約5900万人いるという。

 また、次の目標5にも関わることだが、社会的慣習や貧困、宗教上の理由などで女性が教育を受けられないという男女格差の問題もあり、この格差は高等教育になるほど大きくなっている。

 日本の場合、すべての子供が9年間の義務教育を受けられるため、基本的な部分での問題はないと言っていいが、学校のICT化の地域格差や、(年々改善はしているが)大学進学率の男女差といった課題は存在する。そうしたものを解決しつつ、他国への支援・協力も行っていくことが求められる。

 目標4のターゲットは次のとおりとなっている。

  • 4.1:
    2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
  • 4.2:
    2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達支援、ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
  • 4.3:
    2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
  • 4.4:
    2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
  • 4.5:
    2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
  • 4.6:
    2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
  • 4.7:
    2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
  • 4.a:
    子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
  • 4.b:
    2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
  • 4.c:
    2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。

目標5:ジェンダー平等を実現しよう

 SDGsの目標5つ目は「ジェンダー平等を実現しよう」というもの。

 農林水産省はこれを、「女性が潜在能力を十分に発揮して活躍できるようにするため、教育や訓練の充実はもとより、有害な慣行を含め、女性と女児に対するあらゆる形態の差別と暴力をなくすこと」としている。

 途上国の一部では、女性であることを理由に教育を受けられない、10代前半という年齢で結婚を強制させられる、外で仕事をすることを許されない、といった深刻な差別がある。

 また先進国においても、収入や社会進出などの面で明確なジェンダー格差が存在するというケースは多く、すべての国が取り組まなければならない問題となっている。

 実際、世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)が2019年12月に発表した「ジェンダー・ギャップ指数2020」において、日本は153か国中121位と非常に悪い結果が出ている。

 この指数は経済・政治・教育・健康の4分野のスコアから算出されているのだが、教育と健康分野のスコアは比較的高いものの、経済分野は115位、政治分野に至っては144位と世界最低レベルで、この2分野への対策が急務となっている。

 目標5のターゲットは次のとおり。

  • 5.1:
    2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
  • 5.2:
    人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
  • 5.3:
    未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
  • 5.4:
    公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
  • 5.5:
    政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
  • 5.6:
    国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、ならびにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。
  • 5.a:
    女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
  • 5.b:
    女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
  • 5.c:
    ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。

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